かとちん

思いついたことを、思いつくままに。 生活の中で感じたこととか読んだ本の感想とか。

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  • 雑感

  • 生きているから生きるんだ

    後ろ向きな人生の記録のような。

  • 本の感想

  • 今日は帰ったら何しよう

    「今日は帰ったら何しようかな」と考えるのが楽しかった頃を思い出して。偏りはあるけれど。

  • 転職活動がめんどくさい

最近の記事

いまさら家族と言われても。

仕事はじめだった1月2日、自分以外の家族の写真が送られてきた。 両親のところに姉、妹の家族が揃って正月を過ごしていたらしい。 何でもない場面が切り取られたそれらは、とても穏やかであたたかく、そして何よりも当たり前の光景だった。 両親から生まれた子供たちが長じて、また子供を成して集まる。笑顔が増えていく。人として、社会的動物として、ごく当たり前の姿。 送られてきた家族の様子を見て、微笑ましい気分になると同時に、ここに自分の居場所はないなあとしみじみと思った。 斜に構えて卑下す

    • 正月はどこに行った。

      仕事はじめ。 正月2日とはいえ、当たり前にお客さんは来て、普通に買い物をしている。 正月くらい家でゆっくりすればいいのに、などと思う自分も元日から小腹が空いたという理由でしなくてもいい買い物をした。人のことは言えない。 買ったのは値引きされてた2個入りのショートケーキ。これを一気に食べたのはちょっとお正月の特別感があったかもしれない。 子供の頃、40年くらい前、年末には近所のお店ではなくて少し大きめのスーパーへ行って、年末年始の食料やおやつなどを買い込んだ。年越し前の楽しい

      • 行く道は同じじゃなくて笑えない

        子供叱るな 来た道じゃ 年寄り笑うな 行く道じゃ よく言われるこの言葉。 そういうものだよなあという戒めとして、とても分かりやすいし納得しやすくて、いい言葉だと思う。 特に自分が歳をとってくると、年寄り笑うなという言葉は実感を伴うようになる。 行く道なのだ。 でも、と思う。 肉体的な衰えは平等であろうと思う。冒頭に引いた言葉もそこを指しているのだろう。 でも、と思うのだ。 多分、行く道は同じではない。 肉体の衰えをカバーするための金銭的な部分で、間違いなく同じにはなら

        • 僕はやっぱりこの場所が好きらしい 『モノローグ書店街』小坂俊史(竹書房)

          ここのところ、様々な事情が絡んで表紙買いなんてすることはめっきり無くなってしまったけれど、久々のそれは大当たりだった。 数々の4コマ作品を世に著している作家さん、きちんと読むのは初めてだった。 実は今、店のレイアウト変更のために商品の選定をしている(返品を進めている)んだけど、その中でタイトルと柔らかな表紙に思わず手が止まった。 在庫はしていたけれど、売り上げが立っていなかったので返品リストに入ってしまっていた1冊。 でも目に入った瞬間、なんだかこのまま返品するのも惜しくな

        いまさら家族と言われても。

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        記事

          閉じたページの向こうには光が射しているかもしれない。

          □イラスト提供 いまがわゆい様( @othellolapin )□ 思うようにならないなら、いっそ嫌いになった方が楽、というのは真理だろう。 本が好きで本屋で働くことにしたけれど、思うようにならないことが多過ぎて、いっそ嫌いに、無関心になってしまった方が楽かなと思っている。 興味はあっても生活するのに手いっぱいで自由に本を買うようなお金はない。 商品の仕入れも入れ替えも大人の事情が絡みまくって、裁量はどんどん削られていく。 ただただ並べて販売するだけになっていて、なまじ愛

          閉じたページの向こうには光が射しているかもしれない。

          いじわるじいさんはいじけるじいさんになりましたとさ。

          昔話でお馴染みの、正直で優しいおじいさんを妬み嫉み羨み、暴走して身を滅ぼすというオチを担当するクソジイイ。 物語の中ではこういう人になってはいけませんよ、こんなに酷い目に遭いますよと反面教師として登場する。 個人的にはおむすびころりんのラストでネズミたちに襲われて自我を失ってしまったのが衝撃的だった。 そんないじわるじいさんに、今の自分はなっているなあと思う。行動ではなく心根が。 よくも悪くも度胸のない小心者なので、基本的に他者に対して高圧的な態度をとることはない。ないと

          いじわるじいさんはいじけるじいさんになりましたとさ。

          夢の偏りに思うこと

          □イラスト提供 いまがわゆい様( @othellolapin ) 夢は記憶のデフラグらしい。 寝ている間に脳に収まっている情報を整理しているんだそうだ。 だから、基本的に見聞きした経験のないものは夢には出てこない。 強く何度も想像したことは夢として見ることもあって、そこの因果がねじれて『予知夢』になることもあるんだとか。 夢判断とか夢分析とか夢占いとか、そういう話はさておいて。 そういえば、北村薫の『空飛ぶ馬』の1作目「織部の霊」は夢解きの話だったなあ。初めて読んだ日常ミ

          夢の偏りに思うこと

          感受性の欠落を感じたお話 『成瀬は天下を取りにいく』

          タイトルの通り、自分の小説の読み方に疑問を覚えてしまった雨の日。 話題の新星のデビュー作を読んでみた。 幼い頃から、能力、性格、行動で周囲を寄せ付けなかった少女、成瀬あかり。その彼女が高校を卒業するまでの足跡を描いた物語。 独自の行動理念を持ち、思いついたことはとにかく実行してしまう成瀬は、中学2年生の夏を8月の終わりと共に閉店する西武大津店に毎日通ってみたり、親友の島崎を巻き込んでM-1グランプリに出場してみたり、突飛な思いつきをずば抜けた実行力で実現していく。 その淡々

          感受性の欠落を感じたお話 『成瀬は天下を取りにいく』

          本屋の楽しさについて考えてみた。

           □イラスト提供 いまがわゆい様( @othellolapin )□ スーパーはもちろん、雑貨屋、服屋、家電量販店などなど、買い物をしなくても店内を巡っているだけで楽しい空間というには、人それぞれに色々とあるだろう。 僕にとって、それは本屋だ。家電量販店もおもちゃ屋も好きだけど、幼い頃から本屋は楽しい場所だった。それが高じてうっかり本屋で働くようになってしまったし、そのおかげで本のある空間を少しだけ深く楽しめるようになった、と思う。 そんなわけで、本屋が好きだ。 本屋の何

          本屋の楽しさについて考えてみた。

          生きているから生きるんだ

          人生に倦んだ。 などと気楽に言える程度には恵まれた、もしくはぼんやりとした暮らしなんだと思う。思うようにしている。 そんなことを考える余裕が、自分にはあるのだ、と。 食うや食わずで生を勝ち取らねばならない状況であれば、生存本能にしたがってひたすら生きるしかない。そこには、人生の何たるかを考える余裕は、もっと言えば必要がない。生きるために生きるのだ。 食うや食わずでなくとも、確固たる目標がある場合もそうだろう。はるかな高みに手を伸ばすためには、生は目的地ではなくて手段だ。かの闘

          生きているから生きるんだ

          ただの頭痛かと思っていたら急性肝炎になっていた件。

          この約1か月、派手に体を壊していました(まだ進行形ですが)。 なんか頭痛いなあから始まったはずがウイルス性の急性肝炎で入院する羽目になった流れを、備忘録として書き留めておきます。長いので興味のある方はどうぞ。 元気でぼんやり生きているつもりでも、何が起こるか分かりませんね。 11.12 腕のしびれ、背中の痛みなど、かすかな不良を自覚。 11.13 痛みが背中などへ広がり、異変が明確になる。爆弾低気圧が来ていることを知る。 11.14 予想通りに頭痛が始まる。冷や汗、吐き気も

          ただの頭痛かと思っていたら急性肝炎になっていた件。

          アンナチュラルを見よう。

          今更ですが。 アマプラに入ってたし、フラジャイルの恵三朗のファンアートツイートを見て興味をそそられたので。 https://twitter.com/36_megu/status/1289519331794018309?s=21 前情報はなんかとても面白い医療ミステリードラマだ、くらいの感じ。 結論。確かに面白かった。 もうネタバレも何もないだろうから、率直な感想としては、登場人物それぞれに用意されてた横軸の中で、てっきり石原さとみのそれが本筋になっていくのかと思ってたん

          アンナチュラルを見よう。

          『ざつ旅』3巻を読もう

          石坂ケンタ作。サブタイトルの『That’s Journey』が最高にオシャレ。 創作に行き詰まった駆け出しマンガ家、鈴ヶ森さんが、勢い余って雑な一人旅に出かけ、なんだかゆるい旅にはまってしまう、というお話。何しろ行き先はツイッターアンケートで決めるほどの雑っぷり。でもこのゆるさに親近感を覚えてしまい、読んだら旅に出たくなる。というか、旅のハードルがグンと下がる。 家を離れて出かければ、それは旅なのだ。 また、旅は決して答え合わせのために行くものではないことも教えてくれる。

          『ざつ旅』3巻を読もう

          『空の青さを知る人よ』を観よう。

          レンタルで。9ヵ月ぶり3回目。去年の劇場公開時、とても良かったので、立て続けに2回観た。Blu-ray欲しいなあと思いつつ、レンタルが始まったので借りて来た。 あの花、ここさけに続く長井龍雪作品で……とかはまあ、長くなるので置いといて。 物語自体も勢いがあって面白い。いろんな切り口で見所でたくさん。 そういう作品評も今回は置いといて。                  この作品はやっぱりあかねを中心とした人物相関が面白いというお話を。 主人公はロックなベーシスト女子

          『空の青さを知る人よ』を観よう。

          俺マン10sに投票しよう。その2〜投票と一言〜

          さて、どうにかこうにか20作品を選ぶことができて、投票することができたのでまとめ。 『惑星のさみだれ』水上悟志 この10年の筆頭は文句なくこれだし、水上作品なしに2010年代は語れない。ヒーローのあり方、子供や大人の生き方の新しい形が示されてると思う。 『それでも町は廻っている』石黒正数 2011年は外天楼に入れたけど、長いスパンで行くとやっぱりこれ。主人公である歩鳥が異変に気づかなくても、なんなら不在であっても“それでも”町は廻るのだ。 『イチゴーイチハチ!』相田裕

          俺マン10sに投票しよう。その2〜投票と一言〜

          俺マン10sに投票しよう。その1~意気込みと振り返り~

          俺マン。 2011年からtwitterで募集され始めた、その年に読んで面白かったマンガを投票する企画。 初年度、最も得票数が多かったのが石黒正数の『外天楼』で、この作品はその後、重版を重ね、講談社文庫で刊行されるほどの話題作になった。以来、毎年年末になるとマンガ好きのTLには「#俺マン」の文字が躍るようになった。 その俺マンも今年で10年目。年末にはさぞ盛り上がることだろうと思っていたら、それよりも前に2010年代を振り返る企画の募集が始まった。 通常であれば、各人が「その

          俺マン10sに投票しよう。その1~意気込みと振り返り~