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認知症の母親の介護日記シリーズ

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記事一覧

3月10日〜11日 母の通夜から告別式

3月10日 日
母のお通夜を迎える。参列者、兄夫婦と甥夫婦(若い、30才くらい)当別の叔父と叔母。お二人とももう90超えなので、当別のような遠隔地から来ていただいたのは心苦しい。当別の福祉施設「ゆうゆう」のかたがわざわざボランティアで車椅子の叔母を一緒に連れて参列いただいた。地域福祉の力量を見る思いだ。

 読経をしてくれた真宗の僧侶も非常に若かった。甥の年齢とそんなに変わらない、三十いくか行かな

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今月8日に亡くなった母の2月訪問雑記

 先週金曜日の朝起きたら深夜に老人ホームからなん度も連絡が入っていた。慌てて折り返したら母が亡くなったとのこと。今の寝たきり状態7ヶ月に及ぶ97歳の母に取れば、むしろ相当頑張っていた方だが、殆ど当日というか、前日木曜日に面会に行き、変容が感じなかったので、突然の感は否めず。やはりびっくりはした。一連のセレモニーも終わり、看取ったあとの心境は改めて書きますが、直近先月の面会メモ日記をこちらに転載しま

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母の97歳の誕生日

母の97歳の誕生日

2024年1月18日 木曜

 母が無事97歳の誕生日を迎えてくれた。バースディソングオルゴール付きのバースディカードを持って入居してる老人ホームへ。今日も基本変わりなし。昨年夏のコロナアクシデントで口から食事を取らなくなって、思いがけず寝たきりになったが、改めてことの経緯を整理しよう。
細かく書いていくので、ご容赦を。

 昨年夏、僕が一泊二日で東京に赴くため、7月23日の午後から27日の午後ま

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老親日記ー続き(CVポート手術に立ちあう)

老親日記ー続き(CVポート手術に立ちあう)

9月20日 水
 昨日は母のCVポート手術の日。琴似八軒の専門消化器病院に付き添うためにひさしぶりに入院先の病院へ。母に会うのももうひと月ぶり。ストレッチャーに寝てやってきた母は端的に寝たきり老人。でも変わり果てたとかという感じではない。ひと月前に比べるとやはり目がしっかり見開いている感じではないが、口調はそれなりしっかりしている。介護タクシーで向かう中、やっぱり「帰らせてほしい」と言われてしまう

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介護シリーズ日記ーここ2日

介護シリーズ日記ーここ2日

8月31日 木

 もう8月も最終日だというのにやたらと暑い日だった。

 母の入居できそうな施設の資料、G会病院の退院相談員から送ってくれた資料が届き、早速連絡。明日、有料老人ホームのほうを見学、説明を聞きに行く。IVH(中心静脈栄養)の仕組みを知るほどに不安も募る。中には「延命治療」という見方もあるようだ。認知症の進行した母の状態も心配、施設のありよう、施設の適応、点滴部分を自分で抜いてしまう

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寝たきり状態で入院した母のこと

寝たきり状態で入院した母のこと

(長文です、我慢できる人だけどうぞ)

※ 前書きーこれは7月下旬にぼくが東京にアンリ・マティス展を中心に一泊2日で東京の美術館や博物館を見学しているあいだ、母に三泊四日で老人保健施設短期入所、すなわちショートスティを利用した際、母はそこでコロナを貰ってしまった。そのまま自宅で寝たきりになり、今月の10日に高齢者を中心にした総合病院になんとか入院。その母親の病状をめぐる対話の本日の現況報告、および

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祝、母95歳

祝、母95歳

今日で母も無事95歳の誕生日を迎えました。
身体的にはかなり丈夫で、安定しています。
普通の同年齢の人よりもからだは健康だ、と往診に来てくれる主治医もおっしゃってくれています。
おそらく大病の経験がないことが長寿につながっているのでしょう。

父の頃から診てくれていた主治医の先生も高齢のため医師を引退したのですが、その先生いわく、大きな病気をしていなければ100歳まで生きられる確率が高いのだと。実

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久しぶりに認知症の母についての話・1

久しぶりに認知症の母についての話・1

久しぶりに認知症の母について書きたいと思う。
最近、大変感心して読んだ精神科医、小澤勲さんの『認知症とは何か』という本と出会えたからでもある。

認知症者の心理面(情緒面)はその前段となる本、『痴呆を生きるということ』により多く割かれていて、本日の記載はどちらかといえば、後者の本の影響がよりダイレクトかもしれない。(本日の記事は続きを加えて書きたい)

おそらく、今の母の認知症は記憶障害(甚だしい

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久しぶりに母親の状態像から考えた。

久しぶりに母親の状態像から考えた。

母親の認知症状はかなりのスピードで低下が進んでいるのだが、とにかく認知症は困らされると同時に、脳の機能の不思議を思わざるを得ない。

例えば、デイサービスで午後は脳トレをやっているようで、その脳トレのペーパーを見ると漢字の読みや、算数の計算などをやっている。その返却されたものを見せてもらって驚くことがしばしばだ。

日頃、日常の通じなさから見ていると、「頭がわからなくなってしまった」と当方はどうし

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母親の誕生日

母親の誕生日

同居している、というかさせてもらっているというべきか(苦笑)。いずれにしても同居の母親が無事に94歳の誕生日を迎えました。おめでたい㊗️

多少足腰が弱ってきたとはいえ、基本的には身体的な問題がないし、そこそこ食事もできているので安心ではある。まだまだ長生きできそうな様子ではあります。

かように在宅で生活ができるのも介護保険で様々なサービスを受けることができるおかげ。認知症があるので、訪問看護や

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また新たな母の認知症フェーズ

母の認知症が新しい進行のフェイズに入ったとしか思えない。
ここ3日ほど、夜になると我が家を「自分の家ではない」というように考え始めて、それが確信となって来ている気配だ。

「明日は帰らなければならない」とか、今日などは、こちらに相談があるといい、「仕事で寮に明日からから泊まらなければならないのだが、どうすればいい?」と言う。また、「この家の家主はどこか」とか、「明日は帰るので、宿泊料がどれだけかか

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要介護高齢者と住む者として最近思うこと

要介護高齢者と住む者として最近思うこと

noteのテーマがこのところずっと認知症母の話で、くどいというか、大変さを強調しているようで申し訳ないところです。

⚫︎母親の近況
その母親の認知症は、ある種の帰宅願望とでもいうようなものが出てきていて、夕方から夜になると「明日は仕事で住んでいる寮に帰らなくちゃいけない」とか、「空き家になった部屋に帰らなくちゃいけない」とか。そこに、相変わらず我が家に住んでいると思い込んでいる祖母、祖父、叔母の

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4月26日、兄へのメール

4月26日、兄へのメール

今年からのコロナ禍で状況がどんどん悪化するなか、信州の高原に住んでいる兄へ、母のデイサービスを休ませていること、休ませた結果、認知機能の低下が進んでいることをどう伝えるか、頭を悩ませ、メール慣れしてはいない兄に長い熟考の末にやっとメールをした。

もちろん、メールを書かなかなければならないと思っていたが、少年期から思春期から受けた(こちらの主観的な)被害で得た一方的なぼくの距離を置きたい思いからま

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緊急事態宣言下の認知症母と過ごすGW

緊急事態宣言下の認知症母と過ごすGW

オープニング

久しぶりにnoteを活用してみようと思う。見出しに記載したように、緊急事態宣言下においては人びとみなが何らかの被害を受けていると思う。それは被害を過大に評価するわけではなく、平等に訪れた不自由や、日常のなかで顕在化しそうだけれども、顕在化させずにすませたものごとかもしれない。

で、それは日常化にも何らか予兆があったことだと思うけれども、あるいは信じられない環境に急に置かれたという

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