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ライトノベル的に文学作品を見たら……。『僕らは『読み』を間違える』感想

昔、文学作品に挑戦したことがあります。

とはいっても、やはり昔の言葉で書かれた文章であったため。

どうしても、読みにくかった記憶がありますね。

とはいっても。

『走れメロス』とか。

『吾輩は猫である』とかの。

超メジャーな作品なんかは。

押さえている所存であったりもします。

皆さんは、文学作品、読まれていますか?


というわけで。

本日、ご紹介するライトノベルは、水鏡月聖先生の『僕らは『読み』を間違える』(2022年12月刊行)です。

文学作品は、じっくりと読みたい今日この頃です。



あらすじです

今回もまた、「BOOK☆WALKER」さんより、あらすじを引用させていただきます。

すれ違う恋と、掛け違う推理。第27回スニーカー大賞《銀賞》受賞作!

学生という生き物は、日々「わからないこと」の答えを探している。
明日のテストの解答、クラス内の評判、好きなあの子が好きな人。
かく言う僕・竹久優真も、とある問いに直面していた。
消しゴムに書かれていた『あなたのことが好きです』について。
それは憧れの文学少女・若宮雅との両想いを確信した証拠であり、しかしその恋は玉砕に終わった。
つまり他の誰かが?
高校に入学した春、その“勘違い”は動き出す。
「ちょうどいいところにいた。ちょっと困っていたとこなんだよ」
太陽少女・宗像瀬奈が拾い集めてくる学園の小さな謎たち――
それらは、いくつもの恋路が絡みあう事件《ミステリー》だったんだ。

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というわけで。

本日のテーマは、「文学作品をモチーフとしたミステリー的青春小説」となっております。


最初から、とまどう展開

この作品の最初についてなのですが。

いきなり、高校生の主人公や、他のキャラクター達との。

文学作品の解説から始まります。

具体的に言ってしまえば。

太宰治の「走れメロス」に出てくるメロスを、陰で殺そうとした人物は誰か。

から始まり。

太宰治の死は、本当に自殺だったのかといった事まで。

中学の時の先生を踏まえて。

そんな会話劇がなされるのです。

この時点で、私としては。

「……何、この尖った作品は」

と、思わざるを得ませんでしたね。

とりわけ、最初だけを読めば。

他のライトノベルとは一線を画すると書いても、過言ではないことを。

ここでは書いておきます。




では、この作品はどういった作品なのか

では、どういったストーリーなのか。

私的に、この作品を端的に書くのならば。

「文学作品をモチーフとした、ミステリー要素のある青春小説」

と、書かせていただきます。


確かに、ミステリーの要素はあります。

あらすじを見ても、それをセールスポイントとして書かれています。

しかし、私が見た限りでは。

あくまでも「ミステリー」は。

「青春小説」というものに。

ほんのちょっと刺激をあたえるものだという。

そういった認識でした。


とりわけ。

この作品では、後半から面白くなってきます。

今までの文学作品の解説が怒濤のように、伏線として回収され。

タイトルの通り。

それぞれのキャラクターが、「読み」を間違えていく展開にへとなっていきます。

すれ違いといっても良いですね。

「あのキャラクターが実はそう思っていただなんて……」

「あの出来事の裏では、そんなことがあったとは……」

改めて。

ステレオタイプで読んではいけないことを、気づかされてくれる作品だと思いました。


この作品の欠点について

一応、この作品の長所は上記で書かせていただきましたので。

ここでは、欠点を挙げさせていただきます。

それは良くも悪くも、「文学作品」を取り扱っているといった点ですね。

キャラクターの言動やそれぞれの思いは。

確かに読んでいて面白かったのですが。

文学作品の解説シーンといったものは。

人によっては、退屈なものになるかもしれません。


太宰治や芥川龍之介。

江戸川乱歩や谷崎潤一郎。

さらには「ティファニーで朝食を」のカポーティまで。

様々な文学作品が出てきます。

これを一般のライトノベル読者が読んで、面白いのがどうか。

それが問題点かなと思いました。


最後に

とはいうものの。

文学作品に、自分の気持ちを込めて、各々のキャラクターが行動していくというのは。

かなり面白いものがありました。

その関係性が長所にもなり、短所にもなる。

そのように思えた作品でありました。


さて。

最後まで、ご覧いただきありがとうございます。

この作品に、ご興味がありましたら、是非、手に取ってみてください。

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