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10カ月ということで

こんばんは。人類の友・雨ふらしですm(_ _)m

といってもマス向きでないという性質を自覚しているため、様々な世界からぽつりぽつりと探訪してくださるかたがいらっしゃればうれしいかなという想いで、このような秘境を管理しております。秘境ゆえ野生が残っており、時には正体不明の花が咲いていたり、いきなり間欠泉が噴き出してくるのに遭遇することでしょうが、そのようなところもおもしろがっていただければ幸いです。あ、爆弾の類はございませんので、ご安心ください🕊️それでは、10カ月を迎えた当秘境を今後ともどうぞごひいきに!

管理を続けていると、思いもよらないようなかたが訪れてくださってたり、ご覧いただく機会の増えている記事があるのに気づいたりして、お忙しい中皆様まことに恐れ入ります🙏
現状、日が経っていても読まれているのは、鑑賞感想文系が多そう。様々な作品を見ききして(独自の感受性に基づき笑)思ったことを『我がヒーローたちへ』と銘打ち一応看板メニューにしております。ただこうなると、今更ながら大丈夫なのか自分は?とか、ネタバレ度が適切なのかに一抹の不安を感じたり、お恥ずかしい限りですが、今後も訪問くださったかたの非日常の入口になるなら、まとめ甲斐もあるというもの^^

そこで、これから予定している題材を数件ご案内させてくださいませm(_ _)m

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『死者の書』(2006年 人形アニメーション) 川本喜八郎

今日は奇しくも春の彼岸中日ちゅうにち。実は、こちらの作品に深く関っている日でもあるんです。『NHK人形劇三国志』で川本先生の大ファンになった筆者は、遺作となったこの大作『死者の書』もDVDで鑑賞し、機会があればどこかで感想を記しておければ…と考えていました。

原作小説がありまして、そちらは民俗学者でもあった折口信夫の作品です。感想を書くにあたり、一応原作も読んでみるか…と手をつけ始めたところ。なんというか独特の文体で、文系で古文・漢文がきらいでなかった筆者でも読書進度が通常より鈍りそうな気がしてますが、野坂昭如よりマシかな…笑 近年、近藤ようこ氏により漫画化されたので、原作の理解を深めるために、そちらも読んでから書きます。川本先生の人形アニメーションが映像作品として美しいのは言うまでもないんで、それ以外にも何かないことには、いい大人がわざわざ書く感想としてはさすがに弱めかと思いまして^^;

結構オカルト色が濃く(幻想文学だからね)、筆者のシュミ的には、当時の風俗なども含めそこがドキドキする肝だったりも。あ、奈良時代の話です。
ちなみに、舞台のひとつとなる奈良の當麻寺たいまでらには、どんなところだろう?と数年前に一度行ってきました。ただ二上山ふたかみやま付近は踏破できずじまいなため、また行きたい気持ちも出てきてます🤭

非業の死を遂げた大津皇子おおつのみこの荒魂を、藤原南家の郎女いらつめが一途な信心によって鎮めるというのが大筋。与り知らない謀反の罪を着せられて、急に押し入ってきた者にわけもわからず引きずり出され罪人として公開斬首とか、そりゃ本人は納得いかんわ。今となっては安らかに眠っているほうが楽なんて言う人には、じゃあおたく代わってあげたら^^?という気になるというか。まあそんな彼が何によって救われたのかというのが、物語の核かと思います。

昔らくがきで大津皇子を描いたのに少し加筆修正したものを、最後に掲載。

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導入シーンのイメージ。こわいのよ…笑



『知識人99人の死に方』(2000年初版 角川文庫) 監修:荒俣宏

初めて読んだのは結構前なんですが、語弊があったら申し訳ない、当時からかなりおもしろい内容だったと満足し、ずっと蔵書にしていた本です。先日本棚の整理をしていた時に見つけ、また読んでやはり良書と確信しました。

世によく知られた作家やジャーナリストや宗教家など、各界の故人99人が如何にして亡くなったのか?にスポットが当てられ、いろんなかたの寄稿で構成されているかたち。これによって様々な生と死が浮かび上がり、翻って後世の人間がどう生きるかを“なんとな~く”考えるのに役立ちそうな内容に感じられるところがまた、いいなあと。もっとシンプルに、「えっ、この人こんな最期だったのか💥知らなかった…」と情報として読んでいくのもアリかもしれません。(文学史が好きな筆者は、その補填として読んでる部分もあった気がします。学生時に先生が教えてくれた文豪の裏の顔の答え合わせとか…笑)

人間って本当にいろんな人がいるんだな~というのが丸出しの一冊です^^; 中には、死んでからこんなこと人に知られたくなかったよ!と彼岸で怒ってらっしゃるかたもおられるのでは…笑
当秘境で題材として取り上げる際には、さすがに全人物についてというわけにもいかないため、筆者の印象に強く残った数名のかたをピックアップして記事にすることを検討しております。



『如懿伝』(2018年 海外テレビドラマ) 中国史

こちらは現在すでに、ドラマの登場人物がお召しのすてきな衣装だけお借りして、筆者創作の人物に着せた状態を絵にするという珍企画を進行中です。俳優さんごと描きたくても顔が似せられないため、苦肉の策でございます🙊今後も描くつもりでおりますので、よろしければ見てやってくださいませ。企画自体はともかく、ご覧のとおりそれなりに心して描いている…はず!←

中国は清朝が舞台の海外歴史ドラマで、当初はとんでもなく豪華なセットや衣装、調度品などに目が眩みちょっと見する感じが、いつの間にかある程度内容にまで詳しくなっていたという。紫禁城で繰り広げられる第六代皇帝・乾隆帝とその後宮を巡る愛憎劇…と何やらロマンチックな触れ込みになっているのですが、筆者に言わせれば、“家(血縁)と政治的陰謀に振り回されて亡くなっていく人たちの話”ですよ。

まあなんせ後宮はイケズのデパートいやイケズの総合商社!(やめんか笑) よくもこんな嫌がらせ、次から次へと思いつくな…😰と唖然とするほどで、その上どんどんと人が死んでいく。とどのつまりは政治的謀略なんですが、そこに個人的感情が絡んでくるからややこしい。ただ妃たちは、皇帝の愛がどうとかより、それによって自分の立場を盤石にできるか、実家は安泰か、自分の息子が皇太子ひいては次期皇帝になれるのかというので必死という。

主人公だけがまっすぐに皇帝のことを想っているものの、それも取り返しのつかないことになっていきます。これが「まっとうな感覚があれば、他人のため生きる人は、必ず幸せになれる」とかいう安直的概念をあっけなく葬るリアリティで、筆者としては、主人公・如懿にょいが思い描いていた幸福な未来はなかったとしても、彼女の生きた軌跡は確かに輝いていたと言うしかない。

興味深いのが、如懿の妹分・愉妃こと海蘭の、後宮で生きていくための身の処し方。家格がすべてといっても過言ではなかった当時、さほど高い身分の出でなかった彼女は皇帝の妃であってもそのため様々な受難がありますが、皇帝の寵愛を頼むより、信頼できる人と見定めた如懿を姐として生涯慕い、自分は野心を持たず、皇帝の子たちの中で出色であった息子にも、あくまで皇太子となる人を補佐する身に徹しなさい、と教えました。これが果たして正しい生き方なのかはわかりません。ただ、まさに伏魔殿のような後宮で、有力なバックグラウンドがあるわけでもなく、皇帝の盲目的お気に入りでもなかった愉妃は最後まで生き残ることになりました。

当然、自業自得で斃れる人物も多くいながら、そういう場合も各人に対して死に様の描写が入念なのが感じられて、きちんととどめを刺す印象は、妙に悪女の最期とはなるほど…と視聴者に思わせる凄味があります。
俳優陣(特に女優)のキャスティングには目を瞠るものがあり、この性格の妃を演じるにはこの容貌の人というのがピタッとはまっていて、説得力大。見事な人選をしたかたの才を勝手に称えたいですね👏

まあ、エンターテインメントというには重みのある作品かとも思いますが、すばらしい美術や俳優陣の演技合戦は楽しみつつも、ひとつ明らかな感想があるとすれば「自分はこんな暮らしはイヤだ…!」ということでしょうか^^; 片手を上げ頭を低くするお辞儀を真似る等の妃ごっこして遊ぶぐらいで十分だわ…笑 特にきらびやかでなくても、自由がある今の生活に感謝します。

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ここまでお付き合いくださったかた、まことにお疲れさまでございました!ぼちぼちとでも予定分を記事にしていけたらと思っておりますので、気長にお待ちいただいた上で、その節はどうぞよろしくお願い申し上げますm(_ _)m
それでは、乞うご期待…!?またお会いできれば幸いです、ごきげんよう👋

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