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アメリカ東海岸🇺🇸節約旅~ワシントンD.C.から見るアメリカのナショナリズム~

タイトルの通り、留学が終わる「超」直前にワシントンD.C.に一人旅&節約旅をした感想を書いていきたいと思う。

アメリカ西部にあるワシントン州シアトルから、東部にある首都ワシントンD.C.まで、「ワシントンtoワシントン」な旅を行った。

今回の記事の切り口は「ナショナリズム」であるが前半は旅日記である。
もちろん、美術館やモニュメントに行くことが好きな人にも是非読んで頂きたいし、私が実際に体験した「アメリカ節約旅行」について興味のある方も覗いてみてほしい。

ワシントンD.C.に行ったきっかけ


きっかけは2つある。

〇1つ目は、ある人がワシントンD.Cの複数の美術館が無料で鑑賞することができると教えてくれたことがきっかけだ。実際に、スミソニアン協会に所属している美術館は無料で入ることができるようだ。

ここに美術館のリストが載ったリンクを貼っておく
https://whichmuseum.com/place/washington-d-c-2745/free

私は近代美術が好きで、美術館をめぐることが本当に好きなので、話を聞いた途端、「帰国するまでに絶対に行きたい!」と胸を踊らせていた。

〇2つ目は、大学の食堂で働いていた時に、dish washerをつかさどるおじいさんがいて、その方と話しているとき、「アメリカは東海岸から始まった。宗教的な国だよ。」というおじいさんの話が引っ掛かり、せっかくアメリカに来たのだから東海岸を見てみたい!と思ったからである。

他にも、ワシントンD.C.が、観光地だと比較的安全で一人旅がしやすかったこと、留学での集大成として、自分の英語力や問題が起こった際のレジリエンスを試してみたかったこと、などが挙げられる。

とはいえ、ワシントンD.C.に本気で行きたいと決心したのは、帰国する1ヶ月前である。
留学のタイムリミットも近づいてきて、いつのタイミングで渡航するか迷ったが、結局、都合が良かったところが、大学の授業が全て終わって帰国するまでのタイミングであった。
そこで、帰国する6日前から4日前までワシントンD.C.に渡航する計画を立てた。

本当に、今振り返れば少し無謀だったかもしれないが、本当に行ってよかったとつくづく感じている。


ワシントンD.C.の池で見かけた親鳥とピヨ達
かわええ


実際の旅行計画

実際の旅行計画を紹介しようと思う。行きは、夜行便でシアトルから飛んだ。

6月4日(1日目)

6時ごろ Washington Dulles International Airport に到着

7時ごろ バスでRosslyn駅まで向かう

(この時、ちょうど地下鉄の工事があり、空港⇔Rosslyn駅までの区間は、
 無料の振替バスがあった)

9時ごろ Rosslyn駅に到着・散策開始

     モニュメント(リンカーン、ベトナム戦争、硫黄島の戦い等)
     ホロコースト美術館(1ヶ月前から予約必須)をめぐる

17時ごろ 一日中歩きすぎて、足が棒になる
     地下鉄でホテルに向かう。Smithsonian→Rosslyn駅

18時ごろ ホテル到着(Red Lion Hotel Rosslyn Iwo Jima)
             疲労のため、すぐに寝てしまう

6月5日 (2日目)

8時ごろ 起床。慌てて準備

     地下鉄(Rosslyn→Smithsonian駅)

10時ごろ 国会議事堂(US Capitol)のツアーに参加
            モニュメントがずらりと並んでいる部屋を見れた

12時ごろ National Gallery of Art で絵画を鑑賞
     めっちゃ広かったので、もっと時間があればよかったな

14時ごろ Smithsonian National Museum of Natural History へ
     博物館で、色々な動物の標本、化石などを鑑賞。

17時ごろ 移動。キング牧師のモニュメントが見たくて、見に行く

19時ごろ ホテル到着(Arlington→Rosslyn駅)

6月6日(最終日)

8時ごろ 起床、ホテルをチェックアウト

     地下鉄(Rosslyn→Federal Triangle駅)

10時ごろ National Museum of African America History and Cultureを鑑賞

12時ごろ White Houseを見に行く
     ヨーロッパ風の街並みの中に突如として現われる白い家だった

     地下鉄(Farragut West→Rosslyn駅)

13時ごろ 帰路につく

     バスでDulles空港へ

17時ごろ シアトルへの帰国便に乗る

工事の影響で振替バス🚌が運行していることを知らせる
立て看板
スミソニアン駅
地下鉄めちゃ綺麗
2日間お世話になったホテル


かかった費用・旅の参考にした情報

行きの飛行機 : 178.9ドル
帰りの飛行機 : 178.9ドル
ホテル代   : 301ドル(2泊)
地下鉄の料金 : 約16ドル(20ドルもかからなかった)
予約費用           : 1ドル
(ホロコースト美術館のみ)
飲料水代   : 4ドル
食事代    : 0ドル

合計           679.8ドル(当時のレートで約9万5000円)

節約旅行とはいえ、まあまあ高い(笑)
旅行の日程を変えられなかったので、もっと安い時期を狙えなかったことや
円安の影響、さらに一人旅ということもあり安全を考えて、あえて駅の近くの個室のホテルを選んだため費用がかさんでしまった。
しかしながら、ただでさえ物価が高い国なので、東海岸の旅行を10万円以下
で抑えることができ、何より本当に楽しかったので、後悔はしていない。日本からD.C.に行くよりはよっぽどコストを抑えられているだろう、うんうん。


また、空港までの地下鉄の工事は偶然で、工事がなければさらにお金がかかっていたと思う。費用を抑えたポイントとしては食費と飲料水代である。

実は、日本から持ってきた非常食や、シアトルで買ったパン、クッキーを詰め込み、食費を浮かす作戦を行った。
昼は食べず、朝と夜にホテルについてから、パンやクッキーをほおばった。

(1日目にホテルにチェックインする前に行ったアーリントン墓地で、
荷物検査があったのだが、警備の方になんでそんなに食料持ってんだ?
と聞かれたのが少し恥ずかしかった、へへへ)

※飲食物は館内や敷地内で食べない限り、基本的に持ち込みは可能である。ただし、ワシントンD.C.の博物館やこういった敷地に入るときは常にセキュリティチェックが行われ、武器や刃物を持ってないか逐一確認された。

また、ホテルにウォーターサーバーがあったので、極力ホテルで水を飲んで
飲料水を買わないようにした。


最終日になると、栄養が足りていないという実感があったため、
あまりおすすめはしない。



続いて、情報収集について述べていこうと思う。

旅行に行く1か月ぐらい前から、"Trip Hack DC"というYouTubeチャンネルを
見まくり、旅行の計画を立てる参考にしていた。

この方の動画では、ワシントンD.C.のメトロの乗り方から、旅行のポイントまで、かなり詳しく解説されていて、たくさん参考にさせて頂いた。

もちろん、古い情報もあるかもしれないので自分で調べたり、
全部鵜呑みにせずに、自身の旅行計画と照らし合わせたりしながら、
良いと思ったものを取り入れていくといいかもしれない。


実際に観光してみた感想とナショナリズムについて

ここから本題に入っていこうと思う。

ワシントンD.C.に観光する前に、アメリカ建国200年の歴史を、
本なりウェブサイトなりで、学習してから訪れること
を強く推奨する。
歴史の知識が入っているか入っていないかで、見方が全然違ってくると思うし、何10倍にも観光を楽しむことが出来ると思う。

(ねこ野郎は事前の学習は一切行わず、行ってからホテルで必死に調べていました。おいおい。)


その前に、どんなモニュメントがあったのか先に写真をお見せしようと思う。

Dulles Airportに国旗があった
硫黄島の戦いのモニュメント
Arts of War(Valor)
リンカーン記念堂
リンカーン像
リンカーン記念堂から見たワシントンモニュメント(塔)
朝鮮戦争に行った退役軍人の像
ベトナム女性の像
(具体的には、ベトナム戦争でアメリカ軍に貢献したアメリカの女性の像である)
ワシントンモニュメント
(イギリスから独立を勝ち取るために貢献した
ジョージ・ワシントンの功績をたたえるために建設された)
トーマス・ジェファーソン記念堂
トーマス・ジェファーソンの像
(第3代アメリカ大統領でアメリカ独立宣言の主要な執筆者)
ジョージ・メイソン像
(アメリカ建国の父の一人)


ワシャキー像
(インディアンの指導者)


自由の像
(このブロンズ像が国会議事堂の建物の上にも設置されている)
ロタンダといわれる建物の円形の部分
ワシントンの神化という絵が中心にある
リンカーン像
アメリカ独立宣言の絵
ジョージ・ワシントンの像
マザー・ジョセフ
(現在のワシントン州辺りに孤児院や学校を作るために尽力した宣教師・建築家)

このように、アメリカの国会議事堂の訪問者センターには、全土の各州からその州を代表する
主要な人物の像が送られ、展示されている
ユーリシス・グラントの乗馬像
(18代目アメリカ大統領で、南北戦争の北軍をひきいた軍人)
ジェームズ・ガーフィ―ルド
(第20代アメリカ大統領)
キング牧師
(公民権運動・黒人の権利拡大に尽力した)
フランクリン・ルーズベルトの像
(アメリカ第32代大統領で、世界大戦中のアメリカの指導者である)


アメリカの首都であるワシントンD.C.を観光してみて、
東京と全く異なる印象を受けた。

【東京】
日本の首都の集権化が問題になっているが、まさに東京は「政治と経済の中心地」である。ざっくりいうと、色々なものが集まりすぎている。
高層ビルがそびえたっているかと思いきや、御所や江戸城、その他歴史的建造物もちらほらと建っている。かといえば、人も多く住んでいるので、マンションや住宅街もたくさんある。ねこぬ自身、初めて浅草寺に行った際に、ビル街の中にいきなりお寺が現れてびっくりした記憶がある。
「現代と歴史が織り交ぜられた異空間」「人がたくさん集まる中心地」といったところだろうか。

【ワシントンD.C. 】
しかし、ワシントンD.C.は「政治の中心地」という色が強い気がする。
経済の中心というとNYCに集約されているのかもしれないが、とにかくワシントンD.C.は荘厳で欧州風の建物がそそり立つ歴史的な町、という感じである。私が訪れたエリアが観光地で、全てを見たわけでもなく、そういう感想を抱いただけかもしれないが。

アメリカ全体を見てみると、日本より治安の悪い所が多く存在するが、ワシントンD.C.はかね治安が良く、ねこ野郎が一人旅した際も、身に迫った危険を感じたことは一切なかった。

なぜか。

町中に警察や警備員の方がたくさんいらっしゃるからである。
観光している際に、何回パトカーを見かけたか。
さすが、首都。

さらに、シアトルでは日常茶飯事であるホームレスも一切見なかった。
観光地から外れたところにはいらっしゃるかもしれないが、少なくとも
町中が整然としていて、セキュリティが保たれている感じがした。

【決定的な違いとは】

モニュメントの写真を多く載せたが、決定的な違いに気づかれた方はいらっしゃるだろうか。

→「像の数」だと私は感じている。

日本で誰かの像というと、坂本龍馬だったり、西郷隆盛だったりを想像されるかもしれないが、日本全国を見渡すとそんなに多くの像は立っていない。

対して、ワシントンD.C.には数々の像が立っている。写真以外にも本当にたくさんの像があった。


なぜ、日本には像が少なく、ワシントンD.C.にはたくさんの像が一般に公開されているのだろうか?



帰国後に授業で習ったことも踏まえ、自分なりに結論を出すと、

「異なる宗教・文化背景を持つ人々が集まる多民族国家で、
 国に対する背景知識の共有や一致を図り、
 国の一体化を目指すため」

だと私は考える。
いわゆるナショナリズムの形成に、像が役立っていると私は思う。


歴史は国家が見せたいものを含有する。
誰のどの功績を取り上げるか、とか。

歴代大統領の像は、アメリカがイギリスから独立し、先住民と戦いながら土地を自分たちのものにしてきたり、内部動乱をまとめあげたりして今のアメリカ合衆国が誕生した経緯を象徴している。

戦争で亡くなった人たちの像は、戦没者の命を弔うだけでなく、アメリカが「世界の警察」として様々な戦争に関わってきた歴史を意味する。


ワシントンD.C.のモニュメントを見学して、アメリカの建国について、携わった戦争について、学ぶことが出来た。

ワシントンD.C.を訪れて、もう一つ気づいたことは、「修学旅行中のような生徒や先生の団体」が多く訪れていたことだ。おそらく、歴史の授業の一環で訪れているのか、東部の州の学校の遠足なのか分からないが、中学生ぐらいの団体から高校生と思われる団体にしばしば出くわした。


少し話が飛躍するが、UWの先生が言っていたことだが、アメリカの歴史の教科書には建国時のアジア人の功績や苦労は、いわゆる世界史で習うような、建国の父の功績、戦争、その他色々な史実と比べあまり触れられていないらしい。(その先生はアメリカで行われた、戦時中の日本人収容についてとても詳しく教えてくださった。)

確かに、アジア系の人々のモニュメントや歴史博物館といったものは周辺になかった。(美術系の展示物を鑑賞できる施設はあった気がする。)
もちろん、アメリカは、色々な国からの移民によって作られた国であるから、アジア系の人々だけが移民ではないのだが。

どの国の歴史についても同じことが言えると思う。
触れられていないだけで、現在に貢献した過去の人物がたくさんいる。
多くは、忘れられたり、姿を消したりしている。


「歴史から学べ」という言葉がある。
 もっともその通りで、過去を振り返り、失敗や成功から、自身のいる現在はどういう風に形づくられてきたのか、未来にどのように生かせるのか、ということを考えるのは大事だと思う。
ただ、その「歴史」というのはいかなるものなのか、という視点も同じように大切だと感じていて、全てを鵜呑みにするのではなく、本当にそうだろうか?と疑問に思ったり、歴史に残っていないけれど存在した人々に思いをはせてみたり、間接的に学ぶだけではなくて、実際に自分で見たり聞いたりしてみたりする姿勢も重要なんだな、と気づいた次第である。









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