読者の皆さん、初めまして。
行楽のSunnieです。

私たち行楽は中国人富裕層向けにコミュニティ運営やメディア運営などの業務を行なっています。

私はその中でも“JG日本食酒研究社”（以下JG）という、日本のグルメ愛好家コミュニティの運営責任者をしています。

この記事では、そんな私が中国で感じたことをご紹介します。

今回紹介するのは、中国における日本酒ブームです。

中国人富裕層で日本酒がブームに

かつて中国では「とっつきにくい」イメージが持たれていた日本酒ですが、近年そのイメージが払拭され、人気が高まっています。

この人気を受けて、JGでは会員様向けに「日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会（SSI）認定酒匠 日本酒・焼酎初級認定コース」を実施しました。

受講することで「日本酒ナビゲーター」「焼酎ナビゲーター」の資格が取得できるこのセミナーは、参加費が2980元（約60,000円）。

決して安くはない金額ですが、募集開始から1週間足らずで定員が埋まる大盛況ぶりでした。(詳しくはこちらのニュースリリースをご覧ください)

私は日本に留学したことがあるので、日本で日本酒がどれだけ親しまれているかをよく知っています。

それと比べると中国における日本酒の普及度はまだまだですが、人気は確実に高まっていると感じます。

JG会員に聞いた、日本酒の楽しみ方

ところで、中国の日本酒愛好家の方々はどのように日本酒を楽しんでいるのでしょうか。

数名のJG会員に聞いてみましたので、いくつか紹介したいと思います。

Aさん（IT関係会社のPR担当・女性）

日本酒を扱っているお店や、海外の商品を扱っているECサイトでニッチなお酒を買うのが好きで、最近はスパークリングの生酒にハマっています。
日常的に飲んでいるのは「雨降」や「月山」など1本あたり300-500元（6,000～10,000円位）の銘柄です。冷蔵庫に保管して飲んでいます。

家では夜、彼氏と一緒にチーズや軽食と合わせて日本酒を飲みながら、ドラマを見たりして、一日の疲れを解消しています。

私が所属している日本酒愛好家コミュニティでは、毎月1人1本日本酒を持ち寄り、皆で日本酒の飲み比べを楽しんでいますよ。
愛好家が集まるこの会では、中国で目にすることのない、珍しいお酒を持って行くと大変喜ばれます。なのでニッチな銘柄の日本酒を見つけたら買っておくようにしています。

このコミュニティでは「満寿泉 リンク8888」などやや高め（約1000元(約20,000円)）の日本酒が人気です。
また、最近は新しい銘柄の日本酒が流行っているように感じますね。

Bさん（メディア会社勤務・女性）

私は友達と一緒に日本酒バーに行くことにハマっています。
そのバーは食事こそ普通ですが雰囲気が洒落ていて、お酒がグラス単位で注文できるので、色々な種類のお酒が楽しめます。
それに、バーで楽しむ日本酒は特別感があり、とてもお洒落です。

たまに日本人が常駐しているバーに行くこともあります。
そこでは日本酒や焼酎をベースにした、お洒落で素敵なカクテルが楽しめるので行く度にワクワクしています。

Cさん （製造業管理職・男性）

私が勤めている会社は郊外にあるのですが、仕事を終えたあと都心部に行って、お気に入りの日本酒バーや焼酎バーでお酒を飲むことが大好きです。

最近のお気に入りはOmakaseというお店です。平均客単価1,200元（24,000円）のやや高級なお店なのですが、バーカウンターがあるので、一人で行っても気まずくない点が良いです。

また、お店のソムリエがとても日本酒に詳しく、いつも斬新で面白いペアリングを教えてくれる点もすごく気に入っています。

いかがでしたか？
まず日本酒の値段に驚きますよね。
中国では日本の数倍の価格で日本酒が売買されています。
例えばAさんが挙げたリンク8888も、日本では6000円ほどで購入できる銘柄です。


また、上海には日本酒バーがあり、そこで日本酒を楽しむ人も多いようですね。
恋人と晩酌で飲んだり、友達とバーで飲んだり、仕事終わりに一人で飲んだりと、様々な楽しみ方をしていることが分かります。

ちなみに下の画像は、上海の日本料理店"Ginza Onodera 鮨"で撮影した日本酒のメニュー表です。

“日本酒×ヨガ” 中国で新たな日本酒の楽しみ方

実は私Sunnieも日本酒の奥深い魅力の虜になった一人で、もっと日本酒を勉強したいという思いから、先日ISS認定の国際唎酒師の資格を取得しました。

そしてこの知識を活かして、“SakeYoga”(日本酒ヨガ)という日本酒を飲みながら楽しむヨガを考案し、イベントを開催しました。

“日本酒×ヨガ”，“日本酒×家呑み”，“日本酒×カクテル”，“日本酒×コミュニティ”など、中国では様々な日本酒の楽しみ方が考案されており、今後も日本酒の人気は衰えない予感がします。

訪日解禁後は"日本酒ツーリズム"に注目

現在、日本の水際対策は徐々に緩和されています。
しかし、中国側の水際対策は依然厳しいままなので、中国人観光客が戻ってくるのは少し先の話になるでしょう。

そして、今後客足が戻った際には酒蔵や直売所を巡る日本酒ツーリズムがコロナ前よりも人気になると思われます。

日本酒ブームで日本酒の購買意欲も高まっており、日本国内で安く日本酒を手に入れたい中国人はかなり増えています。
それに、中国ではお目にかかれない地域限定の日本酒を買いたい日本酒マニアも少なからずいます。

先に述べたように中国国内で日本酒は高額で売買されており、富裕層に人気です。
なので日本国内の酒造メーカーさんは、訪日再開後その富裕層の中国人観光客を積極的に受け入れるべきです。
彼らの購買力は必ずメーカーや地域に潤いを与えてくれます。

私たち行楽が運営するJGでも、訪日解禁に備えて、引き続き日本酒のイベントを開催する予定です。

そして訪日再開後には、日本酒セミナーで資格を取得した方々を始め、JG会員の皆様には是非本場の日本酒を楽しんで頂きたいと思っています。

初めての執筆で少し緊張しましたが、これからも現地から中国の最新情報をお伝えできればと思いますので、応援どうぞよろしくお願いします！