いしかわごう

サッカーと将棋をコンテンツ化するフリーランスです。Number Webなどに寄稿。著書…

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サッカーと将棋をコンテンツ化するフリーランスです。Number Webなどに寄稿。著書は「将棋でサッカーが面白くなる本」、「川崎フロンターレあるある1&2」など。

マガジン

  • 第103回天皇杯優勝マガジン

    天皇杯制覇を果たした川崎フロンターレの2023年大会(第103回)のレビューまとめです。優勝までの軌跡をどうぞ。

  • 映画『THE FIRST SLAM DUNK』を語る

    スラムダンクの映画『THE FIRST SLAM DUNK』について書いたnoteをまとめたマガジンです。

  • スラムダンクの新装再編版を語る。

    2018年6月から発売されているスラムダンクの新装再編版を語るレビューです。

  • 谷口彰悟について語るマガジン

    谷口彰悟が川崎フロンターレで過ごした2014年から2023年までの9シーズンの取材雑記をまとめました。全部で約60000文字ほどあります。他では読めない、とっておきのコンテンツです。

  • カタールW杯日本代表レビュー

    2022年のカタールW杯での日本代表戦4試合をレビューしています。50000文字超えの読み応えあるボリュームです。

記事一覧

試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第11節・浦和レッズ戦)

5月3日はUvanceとどろきスタジアム by Fujitsuで浦和レッズ戦です。  川崎フロンターレは勝ち点9で現在16位。5試合勝ちのない状態で、順位的には降格圏内に近いのが現在…

200
17

「Spirit on the Pitch 」(リーグ第10節・サンフレッチェ広島戦:2-2)

「日本代表としての誇り、魂みたいなものは向こうに置いてきた」  あまりに有名な三浦知良の言葉である。 1998年、日本代表が初出場したフランスワールドカップのメンバ…

500
55

試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第10節・サンフレッチェ広島戦)

4月28日はエディオンピースウイング広島でサンフレッチェ広島戦です。    噂の新スタジアムですねぇ。キャプテンの脇坂泰斗が言います。 「映像で見ていると、環境面や…

200
23

「武器と勇気と希望」 (リーグ第9節・東京ヴェルディ戦:0-0)

 Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsuでの東京ヴェルディ戦は0-0。スコアレスドローでした。 連敗は2で止まりましたが、これで4試合連続無得点です。タイムアップの瞬間…

500
72

試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第9節・東京ヴェルディ戦)

4月20日はUvanceとどろきスタジアム by Fujitsuで東京ヴェルディ戦です。 試合当日の4月20日、鬼木達監督は50歳の誕生日を迎えます。試合日と誕生日が重なることは珍しく…

200
いしかわごう
2週間前
26

「この苦しみを強さに」 (リーグ第8節・セレッソ大阪戦:0-1)

ヨドコウ桜スタジアムでのセレッソ大阪戦は0-1で敗戦。 0-1(セレッソ大阪戦) 0-1(町田ゼルビア戦) 0-0(横浜F・マリノス戦) 3-0(FC東京戦)  中断明けとなった…

500
いしかわごう
2週間前
57

試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第8節・セレッソ大阪戦)

4月13日はヨドコウ桜スタジアムでセレッソ大阪戦です。 セレッソとはスペイン語で「桜」を意味する言葉です。そして川崎フロンターレは、この桜が咲く時期に、なぜか毎年…

200
いしかわごう
3週間前
26

「僕らだけの歌」 (リーグ第7節・FC町田ゼルビア戦:0-1)

 小林が入って、わずか数分後の70分。 ゲームの構図を大きく変える出来事が起きる。高井幸大が自陣のエリア前で受けたボールをチョン・ソンリョンに流すと、右サイドに大…

500
いしかわごう
3週間前
76

試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第7節・FC町田ゼルビア戦)

4月7日はUvanceとどろきスタジアム by FujitsuでFC町田ゼルビア戦です。 町田ゼルビアとは、クラブ史上初めての対戦となりますね。 J2時代や天皇杯といった公式戦を通じ…

200
いしかわごう
3週間前
25

「雨強く、君熱く。」 (リーグ第6節・横浜F・マリノス戦:0-0)

 まるで永遠に続くようにも思えた、11分ものアディショナルタイム。 そんな時間の終わりを告げるタイムアップの笛が鳴り響く。次の瞬間、記者席にいた自分の目に映ったの…

500
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4週間前
66

試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第6節・横浜F・マリノス戦)

4月3日は日産スタジアムで横浜F・マリノス戦です。 多摩川クラシコとの次は神奈川ダービーと、ビッグマッチが続きますね。 日産スタジアムでの横浜F・マリノス戦といえば…

200
いしかわごう
1か月前
30

「大切なものはいつもピッチの中にある」(リーグ第5節・FC東京戦:3-0)

「今日はトップ下だったので、より自分のゴールだったり、アシストにフォーカスしたかった。その感覚が得意なポジションだったからこそ、生きたかなと思います」  自らが…

500
いしかわごう
1か月前
82

試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第5節・FC東京戦)

3月30日はUvanceとどろきスタジアム by FujitsuでFC東京戦。多摩川クラシコですね。  鹿島アントラーズに敗戦し、リーグ3連敗で中断期間に入りました。約2週間のインター…

200
いしかわごう
1か月前
33

「何があなたをそうさせた」(リーグ第4節・鹿島アントラーズ戦:1-2)

 カシマサッカースタジアムでの鹿島アントラーズ戦は1-2で敗戦。  川崎フロンターレが鹿島にリーグ戦で負けたのは、2015年8月以来。実に8年6か月ぶりとなります。2017年…

400〜
割引あり
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1か月前
63

試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第4節・鹿島アントラーズ戦)

 3月17日は県立カシマサッカースタジアムで鹿島アントラーズ戦です。  鹿島にはほとんどのクラブが対戦成績で負け越しています。J1通算で勝ち越しているのは川崎フロン…

200
いしかわごう
1か月前
23

「いっぺんに何もかもというわけはいかないものです」(リーグ第3節・京都サンガF.C.戦:0-1)

 Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsuでの京都サンガF.C.戦は0-1。  ホームJ1通算200勝ならず。そして、リーグ連敗となってしまいました。 試合自体はどっちに転んで…

400〜
割引あり
いしかわごう
1か月前
50
試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第11節・浦和レッズ戦)

試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第11節・浦和レッズ戦)

5月3日はUvanceとどろきスタジアム by Fujitsuで浦和レッズ戦です。

 川崎フロンターレは勝ち点9で現在16位。5試合勝ちのない状態で、順位的には降格圏内に近いのが現在地です。しかし今季のJ1リーグは、10試合を終えて独走するチームもいなければ、ほとんど勝てないチームもなく、シーズン序盤では珍しいほどの混戦状態となっております。

首位のセレッソ大阪を見ると、勝ち点19とまだ10差

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「Spirit on the Pitch 」(リーグ第10節・サンフレッチェ広島戦:2-2)

「Spirit on the Pitch 」(リーグ第10節・サンフレッチェ広島戦:2-2)

「日本代表としての誇り、魂みたいなものは向こうに置いてきた」

 あまりに有名な三浦知良の言葉である。

1998年、日本代表が初出場したフランスワールドカップのメンバー選考で大会直前に落選。帰国後、テレビでも中継されていた記者会見に臨んだカズは、当時31歳だった。

 幼い頃からずっと夢見てきた舞台の扉が、目の前で閉ざされる。
にもかかわらず、毅然とした態度でこの言葉を紡いでいたことを思うと、今

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試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第10節・サンフレッチェ広島戦)

試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第10節・サンフレッチェ広島戦)

4月28日はエディオンピースウイング広島でサンフレッチェ広島戦です。
 
 噂の新スタジアムですねぇ。キャプテンの脇坂泰斗が言います。

「映像で見ていると、環境面や雰囲気がいいなと感じているので、楽しみです」

 選手だけではなくサポーターの皆さんもそうだと思いますが、一度も足を運んだことのないスタジアムに行くときは気持ちが高まるものです。それがサッカー専用スタジアムであれば、なおさらですよね。

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「武器と勇気と希望」  (リーグ第9節・東京ヴェルディ戦:0-0)

「武器と勇気と希望」 (リーグ第9節・東京ヴェルディ戦:0-0)

 Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsuでの東京ヴェルディ戦は0-0。スコアレスドローでした。

連敗は2で止まりましたが、これで4試合連続無得点です。タイムアップの瞬間、等々力にはなんとも言えない空気が流れました。

ホームで勝てなかったこと、得点が奪えなかったことにキャプテンの脇坂泰斗は悔しさを噛み締めています。

「悔しいです。意図的にゴール前に持っていけたのはセレッソ戦よりは

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試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第9節・東京ヴェルディ戦)

試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第9節・東京ヴェルディ戦)

4月20日はUvanceとどろきスタジアム by Fujitsuで東京ヴェルディ戦です。

試合当日の4月20日、鬼木達監督は50歳の誕生日を迎えます。試合日と誕生日が重なることは珍しく、鬼木監督が監督になってからは初めてです。監督初年度の2017年が誕生日翌日に試合があったぐらいですね。

今週の麻生グラウンドでは、報道陣から誕生日ケーキでお祝いさせていただきました。鬼木監督も驚いてましたが、「

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「この苦しみを強さに」  (リーグ第8節・セレッソ大阪戦:0-1)

「この苦しみを強さに」 (リーグ第8節・セレッソ大阪戦:0-1)

ヨドコウ桜スタジアムでのセレッソ大阪戦は0-1で敗戦。

0-1(セレッソ大阪戦)

0-1(町田ゼルビア戦)

0-0(横浜F・マリノス戦)

3-0(FC東京戦)

 中断明けとなった直近4試合のスコアだ。開幕直後に比べると、4失点や5失点をするゲームはなくなった。4シーズンに渡って採用していた4-3-3システムから4-2-3-1システムに変更し、中盤をダブルボランチに。そして選手たちが粘り強

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試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第8節・セレッソ大阪戦)

試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第8節・セレッソ大阪戦)

4月13日はヨドコウ桜スタジアムでセレッソ大阪戦です。

セレッソとはスペイン語で「桜」を意味する言葉です。そして川崎フロンターレは、この桜が咲く時期に、なぜか毎年のようにセレッソ大阪と等々力で対戦しています。

 調べてみたら、去年は3月18日で、一昨年は4月2日で、2年前は3月3日でした。そして今年は4月13日に、セレッソのホームで対戦することとなりました。

 セレッソには今シーズンから登里

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「僕らだけの歌」 (リーグ第7節・FC町田ゼルビア戦:0-1)

「僕らだけの歌」 (リーグ第7節・FC町田ゼルビア戦:0-1)

 小林が入って、わずか数分後の70分。
ゲームの構図を大きく変える出来事が起きる。高井幸大が自陣のエリア前で受けたボールをチョン・ソンリョンに流すと、右サイドに大きく展開。

 その先にいたのは、サイドバックの瀬川祐輔だった。
ジャンプするのではなく、相手との間合いを見ながら胸でトラップ。次の瞬間、相手と入れ替わるような形で素早く前を向くと、瀬川は躊躇せずに前方に走り出していた小林悠にパスを届けた

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試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第7節・FC町田ゼルビア戦)

試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第7節・FC町田ゼルビア戦)

4月7日はUvanceとどろきスタジアム by FujitsuでFC町田ゼルビア戦です。

町田ゼルビアとは、クラブ史上初めての対戦となりますね。

J2時代や天皇杯といった公式戦を通じても、過去一度も対戦のないクラブとJ1の舞台で初対戦するのは、ここ最近はなかった気がします。直近だと2015年にJ1に昇格してきた松本山雅FC以来じゃないでしょうか。

Jリーグは今年からルヴァンカップにJ3とJ2

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「雨強く、君熱く。」 (リーグ第6節・横浜F・マリノス戦:0-0)

「雨強く、君熱く。」 (リーグ第6節・横浜F・マリノス戦:0-0)

 まるで永遠に続くようにも思えた、11分ものアディショナルタイム。

そんな時間の終わりを告げるタイムアップの笛が鳴り響く。次の瞬間、記者席にいた自分の目に映ったのは、その場で一斉に倒れ込んだ川崎フロンターレの選手たち数人の姿だった。

10人で戦い続けた死闘の末のドロー。

彼らの限界は、とっくに超えていたのだ。

ダービーは勝たなくてはいけないものである。

しかし、結果とは別のところで心が満

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試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第6節・横浜F・マリノス戦)

試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第6節・横浜F・マリノス戦)

4月3日は日産スタジアムで横浜F・マリノス戦です。

多摩川クラシコとの次は神奈川ダービーと、ビッグマッチが続きますね。

日産スタジアムでの横浜F・マリノス戦といえば・・・やはり去年の激闘が思い出されます。スコアレスドローで迎えたアディショナルタイムに決まった車屋紳太郎のゴールで劇的な勝利を飾りました。

実はシーズン終盤、この時のゲームをじっくりと振り返る企画を担当したのですが、選手たちが口に

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「大切なものはいつもピッチの中にある」(リーグ第5節・FC東京戦:3-0)

「大切なものはいつもピッチの中にある」(リーグ第5節・FC東京戦:3-0)

「今日はトップ下だったので、より自分のゴールだったり、アシストにフォーカスしたかった。その感覚が得意なポジションだったからこそ、生きたかなと思います」

 自らが決めた先制点を振り返る脇坂泰斗は、そう説明してくれた。

この日は慣れ親しんだ4-3-3システムではなく、4-2-3-1システムでスタート。ポジションもインサイドハーフではなくトップ下だ。

 思い返してみると、脇坂泰斗という選手が川崎フ

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試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第5節・FC東京戦)

試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第5節・FC東京戦)

3月30日はUvanceとどろきスタジアム by FujitsuでFC東京戦。多摩川クラシコですね。

 鹿島アントラーズに敗戦し、リーグ3連敗で中断期間に入りました。約2週間のインターバルがあり、チームとして有意義な時間として過ごせたのか。そこが問われる一戦でもあります。

 試合前々日、鬼木達監督のオンライン囲み取材がありました。
鬼木監督にとっても、腰を据えてじっくりと選手達がトレーニングに

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「何があなたをそうさせた」(リーグ第4節・鹿島アントラーズ戦:1-2)

「何があなたをそうさせた」(リーグ第4節・鹿島アントラーズ戦:1-2)

 カシマサッカースタジアムでの鹿島アントラーズ戦は1-2で敗戦。

 川崎フロンターレが鹿島にリーグ戦で負けたのは、2015年8月以来。実に8年6か月ぶりとなります。2017年に始まった鬼木体制では初めての負けとなりました。

 不確定要素が多いサッカーという競技で、同じカテゴリーの強豪にこれだけの長期間に渡って負けなかったこと自体すごいのですが、それだけ長く負けなかったことには然るべきべき理由が

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試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第4節・鹿島アントラーズ戦)

試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第4節・鹿島アントラーズ戦)

 3月17日は県立カシマサッカースタジアムで鹿島アントラーズ戦です。

 鹿島にはほとんどのクラブが対戦成績で負け越しています。J1通算で勝ち越しているのは川崎フロンターレと、前節の初対決で勝利した町田ゼルビアだけです。

 元々、クラブとして鹿島はそこまで苦手ではありませんでしたが、鬼木監督になってからだとリーグ戦では一度も鹿島に負けていません。2017年からの8シーズン一度もです。これは驚異的

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「いっぺんに何もかもというわけはいかないものです」(リーグ第3節・京都サンガF.C.戦:0-1)

「いっぺんに何もかもというわけはいかないものです」(リーグ第3節・京都サンガF.C.戦:0-1)

 Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsuでの京都サンガF.C.戦は0-1。

 ホームJ1通算200勝ならず。そして、リーグ連敗となってしまいました。

試合自体はどっちに転んでもおかしくない展開だったと思います。お互いに2度ずつゴールネットを揺らしており、得点が認められなかった3つのシーンは、どれもVARによる判定が下るまでに短くない時間を要してます。それだけ見極めも際どかったとい

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