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(備忘録)“吉田屋弁当”集団食中毒

(備忘録)“吉田屋弁当”集団食中毒

以下、青森テレビのニュース記事を転記します。なお、気になるポイントは太文字にしています。

青森テレビ 10/16(月) 15:01配信

青森県八戸市の弁当製造会社「吉田屋」の弁当による集団食中毒問題について八戸市保健所は16日、食中毒の原因が推定されたため「吉田屋」に対して改善指導をしたと公表。
青森県八戸市内で会見を開きました。

八戸市保健所は岩手県内の米飯製造委託業者について関係自治体に

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レアステーキはユッケか?

レアステーキはユッケか?

食中毒事件の経緯

京都府宇治市の「MEAT&FRESH TAKAMI」が販売した牛肉を食べた90代女性が腸管出血性大腸菌O157で死亡した。
亡くなった方を除き、同店の「レアステーキ」や「ローストビーフ」を食べた9~87歳の22名が食中毒の症状を訴えている。

原因食材

死亡した女性が食べたのは、「レアステーキ」と称して販売する人気商品。
運営会社「ジィーシーエム」の社長は、「生肉を約300℃

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食品安全を「科学的に」取り組む

食品安全を「科学的に」取り組む

「食品、添加物等の規格基準」(昭和34年厚生省告示第370号)には、該当する食品ごとに殺菌条件などが示されている。

一例として、生乳、血液、牛レバー、豚肉については、「中心部の温度を63℃で30分間以上加熱するか、又はこれと同等以上の殺菌効果を有する方法で加熱殺菌しなければならない」とされている。

ところで、この「同等以上の殺菌効果を有する方法」とは何だろうか。
厚生労働省は、食肉の加熱条

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データから見る食品の対米輸出

データから見る食品の対米輸出

米国通商代表部によると米国は世界75カ国以上と貿易関係にある。

米国への食品輸出ベスト52017年時点で以下の通り。
・カナダ 2,820億ドル
・メキシコ 2430億ドル
・中国 1,300億ドル
・日本 680億ドル
・英国 560億ドル

対米輸出・上位品目の状況輸出金額2015年/増加率2013年との比較
1位 ホタテ 127億円 12.8%
2位 ブリ 116億円 57.4%
3位 ア

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鶏白湯ラーメンの鶏チャーシューによる食中毒

鶏白湯ラーメンの鶏チャーシューによる食中毒

写真を見る限り、レアチャーシューとも言えない「鶏のたたき」状態。
(写真は当該店ホームページより)

半生の鶏肉はもってのほか。
半生で提供し続けて約一年以上経過していた様子だが、まさに誰が当たってもおかしくなかったロシアンルーレット状態が続いていた。

食中毒原因菌 カンピロバクターここ数年、食中毒事件数で第1位が続く原因菌であるカンピロバクター。
HACCPの講義を行っていても、まだまだその存

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発売決定「低温調理の教科書~食肉の科学的な調理技術とレシピ~」

発売決定「低温調理の教科書~食肉の科学的な調理技術とレシピ~」

3冊目の単著の発売が決まりました。
本日よりAmazonにて予約開始しています。
(Amazonページ) 

昨今の低温調理ブームを受けて、SNSなどで数多くの危なっかしい調理レシピなどを目にすることが有りました。
低温調理は、味や食感などの面でメリットも多く、面白い調理法であり、是非楽しんで頂きたいと思います。しかしながら、不幸にして食中毒を起こすことのないようにしないといけません。

「科学的

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信条の一つ

信条の一つ

「購入を迷う書籍は買ってから考える」
信条の一つにしている。

充実した内容とともに、業務に直結する専門書に、これまで何冊も出会った。しかし、高額なために購入を諦めたことが何回も。
絶版となり、書店をいくつも探しまわった徒労に終わり、後悔したこともある。

その後、インターネットが発達し、古本の検索が容易になったり、オークションなどでの購入ができるようになったりして、数十年経ってから購入できる

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食品安全の鍵

食品安全の鍵

加熱殺菌を科学工学的に解説する講座も、すでに400名を超える方々が受講されている。

基礎理論として、対象となる微生物の性状や関連する法規も触れながら、D値やz値の解説を演習とともに行っている。
この部分が理解されれば、レトルト殺菌のような一見すると難易度の高い食品加工も科学的に設計・管理ができるようになる。

不特定多数のお客様に商品を食べていただくには、もちろん味や機能面などが魅力的であること

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フードテック視点による今後のテーマ

フードテック視点による今後のテーマ

フードテックという言葉が多く聞かれるようになった。
しかし、日本ではなんとなく「フードテック=代替肉」というイメージが先行している。

フードテックとは、フード×テックの掛け合わせであり、食に関する技術開発や科学的な前進を意味する。
次のようなものが喫緊の課題と考えられる。
また、この新しい産業分野はSDGsとの繋がりが大きい。
・食糧不足解消
・飢餓問題解決
・代替食の開発
・食の安全確保
・人

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「食文化」における微生物学的視点からの一考察

「食文化」における微生物学的視点からの一考察

「食品」とはある意味で次のようなサイクルで確立されたもの

・身近にある「モノ」を口にしてみた
     ↓
・腹を壊すなど、トライ・アンド・エラーを繰返す
     ↓
・食べられたものを「食品」として認知

実はこの過程において腸内細菌の変化がある。
仏・ロスコフ海洋生物研究所は、
「紅藻類から、炭水化物分解酵素を発見した」
と2010年Natureに発表している。
さらにこの酵素、人の腸内細

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科学技術立国・日本が進むべき方向性

科学技術立国・日本が進むべき方向性

今年初め(2014年当時)のTBS「夢の扉+」で「波力発電」を取り上げていた。
三井造船のプロジェクトであるが、その時の試算が今も記憶に残っている。

https://www.facebook.com/yumetobiplus/posts/600024160051173?stream_ref=10

海に囲まれた日本。
周辺の全ての波のエネルギーを電力に換算すると3億kW。
その内、たった3%でも

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