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記録係からの進捗報告書

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ジョナサンズ「厄病神とジレンマ」の作品創作レポートです。 記録係:辻本直樹[関係舎]
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蛇足か処方箋か -記録係からの最終報告書-

蛇足か処方箋か -記録係からの最終報告書-

ジョナサンズの旗揚げ公演「厄病神とジレンマ」、全日程無事に終了しました。

ご来場いただいたお客様と、会場へは来られなくとも気にかけてくださった皆様に、まずは厚く御礼申し上げます。

さて。

今回の公演に関して、終演後のご感想・印象など実に多種多様なものをいただきました。その賛否両論は「波紋を呼ぶ」とか「物議を醸す」といった感じではなく、それぞれのお客様の中でそれぞれに異なっている幸福論または不

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たとえば、幸せについて

たとえば、幸せについて

ジョナサンズ「厄病神とジレンマ」の稽古が終わり、いよいよ本日SPACE梟門(キョウモンと読みます)へ劇場入りしました。あとは実際の舞台で最終調整をして、お客様に見届けていただくための準備は完了となります。ここで、ざっと情報のおさらいをしてみましょう。

1.「厄病神とジレンマ」は、役者・さいとう篤史が初めて脚本と演出に挑戦する作品である。

2.出演する俳優はすべて、さいとうが役者として魅力的だと

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ジョナサンズ役者座談会

ジョナサンズ役者座談会

「厄病神とジレンマ」、ついに幕が上がるまで一週間となりました。舞台美術もスタジオに搬入され、ここから本番へ向けてラストスパートをかけていきます。前回記事は記録係の目から見た役者紹介でしたが、今回は当の役者たち自身の口から、このメンバーで旗揚げを迎えるジョナサンズについてたっぷり語ってもらいました。

というわけで、円卓の騎士感あふれる集合写真をもう一度(後方にちょっとだけ写っているのは美術です)。

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立ち向かう七人

立ち向かう七人

稽古風景を眺めていて、ふと考えることがあります。当たり前のように「演劇をつくる」と言っていますが、それって具体的にはどういう行為を指すのでしょう。

これはあくまで「ジョナサンズの場合」ですが、フィクションの中で誰かを演じることは「そんな人が現実にも存在しうる」ことの証明にもなると思うのです。上手な演技とは見た人が信じられる演技、(台本に書いてあるのは知ってるけど)その場にいる人間が考えて行動した

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考え(続け)る人(たち)

考え(続け)る人(たち)

早いもので、ジョナサンズ「厄病神とジレンマ」の本番初日まで、残すところ2週間と少しになりました。もちろん稽古は着々と進んでいますし、前回・前々回をインタビュー記事に費やしたおかげで、さぞ書くべきことも貯まっているのでは? と皆様お思いでしょうが、実はそうでもないのです。
じゃあ、これといって書くことがないような稽古をしているのかというと、そんなことは全然ありません。むしろ逆です。毎回新しい発見があ

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定例ジョナサン会議(後編・俳優のこと)

定例ジョナサン会議(後編・俳優のこと)

ー僕は記録係として結構早い段階から関わらせてもらっていて、オーディションも見学に行ったし、オファーの成否についても報告をその都度もらって知ってるんだけど、こうして集まった人たちを改めて見ると『よく集めてきたな』っていうのが正直な気持ちとしてある。

「初共演だったり、そもそも初対面どうしが結構多いですね」

−そうそう。どこかで見たことのある組み合わせ、っていうのが少ない。今回、役者を選ぶときの基

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定例ジョナサン会議(前編・脚本のこと)

定例ジョナサン会議(前編・脚本のこと)

「厄病神とジレンマ」稽古開始から約2週間が経過しました。ちょっとずつ配られていく台本を読み合わせしながら、着実に稽古は進んでいます。が、まだまだ物語の全貌は見えていません。そこで、さいとう篤史曰く「台本を書けと公式に急かしていいポジション」を与えられた私・記録係の辻本が、まだ書かれていない部分も含めた台本についてのインタビューを試みました。作家さいとうは、そして演出家さいとうは今、何を思うのか……

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本人から役への橋渡し

本人から役への橋渡し

みなさま初めまして。ジョナサンズ記録係の辻本と申します。
「厄病神とジレンマ」の公演に関連して、内側から創作過程を追っていく記事を不定期更新でお届けしていきます。文字中心でつづる密着ドキュメンタリー番組のようなものとして、これから公演本番の6月までよろしくお願いいたします。

さて、チケット予約も先日始まったばかりですが、話はいきなり2ヶ月前にさかのぼります。本格的な稽古に入る前段階として、クリエ

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