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動画【パラドックス#29】臓器くじのパラドックス!

古代ギリシャ時代から現在に至る多種多彩な「パラドックス」を解説する【パラドックス】シリーズを、YouTube チャンネル「高橋昌一郎」で開始した。お楽しみいただけたら幸い!

第29回「臓器くじのパラドックス!」

ある国では、成人式を迎えた健康な若者から1名を「臓器くじ」で選び、その若者がボランティアで身体中の臓器を提供することになっている。その若者は死亡して犠牲になるが、心臓、肺、肝臓、腎臓、網膜、皮膚、アキレス腱など身体中の新鮮な臓器を多くの人々に移植することによって、何人もの人々が寿命を延ばし、また回復して幸福になることができる。

この国では「臓器くじ」に選ばれることは大変な名誉であると国民は思い込んでいる。選ばれた若者は、自分は「祖国の多くの人々を救うための栄誉の死」を賜ったと信じ、家族も彼を祝福して病院に送り出す。というのは、政府が何年もかけて広報活動を行い、国民全体を洗脳しているためである。

「最大多数の最大幸福」を主張する功利主義によれば、この「臓器くじ」は推奨されるべき社会規範であり、この国の方針は間違っていないことになる(若者を祖国のために戦争に送り出す徴兵制度を考えてみよう)。

1名が犠牲になって多くの人々が幸福になるという考え方は正しいのだろうか? その仕組みを制度化したこの国は正しいのだろうか?

高橋昌一郎(監修)『パラドックス大図鑑』ニュートンプレス、pp. 64-65.

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