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知識の源泉が漫画かアニメしかない。フィクションのフィルタを通してしか世界を語れない気持ち悪いオタクめ。

ここのところ気に入らないのは、フィクションの言葉で世界を語る連中ですね。気持ち悪い。

パトレイバー
ガンダム
銀英伝
沈黙の艦隊
メタルギア

それらで語られる言葉たちはターゲット読者、視聴者である子供達の為にわかりやすく砕かれていて、すっと頭に入ってきますよね。

魅力的で洗練された響きがあって、サラっと言えたらカッコいいと思いますよね。分かります。僕もパト2大好きだから。

「単に戦争でないというだけの消極的で空疎な平和はいずれ実態としての戦争によって埋め合わされる」

「モニターの向こうに戦争を押し込め、ここが戦線の単なる後方に過ぎないことを忘れる」

「正義の戦争と不正義の平和」

このへんの言葉を使って左翼や護憲派をあざ笑ってみたいでしょう。自分はお前らお花畑軍団と違って、現実をわかってるんだってマウントとってね。

気持ち悪い。

脚本家や漫画家が組み立てたカッコいいセリフはカッコいいに決まってるじゃないですか。
ご都合主義のストーリィの中でつづられる言葉を引用して現実を語ることの愚かさ。自分で生み出した言葉じゃない。
普通の人は恥ずかしいことだと気づいてためらうんですよ。

その言葉で語った時点でフィクションのフィルタを通してしか世界を語れない気持ち悪いオタクになってしまうから。

学校で論文やレポート書いたこと無いのかな。
使えそうなセリフを頭のなかのデータベースから引っ張り出してコピペするだけで知識人ぶる遊びは10代で卒業しとけ。


でも彼らはためらわない。

何故ならきちんと学んだことが無いから。

他人から学んだことがない。本を読み漁ったりもしない。
物事を体系的に研究したことがない。

又聞きの戦争。又聞きの世界情勢。

知識の源泉が漫画かアニメしかない。
すべてそこで終わり。基礎知識や一般教養が無いから掘り下げられない。

誰かの解説を見聞きしても、へーなるほどって思ってそこで終わり。

だからすぐにぼろを出す。

そしてどちらにでも簡単に転がる。

そういうキッズがよろこんで使ってしまうセリフの元になってる思想ってだいたい全部、せいぜい90年代以前の思想なんですよね。

古いのは70年代とか。クリエータたちの年齢考えれば当然なんですけど。あの世代ですね。
舞台をSFの世界に置き換えただけで、戦後からその後の時代を生きたおじいちゃん達によるプロパガンダなんですよ。

ちゃんと観てれば気付くんですよ。あのなんとなく遠回しに婉曲した説教臭さ。かっこつけて斜に構えてるだけで、左翼先生たちの言葉と本質的には何ら変わりがないんです。

音楽の教科書の最後のページにプリントを糊付けさせたりしてきたあいつらと同じ思想ね。
彼らは自分達の影響力をわかってるから、それを利用してその思想を広めたいんです。まさにプロパガンダ。

本当は本でも書けばいいのだけど、表だって思想を表明しちゃうと客が離れますから。

子供向けに漫画やアニメの皮をかぶって、SFという砂糖を振りかけてあげないと食べてもらえないって判ってるんですよ。汚いやつら。

でも、そうやって誤魔化していけばいくほど、本質がぼやけてくるんですよ。そこはジレンマですよね。

例えば、それらの架空の世界の描写において宗教や文化、土地や言語に基づく帰属意識みたいなものの表現って決定的に欠けているじゃないですか。

現実の世界ではほとんどの場合において、最も大切といっても差し支えないのに。

あんなクリーンで漂白された生き物(※この表現は借り物です)、世界中探しても戦後教育で民族意識を否定した日本人くらいですよ。

故に、テレビやスクリーンでそれを語るにはリスクがありすぎるんでしょうね。

そりゃそうだ。宗教や文化、民族や国土の為に命を懸ける兵士を英雄にも悪役にもできないでしょう。
怒られちゃう。キャラがタバコ吸ってるだけでクレームが入るのに。
彼らもやりたくないでしょう。旧軍を賛美するのか/侮辱するのかって言われちゃうし。それに現実の世界でそのために戦ってる人たちをも馬鹿にするわけにはいかないですからね。

おもちゃ屋さんの宣伝映像に、そこまでのリスクも責任も追わせられないですよ。

アートやエンターテイメントというのはお金儲けのための道具としてのみ存在しているんです。その中に思想を紛れ込ませようとしてもダメなんです。


思想こそが、振りかけられた砂糖程度でちょうどいいんですよ。

かつて、ある人に言われた言葉を思い出しました。

「先生たちの頭の中で戦争という言葉は第二次世界大戦で止まってる。

それも、戦後に描かれた本や映画やTV、フィクションの中のしかも太平洋戦争だけ。もう知識ですらない。思いとか願いに近い。

そんな頭で現代未来の世界を見通すことなどできるわけがない。あなた達はそういう大人にならないように、きちんと勉強しなさい」


その後の30年、僕がきちんと勉強したかどうかは別として30年たってもやっぱり太平洋戦争のままで語る人だらけでしたね。

先日、SNSに著名な作曲家の画像と共にこんな文章が流れてきました。

「戦争は外交の失敗と定義されている。攻められない様にするのが日々の外交の力。それを怠っておいて軍備増強するのは本末転倒」

そういうお気持ちを持つのももちろん思想信条の自由ですけど、やっぱりこれも第二次世界大戦に強く引っ張られた言葉だなと思った次第です。

もっとも、この発言をしたとされる方だって、リアルな戦争なんて知らない世代ですよね。

あの手のおじいちゃん世代はそういう教育を受けて育ったから仕方ないのかもしれないけど。

又聞きの第二次世界大戦が、彼らの中にどんどん構築されていく。固定化されていく。

フィクションで語る気持ち悪いオタクとまったく同じなんですよ。


偉そうに言ってますけど、同じです。立ち位置。

もうみんな、全員、戦争を知らない子供たちなんですよ。


現実的な国防や経済論を語る政治家や論者を軍国主義者とののしっても、これからの未来を現実的に考えたい若者の目には、またドリーマーのジジイがなんか言ってるぞ、さっさと天国でジョンレノンとマリファナでもやってろくらいにしか思いません。


悪い王様と可哀そうな国民みたいな、ひらがなだけで書いてある絵本みたいなお話がこの世にあるわけない。

そんな人たちは無視して、僕らは僕らの目で、世の中を見るだけです。


将来を担うのは老人ではないからです。




おしまい。




ーー



ガンダムは説教臭いからあんまりハマらなかったですね。
1stは特に小学校の左翼の先生みたいな雰囲気あったし、子供ながらにそういうのには敏感に反応しました。

あと引っかかったのが名づけの法則。アルファベットで表記するとけっこう表記揺れるじゃないですか。LとRとかTHとか。音の転写じゃなくて、なんかかっこつけた黙字とか。

音ありきでことばに意味を持たせてないところが、構築されてない世界の感じがあって無理でした。

あの監督ってそういうの大事にしそうなんですけどね。意外とそこはどうでもいいんだって。

まあ実際ヤマトとかもそうですけど。語源とか由来とか気にしないタイプなんだなと。

ことばと人間は不可分なんですけどね。

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