見出し画像

世界で初めてのクリスマス~ベツレヘムに集まる人々、聖地パレスチナ流クリスマスの過ごし方~

小学生の頃、教会でクリスマス劇をしました。テーマと台本は毎年恒例で、キリストが生まれた時の話をなぞっていって、最後は皆でもろびとこぞりてを歌うのが風習でした。未だにクリスマスというと、教会に満ちるこの時だけの特別で厳かな空気感やオルガンの旋律を思い出します。

             -・-・-・-

でも、私たちがかつて演じていた劇の本場が今関わっているパレスチナだとは、当時の自分は予想もしていなかったでしょう。そもそも、歌詞にある”ベツレヘム”という町が、世界のどこにあるのかなんて考えたこともなかったのです。今日はクリスマス。本場ベツレヘムではどんなクリスマスを迎えるのか、その様子を探ってきました(行けないのでYouTubeですけどね!)。

ベツレヘムという町

ベツレヘムはパレスチナ自治区にある町で、キリスト教徒が多く暮らしています。観光産業が盛んで、オリーブの木を使った工芸品や地場の陶器などがお土産に人気です。キリストの生誕教会とその巡礼路が世界遺産に指定されています。白っぽい建物や教会、モスクが立ち並ぶ小高い町です。

画像1

おぉっと、道に何か落ちてる!拡大するまで気づきませんでした。こんな感じで結構起伏があります。

図1

散歩したくなる裏路地です。

そしてメインの建物がキリストの生誕教会(世界遺産)⤵

画像3

画像4

え、教会?中東で?

と、思ったのは2018年に初めて訪問したときの私です。

今でこそ人前で「パレスチナとは・・・」と鼻の穴を広げて語っていますが、初めて訪れた時は「こんなところにヨーロッパのような光景が!」と驚きました。中東を人生でほぼ初体験だったのもあって、妙に安心したのを覚えています。

先入観ってすごいですよね。

なぜなら、パレスチナこそがキリスト教発祥の地だから!

パレスチナさん、大変失礼しました。ということで、キリスト生誕の地のクリスマスを見てみましょう~

ツリーの点灯式

地元のキリスト教徒、世界中からやって来たキリスト教徒、さらには地元のイスラム教徒も一緒にお祝いムードです。

クリスマスプレゼント

突然ですが皆さんフラッシュモブってご存知ですか?
一見ただの通行人に見える人たちが実はグルで、音楽が鳴りだして踊りだしたり、歌いだしたりする路上パフォーマンスのことをいいます。去年、ベツレヘムを含むパレスチナ各地を回ってフラッシュモブツアーをした団体がいたそうです。しかも、この踊りはパレスチナ伝統の”ダプケ”といって、若い人がそれを現代的なパフォーマンスの中に取り入れていることに、自文化への深い愛情を感じました(ここでは背景には触れませんが、これは非常ーーに意味のある行為です。よくぞやった!という感じ)。

ベツレヘムに近い町でのパフォーマンス↑

今はイスラエルの領土になっているパレスチナの人たちの町で↑

一緒に祝うクリスマス

インタビュアーが、イスラム教徒に対して、クリスマスって宗教的には関係ないけどお祝いしますか?という質問をすると「キリスト教徒の友達と一緒にお祝いする」という答えが返ってきたり。イスラム教徒のお祝いのときには、今度はキリスト教徒の友達が一緒に祝うそうです。お互いにとっての神聖な祭日を邪魔しないようにという考え方、素敵だなと思います。

英語ですが、抵抗感が無ければどうぞ(*´▽`*)

祭りの雰囲気

最後に、クリスマスイブの朝、住民が家の外の様子を撮っている動画です。ここはキリストが亡くなった場所にほど近い、エルサレムの古い住宅街で、聖地同士、ベツレヘムとの間に強い精神的な結びつきがあります。
朝目覚めたら特別なことが待っている感覚、日本のお正月みたいでこちらの気もなんだか引き締まりました。

           -------------------・---------------------   

世界中、それぞれの場所で、特別な時間が流れているところを想像してみます。

メリークリスマス。                              




架け箸はこれからも継続的にパレスチナを訪れ、日本に出回らない生の情報を発信したいと思っています。いただいたサポートは渡航費用や現地経費に当てさせていただきます。