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『わたし、定時で帰ります。』第3話 新人教育問題と本当に悪いのは誰か

簡単なあらすじ

第2話で行われていたCM撮影中、新入社員の来栖が勝手にスマホで撮影していた動画が流出してしまい、ネットで拡散されてしまう。その内容は、CM出演者が休憩の時に商品を飲んでいて、

「後味ゴムじゃ〜ん!」

とバカにしているものだった。

会社から、取引先に謝罪するなり責任を取らされることになると、「じゃあ辞めます。お世話になりました」と、会社を飛び出してしまう。
そのまま本当に帰って来ず、辞める新人が3人目となり、会社としては問題になる為、戻って来るなら許そうということになり、指導係の東山に一任され、辞めたら東山の責任問題にされることになってしまう。

「最近の若者はすぐに仕事を辞める」

ビールを飲みながら、いつもの中華料理屋でそう三谷はくだを巻くが、店長が「若い人て一括りにしてはいけない」と流暢な片言で注意する。そして常連のお客が皮肉を言う。

「昔は、会社に選んでもらう時代だったけど、今は会社を選ぶ時代になったってことだね。」

辞めてせいせいしたような来栖だったが、電車に乗って逃げついた旅館で財布をなくしてしまったと、東山に連絡が入り迎えに行く。少なからず反省していた来栖を説得して会社に戻ると、「後味ゴムじゃん」という動画が拡散されたことで、逆に商品が売れてしまうという逆転現象が起き、ことなきを得るが、「社会人としての信用はないんだぞ。」と釘を刺されてしまう。

その後、新たなコンペを東山が担当することになり、来栖もサポートに着くが、やはり自分の無力さや必要性を感じられず、東山に辞表を渡す。それでも説得して続けるが、来栖には自信になるものがない。

「新人だったら仕事ができなくて当たり前。でも、君がいるとわたしは面白いんだよ。」

と、来栖への思いを伝える東山。

コンペはうまくいかないように思えたが、契約が成立した。そのきっかけは他ならぬ来栖だったのだ。
引き続き、東山と来栖に担当を任せると言われるが、少しだけ自信が持てた来栖は

「僕が辞めると東山さんが困るから、もうちょっと頑張ります」

と東山にメールするのだった。

本当に悪いのは誰?

最近は、SNSによるバイトテロや酔っ払い配信による炎上など、沢山の問題が起きていますよね。
ドラマでは、新人の来栖が、CM撮影をスマホで撮影していて、東山に見つかった時に、「何やってるの!すぐ削除して!」と怒られて、しぶしぶ「は〜い」と言うが、実際には削除しておらず、ネットに上げてしまう。その理由は、他の会社で頑張っている同期に、自分もこういうことをやっていると「誇示」したいからでした。当人はこんな大事になるとは思いもよらず、スマホで撮っていたことも取引先にバレていたので、言い逃れもできなかったが、結果的には、それが話題を呼び、売り上げが好調だったので、結果オーライとして不問になりました。

こういった問題は、色々ありますよね。来栖のように、撮っちゃいけないものを撮ってSNSにアップしたら、当然問題になります。特に芸能人が問題を起こすと、一気に叩かれてしまいます。
全く違うケースで言えば、違法捜査による証拠は証拠にならないそうですが、それは違うんじゃないかと思うです。仮に違法捜査による証拠が見つかったとしても、それはそれで認めるべきで、違法捜査は違法捜査として罰するべきだと思うんです。

何が言いたいかというと、「本当に悪いのは誰か?」ということです。違法捜査をしたとしても、そもそも犯罪を犯した人が悪いわけですよね。ドラマに話を戻すと、来栖が勝手に撮影したことも配信したことも悪いのはもちろんですが、「後味ゴムじゃ〜ん!」って言った奴が、諸悪の根源だと思うんです。ドラマでは、こいつがどうなったという描写はなかったですが、表面的なことだけに捉われてしまうと、見るべき本質を隠して見えないようにしてしまうのかもしれません。だからと言って、違法捜査や来栖が許されるわけではないし、なんでもありというのもどうかとは思いますが、「それはそれ、これはこれ」として、表面的な情報に惑わされずに見るべきではないでしょうか?

如何に時代の変化に対応するか

中華料理屋の常連さんのセリフは、まさに時代の変化を表していますが、変化に対応することはとても重要なことで、生存戦略として欠かせないことです。

私が就職した年は、就職氷河期の終わり頃でしたが、内定をもらうのは簡単ではありませんでした。その当時から、すぐ辞める新人はいましたが(私も一年で退職しました)、当時よりも今の方が、辞めるのは早いかもしれませんね。

大学も定員割れを起こしていたり、企業も求人募集を続けています。最近は「インディード」などのCMをよく見ますが、なぜなら、人が足りていないからです。以前、営業の会社に勤めたことがありますが、入れ替わりが異常に多くて早く、大した実績がなくても、すぐにリーダーになれる程でした(笑)

代わりが利く、誰でもできるような仕事ほど、やり甲斐を感じにくく、長続きしないのかもしれませんね。やり甲斐を感じないから、ブラック企業だと感じる所もあると思いますが、お金ももちろんですが、やり甲斐を発見できることや、やり甲斐を感じさせるような会社作りも必要なのでしょうね。

自分の価値を何で測るのか?

仕事の代わりはいます。でも、存在そのものの代わりはいません。新人の来栖にとってみたら、仕事で認められたいと思うのは当然ですが、仕事ができる人の代わりはいくらでもいます。むしろ、もっとできる人がたくさんいます。でも、この人がいないと寂しい、この人がいると面白いという、人間としての魅力を認めてもらえることが、一番の価値ではないでしょうか?

「ここを認めて欲しい」という気持ちもわかりますが、面白いもので、自分が認めて欲しい所と、人から認めてもらう所は違ったりします。やはり、頑張ったことや、できるようになったことを認めて欲しいと思うものです。しかし、人は違う所を見ていたりします。最初は、「え?そこ?」と思うかもしれませんが、そういう所こそ、後々それが本当の価値だと気付いたりするものです。

会社においては、「仕事がどれだけできるか」が一番の評価になりますが、本当に付き合っていく人とは、仕事能力や貢献度ではない、「人間の魅力」を見てくれる人とこそ、付き合っていくべきなんだろうなと思います。

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