眠れぬ夜のブックカフェ

一日一度は書店に通う本屋好き。出版社勤務。元漫画編集者。noteでは、読書や創作、書店…

眠れぬ夜のブックカフェ

一日一度は書店に通う本屋好き。出版社勤務。元漫画編集者。noteでは、読書や創作、書店、出版界の話をします。好きな作家は村上春樹、小林秀雄、佐野洋子、色川武大、川上未映子、大江健三郎、開高健、須賀敦子、太宰治、三島由紀夫、サリンジャー。

マガジン

  • 本の命、本の謎、本の運命?

    本にまつわる謎、本の運命、本好きの宿命、本好きの責任などなど。

  • 読むことは受け身ではない!

    「読む」という行為は、受け身な行為ではない。非常にクリエイティブです!というお話を書いていきます。

  • 私はこんな人たちが好き!

    大好きな作家や作品、また好きなフレーズなどをまてめています。

  • 書くことは人生のスパイスです

    書くとはいったい何か?また、noteを書きながら自分が気づいた細やかなことをまとめました。

  • 本屋さんの話をしよう

    本屋さんや本屋大賞の話、書店業界の話について話をしよう。

記事一覧

【翻訳】日本女性作家エッセイは海外で評価されるのか?

もし、仮にですよ、 仮に英語がよく出来て、 自分で何かを翻訳できたなら、 日本の作品で何を海外に 紹介したいですか?? うーむ。 これは悩みますね。 まず、その作品…

【推薦図書】誰でも運命の本がありますよね?私はサリンジャーの…

運命という言葉を信じますか? 恋愛においては、 学生時代の恋人は私にとり 運命の人だったかもしれない。 その人とのちに結婚した訳でも ないのですが、 あの在日韓国人…

【本のセレクト】連休に味わいたい、心の奥底を覗く本ベスト5

さあ、今日から ゴールデンウィークです。 でも、旅行に行けない人も たくさんいるでしょう。 私も4月30日も、 5月2日も、仕事です。 せめてこの三連休は しっかりリ…

【推薦図書】鷺沢萠と柳美里は私の青春でした

昨日、よく立ち寄る本屋の 「啓文堂」で嬉しい出会いが ありました。 鷺沢萠『さいはての二人』 角川文庫。 「この本は今、絶版ですが、 啓文堂は敬意を表して、 特別に…

【あざとさ】読書にも、あざとさってあるのかな?

「あさどい」という言葉を よく耳にしますね。 恋愛で打算的なしぐさをする女子の ことをいいますね。 あ、あの子はあさどいな、とか。 あさどい男子っていうのは 余りに…

【新刊本】自分の人生に出会うために必要ないくつかのこと。

今日は、ハードカバーの単行本を 1冊買いました。 発売前から楽しみにしてました。 『自分の人生に出会う ために必要ないくつかのこと』 亜紀書房。4月22日発売。 ほと…

【読書と仕事】読書できるライフスタイルには何が必要?

今日はまた読書ができそうにない。 朝から夜まで 仕事でバタバタだったから。 締め切りが迫っているから。 とにかく疲れている。 体はまあまあだけど、 メンタルは変に冴…

【成功体験】成功体験は、いつも諸刃の剣?

成功体験。 言葉の響きはちょっと俗っぽい。 (笑)。 でも、自己肯定感に絡む文脈では 時折り顔を出して来る。 とりわけ、成功体験は、 仕事の話ではよく出てくる。 私も…

【テレビ名言】努力は夢中には勝てない!

『努力は夢中には勝てない』 最近、いつになく心を 鷲づかみされた言葉でした。 先々週でしょうか、  テレビ『激レアさんを連れてきた』 という番組で聞きました。 今…

【読書】働いてると、なぜ人は本を読めなくなるのか?

『なぜ働いていると 本が読めなくなるのか』 最近出た、 集英社新書のタイトルです。 著者は、三宅香帆さん。 このタイトルを見た瞬間、 うわあっとなりました。  やら…

【食べる】春告げメシと言えば、やっぱり豆ご飯!?

もうすっかり春もたけなわ? いえ、東北や北海道は これからですよね? 少し前、 行きつけの立ち食い蕎麦屋さんで ニシン蕎麦を季節限定メニューで 出していました。 そ…

【本のセレクト】5月病にならないための10冊。

今日は久しぶりに 選書企画をやりたいと思います。   今回のテーマは何がいいですかね? 4月だし、 進学、入社、環境変化などで、 戸惑っている人もたくさん   いるか…

【文学】明治の私小説『蒲団』が映画化。現代に受けるのか?

作家・田山花袋が 1907年(明治40年)に書いた 作品『蒲団』を原案にした 映画がもうすぐ公開になるらしい。 今から117年も前の小説が 現代にそのまま通じるだろうか? そ…

【読書の諺】眼光紙背に徹する、とは?!

読書にまつわる、 名言やことわざ。 あまり意識してこなかったけど、 調べてみたら、 けっこうたくさんあるんですね。 熟読玩味。書物をよく味わうこと。 一読三嘆。書物…

【読書】もし読書にも、終活があるならば!?

今日は、 ブックオフに行ってきました。 いつも通り、文庫売り場から 回り出そうとしていました。 西加奈子や三浦しをんさんで 何かないか、探すつもりでした。 ふと本…

【文学】今日は、啄木忌。石川啄木、最大の功績は何だろう?

今日、4月13日は、 短歌・石川啄木の命日。 啄木忌。 26歳で亡くなった。 それがせめて40才まで生きてたら もっと名作がたくさん 生まれていたでしょう。 そのぶん、 石…

【翻訳】日本女性作家エッセイは海外で評価されるのか?

もし、仮にですよ、 仮に英語がよく出来て、 自分で何かを翻訳できたなら、 日本の作品で何を海外に 紹介したいですか?? うーむ。 これは悩みますね。 まず、その作品が好きで 愛着があることがいい。 次に、その作品が 海外の人々に好まれる要素が 高い方がいい。 まずは 向田邦子のエッセイが どれくらい海外で 理解を得られるのか?? かなり未知数ですが、 翻訳してみたい気がします。 あるいは、 川上弘美『センセイの鞄』。 この作品の、 ザワザワした不気味さは、 どれくら

【推薦図書】誰でも運命の本がありますよね?私はサリンジャーの…

運命という言葉を信じますか? 恋愛においては、 学生時代の恋人は私にとり 運命の人だったかもしれない。 その人とのちに結婚した訳でも ないのですが、 あの在日韓国人の女性と 付き合っていなければ、 鷺沢萠や柳美里も知らない 全然違う人生を選んでいたろうと 思うんです。 それならば、 運命の本というものは あるでしょうか? 大学生として東京に上京し、 まだ、本の虫になる前、 もし、運命の本と 出会っていなければ、 私はリア充青年として、 テニスサークルに入って、 恋愛を

【本のセレクト】連休に味わいたい、心の奥底を覗く本ベスト5

さあ、今日から ゴールデンウィークです。 でも、旅行に行けない人も たくさんいるでしょう。 私も4月30日も、 5月2日も、仕事です。 せめてこの三連休は しっかりリフレッシュしたいですね。 そこで読書で、 非日常な世界や空気に 浸れないか、 そんな本はないか? また、妄想でブックセレクト してみたいと思います。 〈1〉トルーマン・カポーティ 『ティファニーで朝食を』 よく旅に出かける主人公のホリーは、 いったい何をして稼いでいるのか? そんな世間の詮索もなんのその。

【推薦図書】鷺沢萠と柳美里は私の青春でした

昨日、よく立ち寄る本屋の 「啓文堂」で嬉しい出会いが ありました。 鷺沢萠『さいはての二人』 角川文庫。 「この本は今、絶版ですが、 啓文堂は敬意を表して、 特別に復活させました」という POPがついていた。 ちょっと驚きました。 大手の本屋さん、 たとえば三省堂とか 紀伊國屋書店では、 時々、こうした 書店限定復刻をやりますが、 啓文堂もそんなことを 始めてくれたのか?と 嬉しかった。 鷺沢萠といえば、 80年代90年代に 人気だった作家だ。 そうして鷺沢萠は 在日

【あざとさ】読書にも、あざとさってあるのかな?

「あさどい」という言葉を よく耳にしますね。 恋愛で打算的なしぐさをする女子の ことをいいますね。 あ、あの子はあさどいな、とか。 あさどい男子っていうのは 余りに聞かないかな? いや、いるか? 特にこのnoteで感じるのは、 ビジネス書や自己啓発書を 紹介してる記事を見ると、 この紹介者は 「私はこんなに 真面目でセンスもあるんだ!」 とアピールをしてるように  見えちゃうんです。 うがち過ぎかしら? 本の紹介って、実は、 あざといアピールと 紙一重な面があるんです

【新刊本】自分の人生に出会うために必要ないくつかのこと。

今日は、ハードカバーの単行本を 1冊買いました。 発売前から楽しみにしてました。 『自分の人生に出会う ために必要ないくつかのこと』 亜紀書房。4月22日発売。 ほとんど文庫しか買わない 人間ですが、今回は 日経新聞に毎週連載されていて、 毎週、感銘を受けていたので、 やはりどうしても ハードカバーの段階でも 手にしたかったんです。 著者は、若松英輔さん。 若松英輔さんといえば、  昭和や平成を生きた 賢者たちの思想や生き様を ずっと書いてきた達人です。 思想家・井

【読書と仕事】読書できるライフスタイルには何が必要?

今日はまた読書ができそうにない。 朝から夜まで 仕事でバタバタだったから。 締め切りが迫っているから。 とにかく疲れている。 体はまあまあだけど、 メンタルは変に冴えていて、 集中力がまるでないんです。 それがたぶん、 読書にはいちばんの邪魔に なっている気がします。 まあ、集中力がすぐに切れるのは 年齢のせいかもしれない。 でも、今では 夜は誰かと飲みにいく回数も 一気に減りましたし、 9時半には家に着くことも多い。 ならば、もっとたくさん 読書にあてる時間が 増や

【成功体験】成功体験は、いつも諸刃の剣?

成功体験。 言葉の響きはちょっと俗っぽい。 (笑)。 でも、自己肯定感に絡む文脈では 時折り顔を出して来る。 とりわけ、成功体験は、 仕事の話ではよく出てくる。 私も成功体験が2回ありました。 と、勝手に思っています。 私の勝手な思い込みかもですが。 最初に入社したブラックな 小さなマンガの出版社では 編集長と馬があわずに会社を辞め、 2回めの書籍出版社でも ほぼ同じく馬が合わなかった。 よく喧嘩をしました。 それで、会社はもういやだと思って  イタリアンの道に入る

【テレビ名言】努力は夢中には勝てない!

『努力は夢中には勝てない』 最近、いつになく心を 鷲づかみされた言葉でした。 先々週でしょうか、  テレビ『激レアさんを連れてきた』 という番組で聞きました。 今ならテレビ朝日の 公式動画ユーチューブで 見られます。 上記の名言を言い放ったのは、 女優・石原さとみです。 ちょっと不思議ですが、 紛れもなく彼女が言った言葉です。 それは、 ある女性が、ダイエットのために ジムに通ううちに、 トレーナーの言うがまま 日々トレーニングしていたら、 パワーリフティング部門

【読書】働いてると、なぜ人は本を読めなくなるのか?

『なぜ働いていると 本が読めなくなるのか』 最近出た、 集英社新書のタイトルです。 著者は、三宅香帆さん。 このタイトルを見た瞬間、 うわあっとなりました。  やられたあ。 というか、私は愚か者だあ。   なぜ私は今まで、 素通りしてきたんだろう? そうした悔しさ、いや著者の見事さに すっかり脱帽でした。 たしかに、 現代人は学生時代には それなりに本を読みますが、 社会人になり、働くようになると、 ほとんどは、本は読めなくなります。 それは、もう 太陽が東から出て西

【食べる】春告げメシと言えば、やっぱり豆ご飯!?

もうすっかり春もたけなわ? いえ、東北や北海道は これからですよね? 少し前、 行きつけの立ち食い蕎麦屋さんで ニシン蕎麦を季節限定メニューで 出していました。 その時のポスターには 「春告げ魚」と書いてありました。 ニシンは春を告げる魚でしたか。 気になって、 春告げ魚を調べると、 ニシンの他にも、 魚ヘンに春と書くサワラも また、春告げ魚でした。 他にも、メバルやサヨリも 同じく春告げ魚でした。 ところで、他のジャンルにも 春を告げるものがありますね。 春告げ鳥

【本のセレクト】5月病にならないための10冊。

今日は久しぶりに 選書企画をやりたいと思います。   今回のテーマは何がいいですかね? 4月だし、 進学、入社、環境変化などで、 戸惑っている人もたくさん   いるかもしれませんね。 それが続くと、 昔は「5月病」という、 気だるいメンタルになる傾向が ありました。 そんな5月病に効く本を 10冊、選んでいきたいと思います。 (1)『舟を編む』三浦しをん。  いっけん、三浦さん得意の お仕事小説かと思いきや、 辞書作りに奮闘する主人公と 恋人や上司らとの人間模様が バツグ

【文学】明治の私小説『蒲団』が映画化。現代に受けるのか?

作家・田山花袋が 1907年(明治40年)に書いた 作品『蒲団』を原案にした 映画がもうすぐ公開になるらしい。 今から117年も前の小説が 現代にそのまま通じるだろうか? そんな不安は、 映画制作サイドにも もちろんあったらしく、 主人公の小説家は、 映画では、シナリオライターに 変更されているらしい。 田山花袋が書いた小説では、 妻子ある小説家が、 作家志望の女学生を弟子にし、 自分の家に住まわせる。 やがて、女学生は若い男に惹かれ、 嫉妬に狂った小説家は 女学生に当

【読書の諺】眼光紙背に徹する、とは?!

読書にまつわる、 名言やことわざ。 あまり意識してこなかったけど、 調べてみたら、 けっこうたくさんあるんですね。 熟読玩味。書物をよく味わうこと。 一読三嘆。書物に感嘆すること。 汗牛充棟。莫大な蔵書。 一目十行、速く読む力があること。 などなど。 こうした諺もあります。 「眼光、紙背に徹す」。 紙の裏側まで見通すほど 理解力が深くて鋭い、という意味。 読解力が深いことを指す言葉です。 続いて、 「読書百遍、義おのずから通ず」。 こちらはよく聞きますね。 意味がわか

【読書】もし読書にも、終活があるならば!?

今日は、 ブックオフに行ってきました。 いつも通り、文庫売り場から 回り出そうとしていました。 西加奈子や三浦しをんさんで 何かないか、探すつもりでした。 ふと本棚をつぶさに見ると、 ふだんはブックオフには まず並んでいない、 小島信夫や日野啓三の 講談社文芸文庫が 何冊も棚に刺さっていたんです。 うわ、びっくり。 他にも、 梅崎春生や吉行淳之介の本もある。 なんだか、私と好みが似た人が このブックオフに、 惜しげもなく? 大量に売りに出したのか、 ブックオフらしくな

【文学】今日は、啄木忌。石川啄木、最大の功績は何だろう?

今日、4月13日は、 短歌・石川啄木の命日。 啄木忌。 26歳で亡くなった。 それがせめて40才まで生きてたら もっと名作がたくさん 生まれていたでしょう。 そのぶん、 石川啄木はつねに 本で紹介される時には 若い顔写真が掲載される。 その点はラッキーではある。 同じ短歌人でも、 齋藤茂吉はおじいちゃん姿の 写真ばかりが掲載される。 それは作品でも同じでしょう。 石川啄木は、 青年らしい歌、 野心と迷いばかりがうごめく 作品が多い。 あるいは、啄木の センチメンタル