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教育で最も避けるべきことですか?それは「愛着障害」です

2月1日(木)にメンバーシップを始めることを以前の記事で告知させていただきました!

あと5日後です♪

前回紹介したメンバー特典に加えて、
追加特典を紹介します!

📕追加特典📕

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★メンバー特典記事を3本同時公開!
・自分をマーケティングする!
 自分の「強み」の見つけ方

・褒め方・認め方は
 この4パターンを知れば網羅できる!

・【仕事①】今週の1冊 from library
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ということで、特典一覧は以下のようになります。

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

【メンバーシップ特典】
①週4本の途中制限を解放して記事を楽しめる

②メンバー限定記事週2本(①とは別で)

③記事へのワンポイントアドバイス

④教育・成長・自己実現への相談/サポート

⑤より人目にふれるように記事やクリエイターをプッシュ

📕追加特典📕

★メンバー特典記事を3本同時公開!
・自分をマーケティングする!自分の「強み」の見つけ方
・褒め方・認め方はこの4パターンを知れば網羅できる!
・【仕事①】今週の1冊 from library

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

たくさんのご参加、お待ちしています😊


共育LIBRARYへようこそおいでくださいました✨

教育、人間、人生など、様々な「知恵」や「情報」が詰まった図書館のような、皆さんがくつろぎ、人生の「気付き」を得たり、知的好奇心を満たしたりできる居場所を目指しています😌

どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。

共育LIBRARYりょーやん、元教師です。


皆さんは愛着障害をもつ子どもに会ったことはありますか?

これは、半々に分かれると思います。

ただ、
実は愛着障害と認識していなかったけれど、
振り返ればそうだったというケースも当然あるはずです。

愛着障害を生まれながらにもっている子どもはいません。

育てられていく過程の中で、二次障害として発生する症状。

精神科医である杉山登志郎氏は、この症状を

「第四の発達障害」

と表現しました。

当時は、まだ神経発達症というネーミングがアメリカでも定まっていなかったので、「発達障害(今では神経発達症)」という名前を使っていますが。

それだけ、多大なる影響力をもつ症状だと言えます。

この記事では、そんな愛着障害の症状を知ってもらい、

どのように対応していくのかという点について、
解説していけたらと思います。

一人でも多くの方に知ってもらいたいことですので、ぜひ、読んでいただいて、広めてもらえればと思います。



愛着障害とはそもそも?

愛着形成が0歳~3歳までの教育で最も重要。

愛着は「特定の人に対する情緒的絆」のことを指し、

3つの機能をもっています。

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

◆【安全基地機能】
恐怖や不安から守ってくれる

◆【安心基地機能】
そこに行くと落ち着く、ほっとする

◆【探索基地機能】
基地から離れても大丈夫で、
離れて行ったことを報告して認めてもらう

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

今回のテーマは愛着障害なので、
愛着そのものの解説はそこまで詳しくはしませんが、

この絆が育っていない問題が愛着障害だと言えます。


筆者が出会った愛着障害の子ども

ここからは、
筆者が出会った愛着障害の症状を顕著にもった、
3人の子どもの事例を紹介します。

「顕著」ですから、
かなり症状は激しいと理解してください。

では、一人ずつ紹介していきますね。


小学3年生で受け持ったAさん

筆者が1年間担任をしたAさん。
小学2年生のとき、2学期に転入をしてきて、
3年生で筆者が受け持ちました。

Aさんは、とにかく行動が予想できない。
例えば、4月には以下のような様子が見られました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・移動教室で出発するときに机の下に隠れて出てこない

・机の周りに、常に物が散乱している

・床に寝そべったり、姿勢の崩れが常にある

・衝動性のある男子と常に喧嘩になる

・人との距離感がおかしい/抱き着く

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

まだ愛着障害についてそこまで詳しくなかった筆者は、

「ADHD症状をもつ子どもなのかな?」

と思っていました。

しかし、場面によってコロコロ態度が変わり、
ADHDの症状が全く出ないようにコントロールできるときもある。

次第にこれは何か違うという思いが募り、
様々な文献を読み漁っていると、
愛着障害の症状にぴったり重なったのです。

この時にとったAさんへの対応方法は、
後ほど後述します。


中国からきたB君

御両親が中国から来られたB君。

小学1年生から日本の小学校に入り、
日本語もしっかり話すことができた子です。

発達凸凹の症状ももっているので、
低学年のときはその症状が顕著に出ていた。

ただ、愛着障害の症状に変わったと確信したのは、
小学4年生になってからです。

特に小学5年生の時からその症状が明らかに加速しました。

授業で何か分からない問題が1つあるだけで、
教室内で机を振り回す。
物を投げる。
暴言を吐く。
暴れ回る。

そのような行動を1日に3、4回繰り返す。
といった感じでした。

毎日のように学校を飛びだし、
教頭先生がその後を追いかけ、
学校が終わるまで校外でもフラフラしている。

とにかく、いつ爆発するかが分からないので、
同じクラスにいる子どもたちは、
非常にびくびくしていたと思います。

当時、学年主任だった方が受け持っていたのですが、

物凄く、同僚からも保護者からも評価されている方で、何とかクラスの子どもたちはがんばってくれている状況。

ただ、ある日、朝の打ち合わせが終わって教室に向かおうとした瞬間、

主任が自分の机に座ったまま、
涙を流して全く動けなくなる
という日がありました。

「教室に向かいたいんだけど、あの子の顔を見るとなると、どうしても体が動かなくて・・・」

限界だったのだと思います。
同じ学年のチーム内でも助け合っていたのですが、

毎日、暴言を浴び続け、
他の子どもに危害が加わらないように気を張り、
暴れるBくんを、根気よく愛ある言葉で諭し続ける。

そんな誰もが認める器をもつ人でも限界はくる。

一方、B君も、つらかった。

腹違いの弟がおり、
その子だけは夏休み期間中に両親と中国に帰省し、何とBくんだけは日本にいる親戚の家に預けられるのです。

中国の祖父母の家の意向で、
前の旦那の子どもであるBくんは招かない、
ということなのだそう。

B君も、担任も、お互いに、
心から血を流しながら、
さらに心を痛め合う悪循環。

書き過ぎてしまうと、
あまりに長くなってしまうので、
次に行かせてもらいます。


療育施設に体験に来たC君

療育施設に一度だけ体験に来たC君。

確か、小学2~3年生だったと思います。

一度暴れ出すと手がつけられないという話をうけ、

とりあえず施設内で子どもたちに紛れた様子を見ることに。

途中までは穏やかに遊んでいたのですが、
施設内の衝動性が強い他者と喧嘩になってしまいがちな子どもと揉めてしまい一触即発。

たちまちに殴り合いの喧嘩になってしまいました。

「ぜってぇーおまえのことはゆるさねぇー!!」

と絶叫する彼を別室へ連れて行き、
戻って相手を殴ろうとする姿を全身で止める。

このC君が愛着障害の中でも最も激しい症状をもっていた子どもで、

身体的に止めざるを得なかった筆者の、
手や手首、首などに噛みつき
何とか振りほどこうとしていました。

その力は小学2~3年生とは思えないほどのもの。

噛まれた箇所も、ほとんど出血していました。
ただ、首だけは死守していたので、
なんとか首の出血はカバー。

筆者以外の女性の職員にも、
「蹴る・つばを顔にかける」
といった行為の数々。

ほどなくして、
一人なら落ち着けるというので、
一人別室に残し、落ち着いたら戻って来るようにし、

また戻ってきたら衝動性の高い子どもがなるべく視界に入らないように配置を工夫するといった感じでした。

愛着障害も症状が激しくなると、

「人間と言うよりも動物に近くなってしまうのだな」

と、心底恐ろしさを感じた出来事だったと思います。

このようなレベルの愛着障害の子どもがいた場合は、他の子どもの安全を守ることができません。

なので、小学校では、本来の特別支援学級の体制を組み立て変えて、

C君一人だけの教室をつくって対応しているそうです。

「保護者は何をしているんだ」
という声があがるかもしれませんが、

このような、
愛着障害を抱えるまでに至るケースの場合、
保護者も精神的な疾患を抱えていたり、
同じ症状を抱えている可能性が高い
のです。

だから、自覚していても、
自分で修正するということが難しいのです。


愛着障害の症状

愛着障害かどうかを判断するためには、
以下のような特徴が出ているかのチェックが必要です。

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

◆多動
ムラのある多動

◆モノとの関係
モノにさわる/なくす/落とす/モノに囲まれる

◆口の問題
口にモノや指を入れる/舐める・噛む

◆姿勢・しぐさの問題
姿勢の崩れ/身体の揺らぎ/服装の乱れ

◆人への接触
べたーと抱き着く/まとわりつく/飛びつく

◆床への接触
靴や靴下を脱ぐ/寝転ぶ/這い回る

◆危険な行為
高い所に登る/飛び降り/痛がらない

◆愛情欲求行動
叱られるか試し行動/静寂潰し

◆自己防衛
目撃されてもしたと認めない/人のせい/解離

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

前半は、かなりADHDの症状と似ています。

ただ、学校のルールを守る観点に関して、
してはいけないと分かっているのに、
ついしてしまうのがADHD。

そもそも、
ルールを守ろうという気持ちが育っていないのが、愛着障害なのです。

そして、ADHDはどのような人が受け持ったとしてもある程度症状が出てしまいますが、

愛着障害をもつ子どもの場合は、人によって全く症状が出ないということがあり得ます。

特に、威圧的な態度をとる大人の前で大人しくしている場合があり、

優しい先生になった途端に症状が顕著に現れるといった事例が多く見られます。


愛着障害への対応の原則

愛着障害に表面上の対応をしても、
その症状が修復に向かうということはありません。

愛着の障害なのですから、
愛着を結び直すという「育て直し」の行程が必要になります。

詳しく書き過ぎてもボリュームが多くなり過ぎてしまうので、

シンプルに4つにまとめます。
以下の4つです。

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

❶キーパーソンを決める
❷一対一対応
❸感情のラベリング
❹先手支援

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢


❶キーパーソンを決める

愛着障害になってしまう子どもは、
愛着を結び直す必要がある。

ただ、親と愛着を結び直すのは、
第三者がいなければ難しいと考えた方がよい。

そもそも、
親自身が愛着というものを獲得していないからこそ、

愛着障害になっているのですから。

ということは、
親以外の人物が愛着を結ぶ人物になる必要があります。

これを「キーパーソン」と呼びます。

キーパーソンとなる人物を1人決め、
その人物が対象児のことを最もよく把握している状態にしていきます。

愛着障害をもつ子どもは、
他の子どもとのトラブルになりがち。

学校中、どこでトラブルが生じたとしても、
必ず、対応するのはこのキーパーソンに集約します。

キーパーソン以外の先生の授業だったとしても、
その授業内で起こったことは共有しておく必要がある。

そうしたら、
「さっきの授業でがんばっていたらしいね」
「あの子と~してけんかになっちゃったんでしょ?」

と常に「何でも知っている」状態になれる。

すると対象児は、
この大人は自分のことを何でも知っている。

安全・安心の対象としてみていくのです。


❷一対一対応

愛着障害をもつ子どもが他の子どもと揉めた場合は、同時に話し合わせてはいけません。

必ず一対一で話をききます。

なぜなら、愛着障害の症状として、

本当のことを言わない。
ウソをつく。
解離が起き本当に覚えていない。

といったことがあるからです。

複数の子ども同士で話し合わせると、

「わたしそんなことしてないよ!」
「したじゃん!」

といった言い争いになり、
余計にこじれてしまいます。

なので、対象児から悪口を言われたという報告が入っても、

「本人に先生が注意するね」

と言い、
対象児との一対一の話し合いにもっていくのです。


❸感情のラベリング

先述した、一対一の話し合いになった場合、

感情のラベリングを行うことが大切になります。

そもそも愛着障害は「感情」というものがごちゃまぜになってます。

なので、
「相手の〇〇がムカついて~」

というようなことを本人が吐露していた場合、

「〇〇さんは~という行動が悲しかったんだね

とその感情の名前を教えてあげるのです。

これを根気よく行う必要があります。

愛着が安定していないということは、
人間の基盤全てが安定していないということなので、

一定の安定する何かをつくるのがよい。

だから、

毎日、
同じ時間帯に、
同じ人と、
同じことをやって、
同じ感情を抱く。

といった経験を積ませてあげた方がよいのです。

筆者は、丁度3年生の鉄棒遊びをやっていたので、

毎日、同じ時間に、担任と、鉄棒遊びを行い、
終わった後に、

「今日も一緒に鉄棒遊びができてうれしかったね

と声をかけていました。


❹先手支援

愛着障害をもつ子は、非常にたくさんの「試し行動」をしてきます。

キーパーソンにも、無理難題を押し付けたり、
わがままを言いたい放題いったりもします。

要するに、赤ちゃんになっている状態です。

赤ちゃんの場合は、無条件の愛情で、
どんな行動もおおらかに認めていくことが必要でしょう。

それを愛着障害をもつ子にも行う必要があります。

ただ、愛着障害をもつ子どもは、
親から無理やりコントロールされてきた経験をもつので、

大人をコントロールしようとします。

だから、大人を「試す」のです。

なので、常に主導権を大人が握っておく必要がある。

大人の手の平で転がしているような余裕ある対応だと、
愛着障害の子どもも安心して甘えられるのです。

具体的には、

「一緒にこれをやってみようよ!」

提案したり、

相手が無理な提案をしてきたら、

「この部分はできないけど、この部分はこういうふうにしてやってみようか」

とこちらがコントロールする。

相手が突拍子もない言動を繰り返しても、

「そろそろそうくると思ってたよ!」

と切り返す。

この何をやっても動じないキーパーソンの状態が、

安定した雰囲気をつくりあげ、
愛着を結ぶ対象として認識されていくのです。


まとめ

愛着障害は非常に根が深い問題です。

この記事に書いた対応をすることはとても大事なのですが、

愛着障害をもった子が他害をしてしまった場合
被害をうけた子どもやその保護者の感情の問題も生じます。

だから、その辺りの対応がとても難しく、
複数の大人の目があって安定して行える支援方法な気がします。

学級担任制という担任1人でみるという体制では、なかなか根本的な解決をすることは難しいでしょう。

筆者も、
できる限りのことはやったつもりですが、
愛着そのものが目に見えて修復した実感は、
そこまで抱くことはできませんでした。

間違った愛着を根付かせ、
間違った経験を積み重ねてきた期間が長ければ長いほど、
それを修復するのには時間がかかる。

逆に、3歳児、4歳児などであれば、
適切な対応をすれば、
かなり早く愛着を修復できる可能性があるということです。

この記事では、子どもの愛着障害のさわりを紹介させてもらいました。

愛着障害は、
大人になってからの特徴もありますし、

根本となる愛着の形成の話もあります。

そのようなことも、またどこかで発信できたらと思っています。

少しでも多く、この愛着障害の重みが広まり、
家庭の教育だけではどうにもならない事態があることを認識し、

家庭に第三者が入ることができるようにしなければならないと感じています。

みなさんも、周囲の人でまだ知らない方がいれば、広めてくださると有難いです。


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「コメント」も残してくださる有難いです!コメントを読んだ方々が、より教育についての知見が深めることができる図書館でありたいと思います。

いつもいつも、最後まで読んでくださり本当にありがとうございます!

明日の記事は、

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です。

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いいえ、そんなことは絶対ありません。
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