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「雨の中のブルドッグ」詩


小ぬか雨は
静けさの ベールのように
森の小道を 覆っていく
前を 行く人の
後ろ姿は 影絵のように
にじんで 見える

傘をたたむと
頬を 絹のスカーフの
柔らかさで 包んでくれる

電線にとまっている
雀の群れは さえずりも 忘れて
体を寄せ合う

アジサイの葉は
沢山の 水滴をのせて
雨と 長い 長い
話をしている

橋の上から 川面をみると
カルガモの ヒナたちは
親ガモに ピッタリ寄り添って
雨の歌に 耳をすます

一人 部屋で
雨を 眺めていると
引き出しに しまったままの
母の古い写真を 思い出した

着物姿で 和傘を 小粋にかざした 
娘時代の母が 恥ずかし気に 
セピア色の微笑を 浮かべている

母は 皆から 美人といわれたのに
息子のボクは どうして
こんなに ブルドッグ顔なんだろう
多分 神様の 製作ミスかな・・・
家族は ブルドックの方が 
可愛いわよ !!というし・・

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