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【日本保守党10】「極右」の刻印? 中川八洋の影

(文中敬称略 これまでの経緯は下の参考記事を参照ください)



極右の参戦?


日本保守党界隈の戦争、イスラム学者の池内恵と飯山陽のバトルは、休戦なしで12月に突入している。

昨日からの1日で、私的に最も注目されたのは、「中川八洋の降臨」である。

11月30日夜、池内はXで、「中川八洋掲示板」の記事をリポストした。


ブロックされてて前後が分からんが、なんとご本尊が登場(30日20:26)


あっちの世界の刻印が押されて終了(30日20:37)


「なんとご本尊」という池内の驚きはわかる。

冷戦時代から知られる極右・反共主義者の中川八洋(筑波大名誉教授)が、「参戦」してくるとは、私も思わなかった。


池内の引用のリンク先には、中川八洋の、

「ハマス“快楽殺人”テロリズムを礼讃する日共“党員”学者が突然、なりふり構わず、大嘘・奇論・狂説・中傷誹謗を大量に新聞TVネットに垂れ流している。どうして?──篠田英朗(東京外大)&池内恵(東大)の解剖(Ⅰ)」 

という記事がある。


さすがに、ちょっと引用するのもはばかられる檄文がつづられている。

以下の見出しだけでも、中身は察せられるだろう。


池内恵が日常とする事実無根での罵詈雑言は、闇夜で襲い掛かる通り魔型で、悪質な中傷誹謗


学術性なき“非専門書”しか書けない六流東大教授・池内は、研究を一切せずtwitterごっこの毎日


平和は《計画政治》で構築できると狂信し、中東・アフリカ《共産化》に暴走中の赤一色・篠田英朗



この記事は、11月29日に「中川八洋掲示板管理人(吉田寿太郎)」によって投稿されたが、元は「11月17日」の中川のメルマガ記事のようだ。

飯山陽が、池内の名を挙げて激しく非難するYouTube動画をアップしたのが11月16日、篠田を非難したのが15日である。

飯山陽や日本保守党への言及があるわけではないが、飯山の戦いに連動する形になっている。


「保守」と「極右」


ただの「保守」「右翼」と、「極右」のちがいを、私がうまく説明できるわけではない。

リベラルメディアは、移民排斥のような排外主義や、反共主義、また国粋主義的な要素が強ければ「極右」と呼ぶようだ。

私自身は、政策面だけでなく、「日本は神国」「神武天皇実在」「天皇は現人神」といった右翼原理主義的な世界観で、「大東亜戦争全肯定」「戦後思想全否定」のような歴史観を持っていれば、やはり「極右」と呼ぶしかないと思う。

上の引用記事に記された、「中川八洋ゼミ」のモットーを見ても、彼とそのシンパは「極右」であろう。


皇統の悠久護持と祖先からお預かりしている領土を死守し、新生児250万人(年)の回復に命も財産も惜しまない、日本民族の永遠と憂国の熱誠に燃える真正日本国民が一大集結する、“高貴な自己犠牲の精神”に立つ、“保守主義の叡智を磨く教場”


日本保守党と極右の関係


「極右」がただちに悪いと私は言いたいわけではない。

テロや犯罪行為に走らないかぎりは思想の自由である。

「極左」がこれだけマスコミで野放しにされているのだから、「極右」が少しいてくれた方がいい、と個人的に思うくらいだ。


ただ、日本保守党は、自らを「極右ではない」と主張してきた。


--日本保守党は極右政党なのか

有本氏「極右だとは誰が決めているのか。根拠がはっきりしない話で色付けするのは困る。欧州では、移民政策が野放図で、国内が混乱している。日本でも近い将来に起こりうるのを是正はするが、排除する気持ちはない」
(10月18日の結党会見 産経記事より)


有本香・日本保守党事務総長は、田村淳や佐々木俊尚らと出演した9月27日のアベマの番組で、「極端を嫌うのが保守」と主張し、「極右」イメージに反発していた。


いまのところ、日本保守党、または百田尚樹界隈と、中川八洋に代表される極右勢力との関係はよくわからない。

中川が日本保守党に言及しているかどうか、調べてないからはっきりとは言えないが、たぶん何も言っていないと思う。

しかし、何も言っていないとすれば、むしろ不気味でもある。中川はこれまで、小林よしのりや福田和也など、保守界隈で名前が挙がる気に食わない人たちには、積極的に喧嘩を売ってきた。


それでなくても、日本保守党は最近、武田邦彦と接近している。

武田邦彦は、若い人にはニコニコしたおじいちゃんのように好感を持たれているようだが、「生長の家」初代の谷口雅春を神とあおぐ極右である。つまりは「日本会議」の思想的コア部分を継承する人だ。


いずれにせよ、池内の、


あっちの世界の刻印が押されて終了


という「あっち」とは「極右」であり、極右と日本保守党とのつながりが見えたとの意味だろう。もしそうなら、日本保守党は「ファシズム」だという池内の言葉が当たっていることになる。

再び言うが、思想としての「極右」がただちに悪いと言いたいわけではない。だが、その色が表に出ると、支持者はきわめて限られるだろう。

河村たかしとの連携ふくめ、日本保守党は「右翼色」をこれまでうまく消してきたが、池内・飯山戦争は、その「しっぽ」をあぶり出そうとしているのかもしれない。


<続報>



<参考 これまでの経緯>





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