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書籍レビュー「一人で生きる が当たり前になる社会」

久々におもしろい書籍にあたったのでレビューやってきます。

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荒川和久さんと中野信子さんによる「一人で生きる が当たり前になる社会」

総評・感想

中々おもしろかった。
結婚を決して否定するような書籍ではないので、周りが結婚して焦ってるとか親のプレッシャーが気になるとか、そういう人に特に読んでほしい。
(実際俺がそうなんだけどw)
自由な生き方を選べる時代だからこそ、結婚するかどうかも選べるということがわかる。
言葉の上ではわかってるつもりだけど、その手の焦りを感じる状況にいると中々どっちでもいいんだなとはなれない人も多いと思うので客観的なこうした意見もあるということを読んでみて、そのうえでどうするか決めるのもアリなんじゃないかと思う。
人生の大切な選択だからね。

それでは、以下いつも通り自分用のメモとして印象的なところを書いていく。

結婚は絶対しなくてはならないものではない

2040年には独身者が47%になり、いずれ結婚しない方が過半数になるという統計から見る日本の未来予想から始まる。

1人でいたい人が4割、みんなといたい人が6割という統計がある。
その中で一人の時間が大切で結婚意欲も薄いという人はさらに2割くらいになるとのこと。

まぁ要は人と付き合うのが得意な人と不得意な人がいるということ。
それは幼少期の環境によって左右されるものもあれば、後天的にコミュニケーション能力などを身につけることで改善できる割合もある。

だからこそ結婚というシステムが必ずしも誰もが人生にプラスになるものではないだろうし、しなくてはならない義務があるわけでもないとのこと。

周りが結婚していくからとか、親に子供を見せたいだとか、自分の意思を第一としない焦りによるものというのは少なくとも違うんだろうなと思った。

経済活動、会社都合の「皆婚主義」

ひと昔前では結婚してこそ一人前とか、会社で昇格ができるとかってのがあったと思う。
終身雇用、年功序列が当たり前の時代は結婚していない人を一段下に評価する仕組みがあったのは、要するに人質だったと。
要は会社のために必死に働かせるには独身より家族などがいたほうがいいだろうという論。

家族のためなら転勤や無茶な業務転換なども従ってくれるだろうという感じ。
マイホームの長期ローンなんかも同じだろうけど、これは現代でも一理ある。

要は独身の人たちがやや劣勢にならざるを得ないような社会がかつては形成されていたという内容。
つまり結婚する・しない は道徳論より、企業側の社会倫理ではないかと著者は言っているが、それは言い過ぎかなとは思う。

孤独には2種類がある

選択的孤独

これはシンプル。
非常に贅沢で自分一人で実行できる経済力があり、時間的余裕・一人で暮らせる基盤もあり、自ら選んで一人で過ごしていけるというもの。

排除による孤独

自分はここになじめない、なじめないという孤独感が大きなストレスになるもの。
一般的に思う『孤独』というのはこちらではないかと思う。

なのでこれらからすると、一人でいる=孤独である は必ずしもイコールではない。
逆を言うと、人と大勢でいれば必ずしも孤独を感じないということではない。
なので一番危険なのは『大勢に囲まれているのに、なんかすごい孤独を感じる』という状態だという。
見かけは孤独ではないけど、コミュニケーションは断絶した状態ということ。

実は自分は大学生時代に所属したいくつかのコミュニティで感じた経験がある。それがなんだったのか、いかに辛く感じていたのかを思い出しつつも読んでいてやっと理解できたのだと思う。
昔から合わない環境だと自分自身の一定の努力と改善で解決しないとわかれば、そのコミュニティを捨てるという選択を自分に正直にできる人間なのでそれほど後を引いていないし自分の選択は正しいというのは読んだ上で改めて思えた。
時間を無駄にすることは人生における最大の損失だと当時から思っていたが、それは変わっていない

独身の不幸度

男性、女性共に40代が一番不幸度が高く以降は緩やかに下がると統計が出ている。
この辺の理由は明確には語られておらずホルモンバランスの乱れが一例として挙げられていたがイマイチ要領を得ない。

まぁ、ある程度人生でやりたかったことが30代でできて、やること・新鮮さを感じられることが減ってくるのが要因なのかなと個人的には思う。

やはり人生、未経験に挑む時のワクワク感というのは何歳になっても変わらないと思う。
直接的な解決になるかはわからないけど、自分はとりあえずやりたいことはなんでもやってみるし、上手くいかなくても経験としてそれは生きると思ってるし、何にせん死ぬときにやっときゃよかったなー というリストが1つ減るというのだけでも十分価値があると思うのでこれからも続けたい。

後半にいくにつれて、少し趣旨がズレてきたところもあったので、個人的に面白かったのはこんなところかなと。

本は変わらずそれなりのペースで読んでるんだけど、レビューしようと思えたのは久しぶりの一冊だったのでおもしろかった。

俺も結婚するかどうかはわからないけど、周りに流されず自分の意思で決めたいと思います。


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