鈴無 小春

愛だの恋だの淡々と主に恋愛小説をメンヘラ気味でお送りするよ

鈴無 小春

愛だの恋だの淡々と主に恋愛小説をメンヘラ気味でお送りするよ

マガジン

  • 小説

    小話まとめ。 短編読み切りです。 色んなれんあいとか堂々巡りの思考

最近の記事

夏が終わる。 最後の力を振り絞って鳴く蝉がどこか儚くて、黄昏時、オレンジに染まる山々と懐かしい夏風の匂いが遠ざかる。 街を歩く人々が薄いカーディガンを羽織るようになった。 きっとこの夏の思い出も、景色も、匂いも、次の季節に消されてしまう。 秋は寂しい。 夏の終わりはもっと寂しい。

    • 或る夏の群青

      ※BLです きみがいるから、楽しいんだ。 夏休みが目前に迫る学校の帰り道。夕暮れが辺りを包んで、みんながみんなオレンジ色に見える。昼間よりずっと涼しい風が吹き抜けて、汗ばんだ首筋を冷やした。 「待ってなくてもよかったのに」 「なんで?」 「せっかく半日になったのに、これじゃあいつもと同じだ」 俺の隣を歩きながら、ゆきちゃんはだるそうにそう言った。静かな風がゆきちゃんの前髪を揺らして、眼鏡の奥の綺麗な目がよく見えた。学期末で半日授業になってもゆきちゃんの生徒会は色々と忙

      • 黒に解ける

        ※自殺志願者の話 限りなく白に近いグレイ、冷たい空気、宙に染みる深い息。 ここから飛び降りれば死ねる、終わる、総てが、失くなる。 手を伸ばせば届くのではないかと思ってしまう程に近い空、限りなく白に近い、グレイ。 高い高い都心のビルの、一番高い屋上で。 フェンスを乗り越えた先に立つ、自分の鼓動が鼓膜に響く、静寂。 遥か下に見える街の喧騒は聴こえない、聴こえるのはただ、狂った様に打たれ続ける己の胸の心音と、激しい風の音。 ぎゅう、と目を瞑ると、何とも云えない

        • そう、今日教えてもらって、小説の類をマガジンにまとめたよ。 ありがとうございます。 わかんないことだらけやんな。

        夏が終わる。 最後の力を振り絞って鳴く蝉がどこか儚くて、黄昏時、オレンジに染まる山々と懐かしい夏風の匂いが遠ざかる。 街を歩く人々が薄いカーディガンを羽織るようになった。 きっとこの夏の思い出も、景色も、匂いも、次の季節に消されてしまう。 秋は寂しい。 夏の終わりはもっと寂しい。

        マガジン

        • 小説
          5本

        記事

          都会に行くとね、寂しくなるの。 よくわからないけど。 東京は、寂しい街だなって思う。 無機質だなって。 見えない波をいっぱい飛ばしてさ、無駄に大きい建物をいっぱい建ててさ、人が死ぬほどいるのにね、みんな誰も見てないんだ。 何も見てないんだ。 人間はみんな独りなんだよ。 ふふふ

          都会に行くとね、寂しくなるの。 よくわからないけど。 東京は、寂しい街だなって思う。 無機質だなって。 見えない波をいっぱい飛ばしてさ、無駄に大きい建物をいっぱい建ててさ、人が死ぬほどいるのにね、みんな誰も見てないんだ。 何も見てないんだ。 人間はみんな独りなんだよ。 ふふふ

          それが本当は凄いことだってわからないんです。 謙虚とかじゃなくて、本当にわからないんです。 片瀬は、そんな大祐に惹かれてるんです。 自分に自信がなくて、周りのことばかり考えて、だから人の痛みがわかる、そんな大祐が好きなんです。

          それが本当は凄いことだってわからないんです。 謙虚とかじゃなくて、本当にわからないんです。 片瀬は、そんな大祐に惹かれてるんです。 自分に自信がなくて、周りのことばかり考えて、だから人の痛みがわかる、そんな大祐が好きなんです。

          優等生だから好かれて、優等生だから嫌われる。 そう思ってしまうんです。 要するに自分が好きじゃないんです。 自信がないんです。 大祐は、そういう人間です。 好きで勉強ができるんじゃない、って嫌味に聞こえるけども、勉強なんて誰だってやればできるでしょ、と。 そういう人間なんです。

          優等生だから好かれて、優等生だから嫌われる。 そう思ってしまうんです。 要するに自分が好きじゃないんです。 自信がないんです。 大祐は、そういう人間です。 好きで勉強ができるんじゃない、って嫌味に聞こえるけども、勉強なんて誰だってやればできるでしょ、と。 そういう人間なんです。

          なんの意味もないと思ってるんです。 自分には何かが欠けていて、それに気づいてしまっても、なんにもできないんです。 頼られるのも、友達が多いのも、そういう、数字だけの評価だけで、だと思ってるんです。 でも、周りの人間はそんなことは思ってなくて、彼の人柄や性格が好きなんです。→

          なんの意味もないと思ってるんです。 自分には何かが欠けていて、それに気づいてしまっても、なんにもできないんです。 頼られるのも、友達が多いのも、そういう、数字だけの評価だけで、だと思ってるんです。 でも、周りの人間はそんなことは思ってなくて、彼の人柄や性格が好きなんです。→

          勉強ができる自分が嫌いなんです。 勉強「しか」できないと思ってるんです。 そんな自分がコンプレックスなんです。 自慢できることが何も無い、勉強が出来たところで何の自慢にもならない、数字だけで評価されてる自分って何なんだろうと思ってるんです。 頑張れば誰だってできることができても→

          勉強ができる自分が嫌いなんです。 勉強「しか」できないと思ってるんです。 そんな自分がコンプレックスなんです。 自慢できることが何も無い、勉強が出来たところで何の自慢にもならない、数字だけで評価されてる自分って何なんだろうと思ってるんです。 頑張れば誰だってできることができても→

          もう、なんか、めんどくさいからそのまま投下。 あとで推敲するよ。 不明な点が多いよ。ごめんね。 だいちゃんの名前は大祐だよ。 片瀬はメンヘラだよ。

          もう、なんか、めんどくさいからそのまま投下。 あとで推敲するよ。 不明な点が多いよ。ごめんね。 だいちゃんの名前は大祐だよ。 片瀬はメンヘラだよ。

          きみを想うこと

          ※BLです。メンヘラです。 ずっと一緒にいるって言ってよ。 「だいちゃん」 「んー」 「だいちゃん」 「なーに」 「...なんでもない」 「そー」 黒髪、眼鏡、いつも変わらない穏やかな表情、笑顔も、少し悲しそうな顔も、全部、全部。 いつか、どこかへ行ってしまいそうなのだ。 「なに読んでるの」 「片瀬んとこで買ったやつ」 「新刊?」 「うん」 「面白い?」 「面白いよ」 びっしりと文字が詰まった難しそうな本、うちの店にそんなのあったっけ、文芸書は担当じゃないからわかん

          きみを想うこと

          自分メモ2(会話文)

          保健室 高明・長谷川 「せんせえ」 「はいよ」 「美術で手ぇ切った」 「何?カッター?彫刻刀?」 「紙」 「おお・・・そうか」 「ばんそこ、あ、まきろん」 「ばんそこだけでじゅーぶんだ」 「なんか冷たくない・・・紙で手を切ると地味に痛いんだよ・・・怪我だよ怪我!俺怪我人だよ!」 「大した怪我じゃないからお前は怪我人じゃない、よって俺は今から煙草を吸う」 「うわあ最低」 「サボるんならもっとマシな言い訳してこいよ」 「ちがうじゃんほら!手ぇ切ったの!

          自分メモ2(会話文)

          自分メモ1

          自分メモ(会話) 2-3 有村 明智 神田 「2年で1番頭いい人知ってる人!」 「しらない」 「あれじゃん、テストのあと貼り出されるじゃん廊下に」 「それは知ってる……なが……なんとかさん」 「毎回1位の人でしょ」 「何?好きなの?」 「顔が見たい……」 「女子?」 「男子だろ、なんかあの、めがねの」 「めがねの男子何人いると思ってんの」 「めがねかけてる人ってなんで頭いいの?」 「偏見だそれは」 「ながなんとかさん探してきてよ」 「おれ顔知らないよ」 「なんか

          自分メモ1

          登場人物紹介1 保健医と女生徒

          佐伯 梨花 (さえき りか) 高校3年生。 身体があまり丈夫ではなく、保健室のドアを叩くことが多い。 保健室の先生である葉介に想いを寄せていて、次第に仮病を使ってまで会いに行くようになる。 恋人同士になってからは、少し控えるようになった。 大人しく冷静で優秀な生徒だが、恋愛沙汰になると我を忘れるのが玉に瑕。 友達は多くも少なくもなく、あまり踏み込んだ事は話さない主義。 両親が離婚していて母親とふたりで暮らしている。 1人っ子のため、心配をかけないようにと母親の前では気丈に振

          登場人物紹介1 保健医と女生徒

          本格的に夏、夕暮れはひぐらしの声でいっぱいで、ノスタルジックな空気の匂いとひんやり涼しい風が吹き抜ける、ああ、夏って淋しい。 大人になったら夏休みがなくなるなんて嘘だと思ってた、大人になんてならないと思ってた、ずっと子供のままでいたかった、なんてね、口癖なんだよ。

          本格的に夏、夕暮れはひぐらしの声でいっぱいで、ノスタルジックな空気の匂いとひんやり涼しい風が吹き抜ける、ああ、夏って淋しい。 大人になったら夏休みがなくなるなんて嘘だと思ってた、大人になんてならないと思ってた、ずっと子供のままでいたかった、なんてね、口癖なんだよ。

          少し、自己紹介をば。 小春と申します。齢は24。既婚。書店勤務。 割と明るいメンヘラ。音楽が好き。 ちょっと歪んだ恋愛小説しかかけないです ほもとか百合とかもあるのでご注意を 深い話もするかもしれない。 どうぞよろしく。 これを自己紹介欄に書けばいいのかなあ、ちょっとやだなあ

          少し、自己紹介をば。 小春と申します。齢は24。既婚。書店勤務。 割と明るいメンヘラ。音楽が好き。 ちょっと歪んだ恋愛小説しかかけないです ほもとか百合とかもあるのでご注意を 深い話もするかもしれない。 どうぞよろしく。 これを自己紹介欄に書けばいいのかなあ、ちょっとやだなあ