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小説「カフェ”木陰の散歩”にて」(22)
今日はカフェはお休みで、ケンジと奥さんは二人で早めの夕食をのんびり二人で取っています。先日ケンジは日帰りで、東京にぶらりと出かけていきました。その時のことが話題になっています。
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料理もそろい、夕食の準備万端。ケンジはワインを開け、奥さんのグラスに注いだ。おもむろに奥さんが話始めた。
「ありがとう。ところでこの間ふらりとでかけて、いったいどこに行ってきたの?」
「いや、ちょっと乗
小説「カフェ”木陰の散歩”にて」(21)
久しぶりに(20)を投稿したのですが、(21)を続けて投稿します。先日来、自伝小説を書きたいと言いつつも、なかなか投稿までは至らず、一方で皆さんに忘れられないためにも定期的に投稿はしていきたいし、というところです。
今日はめずらしく、ケンジと奥さんは二人で店にいます。お客さんも少ないので、二人で雑談を始めました。
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今日はケンジと奥さんと、二人で店にいる。奥さんがちょっと心
小説「カフェ”木陰の散歩”にて」(20)
小説「カフェ”木陰の散歩”にて」を久しぶりに書きます。ここであらためて振り返りますが、”木陰の散歩”というカフェの店主のケンジと来店するお客さんとの会話を小説形式にしたものです。最初のころに登場したデイトレーダーのタカシさんが久しぶりに来店したという設定です。
数か月前にケンジはタカシさんとの話もふまえて円定期を解約してドル定期をはじめた((3)、(4)を参照方)のですが、最近はテレビでも「記
小説「施設からの風」(11)
(10)の投稿から2か月ほど経ち、久しぶりになりますが、大山さん(架空の人物、(1)を参照)の日記の公開です。
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2024年5月5日
日記はちょこちょこつけてはいるのだが、○○君に公開までお願いするようなものは書けておらず、だいぶご無沙汰している。もっとも、最近は血圧が落ち着いているなど、そんなメモ程度の内容の日記を公開しても仕方がないのではあるが。それでも今日の日記は、彼にメ
自伝小説を書いてみたい(3)
自伝小説を書くとなると、当然ながら生まれた時から書き始めるのだろう。私は昭和三十年代に、大阪市で生まれている。もちろんそれは両親から聞いていたし、戸籍情報から番地までわかっている。しかし、その後の行政区分の変化により、いわゆる古い住所しかわからないので、今や正確な場所を特定するのは必ずしも簡単ではない。そして時代は大きく変わって、今や生まれた時に赤ちゃんの写真はスマホで簡単に撮れるだろうし、そし
もっとみる自伝小説を書いてみたい(2)
自伝小説を書いてみたいとは言ってみたものの、今一つ考えがまとまらない。そんな中で、前回紹介した山田詠美さんの「私のことだま漂流記」は少しずつ読み進めている。その小説の中で、そしてその小説に絡んだインタビュー記事でも、参考になることが書かれていたので、自分の頭を整理する意味でもそれについて少し書いてみる。
要は、自分の記憶や経験が小説の言葉になっていく過程では、時間を置くことも大切だ、というもの
自伝小説を書いてみたい(1)
”note”をきっかけにいちおう小説らしきものを書き始めて、3か月以上たった。よくわからないままスタートして、それでもなんとか、まだ書き続けている。そして、これまで、なんとなく頭にあったものを一気に文章化したようなところもあって、自分としては短期間のうちにずいぶん投稿できたと思っているのだが、さすがにネタ切れになってきたところでもある。
さて、これからどういう方向に進んでいこうか、つらつら考
短編小説を書き始める(1)
2024年新年から、趣味で小説を書き始めた。最初にいくつか練習として、小説と呼ぶのもおこがましいようなものを、いくつかnoteに投稿した。そしてその後、2つのシリーズの小説の投稿を続けてきた。ひとつは「カフェ”木陰の散歩”にて」というもので、カフェの店主のケンジを中心にカフェで繰り広げられる会話を会話形式で書いたもので、19話まで書いた。もう一つは「施設からの風」というもので、介護施設で生活する
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