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詩集 「まるい地面のプレイグラウンド」

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日々の歩みの中で、大切にしたいと感じた気持ちや思いを詩集として書き綴っていきたいと思います。
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2016年4月の記事一覧

「愛しき太陽」

「愛しき太陽」

きっと 吐いた息は白い
手足はかじかんで とうに感覚がない

全てが暗闇に飲み込まれた森の中
吹きすさぶ風音と自分の呼吸しか聞こえない

一秒が永遠のように感じる

本当に夜は明けるのか

期待は ことごとく風に飛ばされていく

もうダメかもしれない

憤りを通り越し
無力感に支配され
微かな祈りに命を預けてしまおうというところで
すーっと風が引いた

闇の奥に気配を感じ 眼を凝らす

誰かが歓

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「未踏の道」

「未踏の道」

誰も通ったことのない道

目が覚めたら全ての痕跡が真っ白になっていた

あまりの美しさに息をのんだ

ふつふつと湧き上がる感情

この真っ白な世界に
一番先に足跡をつけたい

絶対に誰よりも先に
好きなところを歩きたい

どこを踏み固めようか

最初の一歩は いったいどんな感触なんだろうか

胸が高鳴る

衝動が抑えきれない

さぁ 踏み出そう

好きなように飛び跳ねよう

どんな軌跡を描くか

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「いろめがね」

「いろめがね」

先輩後輩である前に ひとりの人

恋人同士である前に ひとりの人

売り手と買い手である前に ひとりの人

先生と生徒である前に ひとりの人

社長と社員である前に ひとりの人

友達同士である前に ひとりの人

日本人と外国人である前に ひとりの人

親と子である前に ひとりの人

あなたもわたしも ひとりの人

自分と同じ 大切な人

自分と違う 特別な人

ーーーーー #詩 #ポエム #創作

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「雨の日」

「雨の日」

今日は雨かぁ
少し残念な気持ちがよぎる

それと同時に
どこからともなく不思議な安らぎが広がっていく

どこか心の奥のほうの
しっとりとした場所で

いつもは陽の当たらない柔らかい部分で
ひっそりとしている何かが
ドアを開けて深呼吸をしているような

その優しい何かが 雨と混ざりあって喜んでいるような

傘に当たる雨音を聞きながら

少し湿ってきた爪先の不快感を感じながら

微かにほほえんでしまう

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「本音」

「本音」

心が波立っていると
雑音にかき消されて聞こえないくらい危うくて

齢を重ねるほど耳を研ぎ澄ます必要があって

他のものとはまるで違う響きがある

凪でシーンと静まりかえった心に
ポツンと雫が落ちて
その音が美しく反響する

たいして大きな音量じゃないのに
とりわけシンプルな波形なのに

からだが自然と受け入れて
心地よくスーッと入ってきて
隅々まで溶け込んでいく音色

その音が私の本音だったりする

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