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JW543 佐佐牟江宮

【伊勢遷宮編】エピソード2 佐佐牟江宮


第十一代天皇、垂仁天皇すいにんてんのう御世みよ

年が明け、紀元前4年、皇紀こうき657年(垂仁天皇26)となった。

そんなある日・・・。

ここは、飯野高宮いいのたかみや

地図(飯野高宮の六つの候補地)

天照大神あまてらすおおみかみ(以下、アマ)が、たからかに宣言した。 

アマ「遷座せんざいたす!」 

これを聞き、御杖代みつえしろ倭姫やまとひめ(以下、ワッコ)が過敏かびんに反応する。 

ワッコ「次は何処いずこに?」 

アマ「うむ。その名も、佐佐牟江宮ささむえのみやじゃ。飯野高宮いいのたかみやは、分かりやすく言えば、三重県みえけん松阪市まつさかし。そこより、南の地ということになるな・・・。」 

ワッコ「かしこまりました。では、参りましょう!」 

こうして「ワッコ」は、従者じゅうしゃたちと共に旅立ったのであった。 

人物一覧表(倭姫の一行)

乙若おとわか「では、舟に乗り、櫛田川くしだがわくだって参りまする。」 

ワッコ「ん? 櫛田川くしだがわ? それは、エピソード527で語られた川ではないか?」 

カット「左様さようにござりまする。」 

地図(櫛田川)

ワッコ「で・・・では、前回の話の続きになっておるのではないか?」 

ねな「そうね。でも、仕方ないでしょ。そうなっちゃったんだから・・・。」 

アララ「あらら・・・。そういうことになっちゃった。」 

インカ「そんなこんなで、きしけまするぞ。」 

ワッコ「こ・・・ここは?」 

おしん「佐佐牟江ささむえだべ。二千年後にせんねんごの地名で言うと、三重県みえけん明和町めいわちょう山大淀やまおおよどだな。」 

ワッコ「おお! 辿たどいたのか・・・。」 

市主いちぬし「そして、舟をめたところに『ワッコ』様がまう行宮あんぐう(仮の宮)を建てもうした。二千年後は、石碑せきひが立っておりまするぞ。」 

地図(佐佐牟江宮行宮跡)
佐佐牟江宮行宮跡の石碑

ワッコ「私の行宮を建てた? い・・・今までは?」 

市主いちぬし「ロ・・・ロマンにござりまするな。」 

アララ「あらら・・・。そういうことになっちゃった。」 

ワクワク「とにかく、僕は『倭姫命世記やまとひめのみこと・せいき』の記述きじゅつしたがって、言っちゃうよ。」 

ワッコ「ん?」 

ワクワク「ここは、白鳥しらとり真野国まの・のくに! 素晴すばらしい!」 

ワッコ「どういうことじゃ?」 

ワクワク「よく分からないけど、僕が、国寿くにほもうしてるんだよね。」 

カット「国寿くにほぎとは、国をたたえることにござりまする。」 

ワッコ「そうか。して『アマ』様をまつやしろは、何処いずこに建てられたのじゃ? 候補地は、いくつ有るのじゃ?」 

乙若おとわか此度こたびやしろの候補地は、一社いっしゃにござりまする。その名も、竹佐々夫江神社たけささぶえじんじゃにござりまする。」 

竹佐々夫江神社(鳥居)
竹佐々夫江神社(拝殿)

市主いちぬし「されど、祭神さいじんが、素戔嗚命すさのお・のみこと栲幡千千姫命たくはたちぢひめ・のみことになっておるぞ?」 

ねな「何度、言わせたらむの? これがロマンなのよ。」 

アララ「あらら・・・。そういうことになっちゃった。」 

おしん「ち・・・ちなみに、鎮座地ちんざちは、行宮あんぐうと同じ、明和町めいわちょう山大淀やまおおよどだべ。」 

地図(竹佐々夫江神社)

アマ「解説、大儀たいぎである。では、次に進むぞ。」 

ワッコ「間髪かんぱつれずに行くのですね?」 

アマ「悪いか?」 

ワッコ「いえ、喜んで・・・(;^_^A」 

インカ「では、再び船路ふなぢで向かいますぞ!」 

ワッコ「此度こたび船旅ふなたびは、快適じゃのう。風波かぜなみも立たず、しおよどんで、いでおる。」 

おしん「こうして『ワッコ』様が喜んだので、おらたちは、浜辺はまべやしろを建てることにしたんだ。」 

ワッコ「そうなるのか?」 

おしん「んだ! それが、大与度社おおよどのやしろだべ。」 

インカ「候補地は、竹大與杼神社たけおおよどじんじゃにござりまする。」 

竹大與杼神社(鳥居)
竹大與杼神社(拝殿)

カット「祭神さいじんは、素戔嗚命すさのお・のみこととなっておりまする。なにゆえ『スー』様をまつったのか・・・。ロマンにござりまするな。」 

アララ「あらら・・・。そういうことになっちゃった。」 

ねな「ちなみに、鎮座地は、三重県みえけん明和町めいわちょう大淀おおよどよ。」 

地図(竹大與杼神社)

ワッコ「ほ・・・ほとんど、進んでおらぬではないか・・・Σ(゚д゚lll)」 

佐佐牟江宮ささむえのみやの次は、何処どこへ向かうのか? 

次回につづく

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