書籍レビュー「このまま今の会社にいてもいいのか?と一度でも思ったら読む転職の思考法」
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「このまま今の会社にいてもいいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法」
タイトルが実にキャッチーですね、思わず手に取ってしまいました。
基本今の仕事はそんな悪くないと思っていますが、働いてれば色々あるし自分もたまに考えることもあります。
総評
非常におもしろく読みやすかった。ここ最近ではかなり上位の良書だった。
内容はストーリー調で転職を考える会社員とコンサルタントの会話形式で物語進行していく。テンポもいいのであっという間に読み終えてしまった。
特に後述するTodoとBeingの対比はかなり斬新な考え方でもあったが、視点として自分の中でかなりすんなりと受け入れられた、
多分今後自分がどう生きていくにしろ、影響を受ける予感がしたので結構詳しめにメモしている。
それではいつも通り、印象に残った記載についてまとめておく
「中途で入るべき会社」と「新卒で入るべき会社」の違い
どちらがいいとか、悪いとか、ブラックとかホワイトとかそういう話ではない。
中途と新卒のバランスがよい会社ならいいが、中にはどちらかの比率に偏った会社もあるという話。
中途でも出世をしたければ、中途が昇格しやすいか、役員の中で中途の比率がどのくらいかを見極めた方がよい。
自分の強みと職種の合致
後者は自分の強みがその会社のエンジンと合致しているかということ。
営業が強い会社なら営業職、マーケテイング部門が強いならマーケティングの人間が裁量権を多く持って会社の中心として働ける。
ここを外すとキツイのはわかる。裁量権があるほど働きやすさは高いからね。
転職の面接で会社側に対して聞くといいなと思ったこと。
どんな人物を求めていて、どのような活躍を期待しているのか
今一番社内で活躍し、評価されているのはどのような人物か、またその理由
自分と同じように中途で入った人物で今活躍をしている人はどんな部署で、どんな業務を担当しているか。
この3つからその会社で自分が活躍できるイメージができれば、OK
反対にもてなければ活躍できる可能性は低いかもしれない。
あまり面接でこちらから業務内容以外に質問をする人をみたことがないので、これは面白いなと感じた。
マーケットバリューと働きやすさの関係性
この二つは長期的には一致する。
マーケットバリューが高い人間が集まる会社が長期的に見て、結果的に働きやすい となるという結論。
会社の業績がいい時は関係ないが、悪化すると前者のない人の集まりは自分が生き残ろうと他人を蹴落とし始める。
なぜなら他の仕事、職場を選べるほどマーケットバリューがないから、つまり転職する力がないからである。
一見どちらを取るかという事柄に見えるが、この見方は一理ありこういう視点もあるんだなと参考になった。
ほとんどの人に「やりたいこと」なんて必要ない
そもそもほとんどの人に好きな事なんて必要ない という見出しから始まる、ここは結構衝撃あった。
①To do( コト)に重きを置く人間=何をするか で物事を考える。明確な夢や目標を持っている
②being(状態)に重きを置く人間=どんな人でありたいか、どんな状態でありたいかを重視する
結論から言うと、99%が②
具体例 仕事の楽しみ
Todo:世の中に革新的な商品を残すこと、会社を大きくすること
being:多くの尊敬できる人に囲まれている。世の中にこんな影響を与えているなど
仕事を楽しむための方法論は人によって異なる。ここを混同するから複雑になる。
世の中の成功哲学を記し、心からやりたいことを探せ という1%の人間(①)の話を真に受けて②が探しても、見つかるわけがなく、幻想を求めて彷徨う。
好きなことがなくても、「ある程度好きなこと」は必ず見つかる。それでいいという内容。
beingの人間が仕事を楽しむ条件①
being(状態)とは以下の二つがある
1.自分の状態 2.環境の状態
RPGゲームに例えると、
1は主人公の強さは適切か
2は緊張と緩和のバランスがちょうどよいか。
この辺はおかしくなるとゲームバランスが崩壊する。適切な環境で、例えば敵が倒せそうで倒せないからレベルアップ というのは、勉強して知識を身につけて などと同じ、何かしらの努力をして環境に対して自分が適切な強さでいられるか である。
置き換えるとそれがマーケットバリューである。
なので仕事を楽しむには、「マーケットバリューがある程度適切にあること」「求められるパフォーマンスとマーケットバリューがある程度釣り合っていること」は必要条件。
beingの人間が仕事を楽しむ条件②
自分に対する信頼を置くこと=自分にできるだけ嘘をつかないこと
迷ったときでも自分を嫌いにならない選択肢を選ぶこと。
自分を好きになってやること。
仕事においてつく嘘を最小化する。自分を好きにならなければいくらマーケットバリューが高まり、自分が強くなっても、その「ゲーム」を楽しむことはできない。
緊張と緩和のバランス
仕事が楽しいかどうか判断する基準
この半年の間に強い緊張を感じた場面を書き出してみる。
悪い循環が10以上ある→職場を変えた方がいい
いい緊張が3つ未満→より難しい業務ややったことがないことへ挑戦する。
いいか悪いかは自分の主観の判断で問題ない。
最後のまとめ
・転職を阻害するのは現実的な危険性ではなく、ほとんどが見栄か恐怖。
・転職が失敗かどうかは、あくまで事後的にしかわからない。だからこそ失敗につながる唯一の条件は、覚悟を決めるべき時に覚悟を決められないこと。
・転職が当たり前になれば選択肢を手に入れた個人はより自由になり、社員を惹きつける会社はより魅力的になる。
1,2は非常に共感。3については筆者が転職をタブーとする日本社会に対する批判的な意見もやや感じるが、今はそこまででもないと個人的には思うので共感度は並くらい。
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