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私が低容量ピルを使わなかった理由

低用量ピル、経口避妊薬について昨今話題になっている。
日本では、なぜピルがひろまらないのか、性が奔放になるからと話題をそらされてしまうのだろう。
でもそんな制度や教育など大きな枠ではなく、ひとりの、普通に日本で育った女性の私が、ピルに対してどんな思いをもっているかまとめてみたいと思う。

私は大学生のとき、ピルの処方のための受診をできなかった。理由は大きく分けて二つ、自分の月経症状を病気として扱われたくないという意地と、ピルへの“なんとなく”の嫌悪感だった。

私は、生理が20代になってから急激に重くなり、痛みが増し、生理前の感情の起伏が激しくなり、身体的にも精神的にも消耗するようになった。少しのことで怒りっぽくなったり、気分が容易に落ち込んだり、急に悲しくなったりした。生理が始まれば体の内側から締めあげられるような痛みがあり、市販の鎮痛薬を飲んでも効かず、眠れず、冷や汗や手の震えがでることもあった。自分が自分ではなくなったみたいで、やりたいことも手がつかなくなってしまう。自分の体の不調が月経によるものであることは自覚していて、自分の月経症状の重さは“異常”であるから、低容量ピルを飲むことが一番の対処になるのではないか、ともわかっていた。

そんな私が産婦人科に行けなかった理由1つ目、月経は女性に自然におこるものだから、自分の症状は病気として扱われたくないという意地。周囲の友達には症状が軽い友達もいたし、なんで自分だけこんな大変なの?不公平だ、と感じた。一方で、私こんな痛い、つらい、女子ってこんなに大変と、主張したい気持ちもあった。女子にしかない、どうせ男にわからないという悔しさと優越感が、症状を耐えた自分への勲章のように感じたりした。ピルに頼らなくても、もっと自分でコントロールできるはずだし、痛みや気分のムラを私は耐えて頑張っているという、自分への承認にしていた。

理由2つ目、ピルへの“なんとなく”の嫌悪感。薬によって自分の体をコントロールされる、という漠然とした不安があった。薬によるホルモンによって体をコントロールされて、女らしさ、自分らしさを失うことになるんじゃないか。ピルの副作用によって太りやすくなる、ときいたら絶対イヤだと思った。周囲の人で、ピルを飲んでいる人はいなくて、実際に飲んでみてどうなのか、ということもわからなかった。それに定期的に結構多額のお金がかかることもイヤだと思った。

でも、生理の症状に悩まされるたびに、自分の体はなんて面倒くさいんだろう、ホルモンに振り回されている自分って最悪、といった思いまでわいてきて、気持ちの整理は一向につかなかった。
私はあるきっかけで産婦人科を受診することになったけれど、低用量ピルについていろいろ世間で話されているものをみると、『実際に日本の若い女の子たちがどう思っているのか』という視点は抜けているように感じる。実際ピルを飲みたいって思っているの?無料だったら飲むの?どの年代の人にとくに必要なの?みたいな議論はなかなかされていないように思う。

今回書いたのは、私個人の思いだけど、本来女性すべてにおこる月経とその症状だからこそ、一般論やこうあるべき論、こうしてあげたい論だけではない支援ができるようになりたいなと思う。

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