京和みかん

ど田舎の片隅で頑張って生きつつ、もそもそ物語を書いてるシナリオライター。 エッセイ・書…

京和みかん

ど田舎の片隅で頑張って生きつつ、もそもそ物語を書いてるシナリオライター。 エッセイ・書評・映画評も息抜きで書いてます。 HP:http://kyowa-mikan.jimdo.com Twitter:https://twitter.com/Kyowa_mikan

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最近の記事

山椒魚は悲しんだのか?

 井伏鱒二の『山椒魚』を読む。  正直言って、私は文学に詳しくないし、井伏鱒二が何を伝えたかったのか、この作品が文学的にどんな意味があるのか、さっぱりである。その上で感想を語るのであるが、要するにこれは私の感想に過ぎない。それが正しいのか誤りなのかなど、はっきりと言えばどうでもよいのである。無論、それを主題とする者もいるだろうし、文学論争のようにどちらの主張が正しいかを言い争うのも、私は価値あることだと思っている。しかし、これは「主張」ではなく「感想」であり、もっと言い換えれ

    • 『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』に観る「女性らしさ」の変遷

       昨日ね、『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』っていう映画を観てきたんですよね。これが中々よく出来てました。全体的な印象は王道のヒューマンドラマ映画って感じだったかな。僕は女優には詳しくないので、長女メグ役のエマ・ワトソンぐらいしか分からなかったけど、主演の女優さん(いま敬愛すべきWikipediaさんで見てきたら、シアーシャ・ローナンという女優さんらしいですね。そうか。『ラブリー・ボーン』の主演の女の子でもあったのか。もうそんなに大きくなったのか)の演技はすご

      • カワイイ世界

        パステルピンクの夢模様 私は空想の中にひらりひらり ふわふわ浮いてる夢心地 遊び疲れてひらりひらり 私は何処にいくのかわかんない わかりたくないし わかろうともしない ずーっとこのカワイイ世界で生きていたくて ふわふわピンクとイエローとブルーとレッドの色彩に閉じこもるの それってそんなに悪いこと? あながち変ってわけじゃなくないかな? いま世界は彩られているんだもの 私の大好きなカワイイ模様に ずっとずっと待ってたの このカラフルな模様が世界を覆うのを ずっとずっと期待

        • くだらねえ

          くだらないぜ じゃじゃ馬な連中がパーリーピーポーでワイワイしてる おれは遠くからそいつを眺めて吐き捨てる くっだらねえぜ くだらねえぜ いつしかおれたちみんな大人になって ガキのことを胡散臭い目でみるようになるんだろう でもそんなのが大人だっていうなら おれは絶対大人になんてなりたくねぇ くだらねえ仲間たち くだらねえ女ども 誰かのうわさ話に華を咲かせて おれたちきっと幸せなふりしてるんだろうな 何にもできないくせに何かできるふりして おれたち大人を馬鹿にしてるんだろうな

        山椒魚は悲しんだのか?

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        • 映画評/書評
          8本
        • 7本
        • エッセイ/随筆
          16本

        記事

          あなたのもとへ参ります

          いつかあなたのもとへ参ります それは別に死を意味するわけではありません 私とあなたは元々一つだったのです この世が始まったときから私とあなたは結ばれる運命にありました そうは思いませんか いつかはこの命は尽き果てます そうして輪廻転生を繰り返していくのです あなたは馬鹿げたことだと言うかもしれません ですが私は信じているのです いつかあなたのもとへ参ります 知らずにいれば幸福でいられたでしょう 私を憎みたくもなるでしょう それでも良いのです あなたさえいれば あなたさえ

          あなたのもとへ参ります

          気づかないもの

          誰でもない人 誰でもないところ 誰でもない世界 僕はどうしてここにいて 君はどうして傍にいるの 分からないものは知りたくない 知らないものは分かり合いたくない 戸惑って 歪んで くすぶって 変わってしまって それでも変わらないものがあるって言うなら 君が僕にそれを教えてくれたらいいのに いつまでそこにいるつもりかい 僕はずっとここにいるよ 傍じゃないけどそれでいいだろ 君が寄り添ってほしいと言ってくれるまで 変わらないもの 変わってしまうもの 気づかないもの 気づけない

          気づかないもの

          インターネットがもたらしたもの

          インターネット前夜。パソコンとの出会い。  はじめてのインターネットがどんなものだったかは正直覚えていない。  ただ父親が買っていていつの間にかリビングの端に置いてあったパソコンにはWindowsMeが入っていたと思う。今考えると実にクソみたいなOSだ。でも当時は「なにMEって? 98とか95とか数字じゃないの? めちゃカッコいいじゃん!」と僕は思っていた。  ちなみに学校のパソコン室に入っていたWindowsは2000とかXPだったと思う。当時最新はXPだったから、友だち

          インターネットがもたらしたもの

          寒中見舞いはいずこへ

           年賀状を買ってきた。三枚入りで四八〇円。切手がすでに印刷されているとはいえ、年賀状ってこんなに高かったっけ、と思った。でも、仕方ない。イラストも描かれているし、手間賃だと考えたら、それぐらいはやっぱりするだろう。というわけで、購入する。帰ってさっそく、年賀状を書くことにした。  書いた年賀状を送って数日が経ち、年が明けると年賀状が届く。そこには送っていない人の名前もあった。マズい、と思ったときにはもう遅かった。送り忘れていたのだ。慌てて、まだ余っている年賀状はないかと探し

          寒中見舞いはいずこへ

          それぞれの働き方

           働きがいのある会社を探していた。しかし、見つからなかった。大学四年生の秋に就職をあきらめ、実家に帰ることにした。幸い、物書きの仕事をくれる人がいたから、しばらく食いっぱぐれることはなかった。地元へ戻ってフリーランスで仕事をしようと考えた。  その時だ。祖母が脳梗塞で病院に運ばれたのは。一命は取り留めたが、左半身にマヒが残った。右手と右足しかまともに動かせず、車イスがやっとの状態だった。長いリハビリのかいあって、右半身で簡単な日常動作は行えるようになったけど、もう、一人暮ら

          それぞれの働き方

          人間と心の中のウィルス

           2020年はどんな年になるだろうか。  2020。こうして見ると綺麗な字面である。  デジタルな数字を思い出す。  デジタルといえばデジモンだ。デジモンテイマーズのドイツ語版OPを私は気に入っている。  たまに聞く時がある。  ドイツ語版は実に愛に溢れている。デジモンのこと、主人公たちのこと、曲のテーマ、全てをしっかりと表現している。  さすがにデジモンが出てくるのはまだまだ早いだろう。デジタルな生命体はSFの夢だ。  そしてSFがファンタジーと違うのは「いつか叶うかもし

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          詩:夜の闇

          夜の闇にまぎれて声が聞こえる。 か細い猫の鳴き声。 ぴゅうぴゅう吹く風に声はかき消される。 僕は部屋の中でただじっと、見守るしかできない。 オレンジ色の光は外に届いているか。 君の目からはこの光が見えているか。 またか細い鳴き声が聞こえる。 がさがさ鳴る音。 猫の姿は一度も僕に見えない。 夜にまぎれて声だけが聞こえる。 やがて、声も聞こえなくなる。 ぴゅうぴゅう鳴る風の音だけが聞こえる。 君は一体どこへ行ったのか。 僕は部屋の中から、ただじっと闇に目を凝らした。

          詩:夜の闇

          詩:歯車

          人生は歯車。 歯車の一つ一つが僕ら。 僕らはゆっくり歯車を回す。 かちっとかみ合わさると、気持ちいい。 けど、かみ合わないものもある。 ゆっくり回す人もいれば、 速く回す人もいる。 他人の歯車に、自分の歯車を合わせてしまう人もいる。 僕らは一人一人、歯車を回す速度も大きさも違っている。 でも、小さい歯車も大きい歯車もかちっと合わさって、 大きな大きなしくみになれば、何かすごいことができるかもしれない。 僕らは歯車。 小さくても大きくても、何かの一部だ。

          詩:コスモス

          コスモスの花が咲きほこる。 母が真ん中に立ち、 僕と二人の兄がその横に立つ。 小さな思い出。 紺碧の空と、 さぁぁっと吹きつける風。 母は髪を手で押さえて、 父はカメラのシャッターを押す。 パシャリ。 僕らの写真には、母のとびきりの笑顔がある。

          詩:コスモス

          映画評『素晴らしき哉、人生!』

          こちらもAmazonプライムで視聴した映画です。 1946年公開『素晴らしき哉、人生!』 アメリカではクリスマス・イブの日にはテレビ放映される映画としてなじみ深い映画のようです。 監督はフランク・キャプラ。 正直言って、公開時はそれほど興行収入が振るわなかったとか。 しかしその後、数十年が経ってテレビ放映されるようになりました(現在はパブリックドメイン)。 若い世代にフランク・キャプラの名を浸透させた映画らしい。 脚本術の本でもよく登場するので、ぜひ一度観てみたいと思って

          映画評『素晴らしき哉、人生!』

          『人生、ブラボー!』

          Amazonプライムで映画を観た。 『人生、ブラボー!』というコメディ映画である。 実はこの映画を観るのは2度目だ。 以前、どのネット配信だったかは忘れたが、1度観た記憶がある。 ちなみにこの映画はカナダの映画だ。 人気を誇ったために、ハリウッドでも『人生、サイコー!』というタイトルでリメイクされている。 ちなみにハリウッド版も僕は観た。 要するに、それだけ僕は、どうやらこの映画がお気に入りのようだ。 『人生、ブラボー!』の原題は『STARBUCK/スターバック』である

          『人生、ブラボー!』

          鈍行周遊きっぷと熊本と私

           旅と私について。  さて、正直言って私は「旅」をほとんどしたことがない。旅行に大きな興味を持っていないということもあるし、何より足(移動手段)がない。  たとえば、車、バス、電車、自転車、徒歩。どれが最も馴染みがあるかと言えば、私は自転車か徒歩である。歩くのは嫌いではないし、どちらかと言えば、ぶらぶらとほっつき歩きながら物事を適当に考えるのは、私の性に合っているのか、けっこう楽しい。  そんなわけで私は「旅行」をとんとしたことがないが、つい先日、熊本へ行く機会があってのん

          鈍行周遊きっぷと熊本と私