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テレワークだと雑談ができないから意思疎通できないって本当?

テレワークが始まって約1年半が経過しました。
途中、緊急事態宣言の状況によって、「原則在宅」となったり、「出社率30%以下を目線にコントロール」となったり、いろいろ程度は変化しましたが、テレワークが特殊なことではなく、日常になったのは間違いないかと思っています。

ただ、「なぜテレワークをするか」と考えると、その理由は様々だと思います。

大きく言うと、
・感染症対策
・「働き方」の選択肢

という二つの軸があるのではないでしょうか。

皆様の周辺ではいかがでしょうか。

緊急事態宣言が解除になり、さてこれからどうする?というときにも、「原則出社」に戻った会社も少なくないように見受けられます。

私の勤める会社ではどうか。

「テレワーク制度を維持」です。

私の勤める会社はいわゆる大企業に分類されるような規模ですので、部署ごとに雰囲気はかなり異なります。

緊急事態宣言が解除になったら「原則出社」に戻したい部署があるとも聞きます。
恐らく、会社はそういった声もわかったうえで、あえて「テレワーク維持」という方針を出したようです。

今までは、「テレワークを最大限活用して感染防止に努める」という方針でした。「感染防止のため」のテレワークだったわけです。
一方で、緊急事態宣言が解除されるタイミングで、会社からは「テレワーク制度を最大限活用した働き方を推奨」という言い方に変わりました。

つまるところ、「テレワークは選択肢」であると示したということになります。

実際、これだけテレワークが続くと、働き方が様々になったと思います。
私の場合、家事をすることが増えましたし、子供の送り迎えもするようになりました。また、夕食は毎日18時に家族全員でとるようにもなりました。
もちろん夕食後にも働くことにはなるのですが、このような生活になったということです。そして私にとってこれはメリハリある心地の良い生活なわけです。

人それぞれでしょうが、このような選択肢があってもいいと思うわけで、その意味で会社の方針は非常にありがたいと思ったのです。

とはいえ、出社したほうがいいという意見もある。

しかし、出社したほうがいいという人も相当数います。
冷静に考えて、顔を合わせて仕事をすることと、テレワークはどんなに工夫をしても「全く同じ」ではないのは事実であろうと思うわけです。

ですから、私も時と場合によってチームメンバーと予定を合わせて出社をしたこともあります。

しかし、「出社したほうがいい」という意見でも、疑わしいものがあるのもまた事実かと思います。

私が一番疑問なのは「雑談が減る」というものです。

上司が「雑談が減る」というときの雑談ってなに?

皆さんの会社ではどうでしょうか。
私は、少なくともメンバーから「雑談が減った」という意見を聞くことはほぼありません。

「雑談が減ってコミュニケーションができない」というのは、ほぼマネージャーです。

私には、これが言い訳に聞こえてしまうのです。

そもそも、マネージャーが「雑談が減って~」というときの「雑談」って何でしょうか?

大体の場合、「マネージャーが一方的に話しかけている」ことが多いと思いませんか?
しかも、「業務の確認」ではなく、「雑談」ですから、業務に直接関係のない話であるということとすると、わたしがオフィスで見たことある「雑談」は、「マネージャーが暇なときに自分の武勇伝を部下に話している」ものであることが大半です。

部下もサラリーマンですから、「そうですか~」と相槌を打ってみたり、「すごいですね~」と感心して見せたり、上司が笑ってほしいポイントで「それ最高ですね~」と言って笑ってみたりしてるので、マネージャーはそれをもってコミュニケーションが取れていると思っているのでしょう。

そしてそれで部下と分かり合えている、と安心しているのだと思います。


これって、必要ですか?


仕事に必要なコミュニケーションって何だろうか?

出社をしろ、という上司のロジックは以下の通りです。

・テレワークだと顔を合わせないので、雑談ができない。

・雑談ができないと部下とコミュニケーションが取れない。

・コミュニケーションが取れないと仕事に支障が出る。

・・・

飛躍しすぎてません?

このロジックを読み解こうとするならば、一番重要な「目的」は「仕事に支障を出さない」ことです。

仕事に支障を出さないために一番必要なことって何でしょうか?

私は「業務の方向性を明確にして、進捗を常に確認し、マネージャーは必要な決断をすること」だと思っています。

諸説ありとは思いますが、私の考えで仮定した場合、やるべきことは雑談ではなく、業務について話し合うことです。

ですから、私はメンバーの全員と毎週最低一人当たり1時間の1on1をしています。
これですべて満足しているか、出社した時と同じか、というと必ずしもそうではないかもしれません。
しかし、「出社しなかったら業務に支障が出る」ようなことは無いようにできていると思います。

雑談で逃げずに、正面から業務の話をしよう。

雑談が便利なのは、それ自体のゴールがないことです。
「雑談した」という事実だけが残ります。マネージャーが「コミュニケーションを取っている」と言って逃げるには格好の行動だと思います。

しかし、そんなことをせずに、正面から業務の話をすべきだと思います。

テレワークになると、予定外に話すことは難しくなりますから、マネージャーが自ら目的をもって時間を確保しないとこのようなことはできません。

私もマネージャーになって約1年、毎週1on1を続けていますが、毎回準備しますし、緊張もありますし、終わると疲労感があります。
よく「1on1は部下が主役だから、上司は聞き役に徹しなさい」という言葉を見ますが、無計画に相槌を打てばいいわけではありません。
「部下が主役」だからこそ、「部下が何を考えているか背景まで想像力を膨らまし、必要な反応をしていかねばならない」と思って、かなり集中力を使います。

「出社しないとコミュニケーションが取れない」という人は「逃げている」と敢えて言いたいと思います。
(出社すべき理由も存在することは理解したうえであえて極端に言います)

私は、テレワークであっても、出社しているとき以上のコミュニケーションを取って、業務で成果を出したい、そう強く思っています。

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