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夏の思い出、大内宿の旅日記。~何もないけどええとこやで~

「何もないけどええとこやで」

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先日、耳男君と
風情ある茅葺き屋根と
緑豊かな景色が魅力の
「大内宿」に行ってきました。

雪をまとった「大内宿」の冬景色は
日本を代表する
絶景としても有名です。
一度は行ってみたい場所でした。

江戸時代に宿場町として栄えた「大内宿」。
400年前の当時の面影そのままに、
茅葺き屋根の民家が
街道沿いに建ち並んでいます。

国選定重要伝統的建造物にも指定され、
大切に継承されています。

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「大内宿に行こう」

「え、あ、うん!」
耳男君の思いつきで
夜の23時から出発。
実は大内宿、
今年の冬旅行
豪雪で諦めた場所でもあります。
夏の景色も楽しみ。
ざっと5時間かかる道のり。
車を車中泊スタイルに整え、
旅のスタートです。

いくつになっても遠出は
ワクワクするもの。
といっても、外は夜。
車はびゅんびゅん進みますが、
太陽が眠る時間は
彩り豊かな景色も
ぜんぶ黒色。
いつもの道も
知らない世界のように見えます。
本当はどっちの色が
本物なんだろう。

福島までの道は田んぼや山が多く、
宝石箱をひっくり返したような
都会のキラキラした夜景こそありませんが、
逆に
1つのマンションの明かりが
ギュッと密集した星屑のようで、
お家からもれるオレンジの光が
ロウソクの燈火のようで。
大切な命の炎を燃やさず、
丁寧に生きることを教えてくれます。

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コンビニに寄ると鈴虫の大合唱。
元気に秋を知らせてくれました。
ちなみに
鈴虫は口で鳴いているのではなく、
羽と羽をこすり合わせて
リンリンと鳴いているそうです。

何気ない話をしていたらあっという間に
福島の会津へ。
朝焼けまで仮眠をとることに。

目が覚めると…とっても涼しい!
今夏、一番の涼しさ!
グッと背伸びをすると
全身に新鮮な酸素が巡ります。

長袖を来て、まずは最初の目的地、
「塔のへつり」に向かいます。

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日の出の前の
目まぐるしく色を変える
朝焼けの空が
大好きな私たち。
特に
ピンク色と水色とオレンジが織りなす
夏の朝焼けのメロディが好き。

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車を走らせるほど
山と雲の距離がグッと近づき、
平地で見ている
いつもの朝焼けとは
違う景色を見せてくれます。

どんなに眺めても飽きることのない空。
空の色や雲のカタチに
感動しては
たびたび車を停め
はしゃぎます。

山に行くと時々、
おまんじゅうのように
可愛いカタチをした
笠雲を見れるから嬉しい。

ぐるっと山に囲まれ、
緑と空しか見えない。

「あ~、こんなところに住みたいなぁ」
自然豊かな景色にふれるたび
お互いの心から
憧れのため息がもれます。

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5時半、「塔のへつり」へ到着。
さすがに誰もいません。
あ、コケシはいました。
マスクをはずして散策へ。

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「塔のへつり」とは
長い年月をかけて
自然が作り出した渓谷で、
塔の形が立ち並ぶ断崖という意味から
その名がつけられました。

100万年にもわたる侵食と風化が
生み出した岩が連なり、
その特異なカタチから
国の天然記念物に指定されています。

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渓谷にかかる橋をワクワクして渡ります。

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いつか人間がここを
通ることを知っていたかのように
仕立てられた、へこみ。
なんてキレイな造形。

いろんなものが
お金を生むためにつくりだされる時代の中、
ただただ過ぎる歴史の中で
自然がありのままにつくり出したその姿に
感動します。

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最近は
石の美術館やジオパークなどに
行く機会も多く、
地層や断崖や岸壁やを見るのが
好きになりました。
刻まれ削られた層。
眺めて、さわって。
そこから読み取る過去は
想像でしかないけど、
いろんなストーリーを心に広げてくれます。

そして、
もし目があったなら、
もし心があったなら、
もし口があったなら
今私たちに
何を伝えたいだろう…。

なんて考えますが、
命がないものだから
語らず永遠なわけで。
語らないからこそ
たくさんの人に届くわけで。
命ある私の人生は
考えることも届けることもできるけど、
残らずあっという間に
過ぎていくんだろうなと
ハッと教えてくれます。

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いくつかスポットを巡り
今日の目的地、
「大内宿」の駐車場に到着。

といってもまだ朝の7時。
観光客は私たちだけのよう。

早朝あるあるですが、
早く着くと
駐車場のおじちゃんもさすがにいないので
駐車場代が浮きます。(今回は500円。)

車を降り、少し歩くと…
そこは別世界。
はじめて見る「大内宿」。

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茅葺き屋根の民家が道の両側に広がり、
歴史を変えず佇んでいました。
まるで時代劇。

澄んだ空気、心地よい風。
揺れる季節のお花。
江戸時代にタイムスリップしたかのよう。

水を撒くおばあちゃんや
箒で掃除をしているご夫婦。
水のはった花器に
お花を飾るおじいちゃんの
やさしい笑み。
茅葺き屋根で暮らす人たちが
いつもの朝を迎えていました。

人も景色も着飾らない。
田舎の雰囲気に癒され、
自然と笑みがこぼれます。

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「早いね~
ここは初めて?」
一人のおばあちゃんが
話しかけてきました。

おばあちゃんは
この茅葺き屋根に昔から
住んでるといいます。

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朝方は
涼しいのはもちろん
お店が開きだす風景も魅力的なこと、
夕方は
お店の看板に明かりが灯り
雰囲気がガラリと趣深くなること。
時間や季節によって表情が変わる
街の魅力を教えてくれました。

そして、
「お気に入りフォトスポットがあるのよ!」
と写真を撮ってくれました。
久しぶりのツーショット。
微笑むふたり。
朝風が気持ちいい。        

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お店が開くまで
街並みをぐるっと一周することに。
上から見る茅葺き屋根の景色もステキです。
箒で空を飛んでみたり
花を愛でたり。

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のんびりしてると、
お店がぽつりぽつり開きはじめました。

一軒一軒ゆっくりまわり、
お店の方と談笑。
その土地ならではの
お話を聞くのが好きです。

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猫が懐いてくれました。

お店に必ずといっていいほどあるのが、
赤べこの人形と
栃の実まんじゅう。

「栃の実」の名がついたお土産は
よく目にするけど
栃の実を実際見たことがないと話すと、
「栗より丸っこくて渋いんだよ~」と
実を持ってきてくれました。

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本当、栗みたい。

なんでも
昔の人はお米が貴重だったので、
ご飯を炊く時に
かさ増しとして
栃の実や栗やさつま芋を一緒にいれて
炊いていたそう。
「今では逆に栗ご飯とか芋ご飯とか
実が入ったご飯のほうが
豪華なイメージになったけどね」
と笑うおばあちゃん。

「お砂糖も貴重だったから
おはぎとかおまんじゅうとか
甘いほどありがたかったのよ~」
といろいろお話してくれました。

最後は陽気に赤べこの歌を
歌って踊ってくれました。

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朝食は謎の
一本ネギ蕎麦をシェア。
ネギを箸にしながら
ネギを食べながら
蕎麦を食べる。せわしいです。

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さすがに耳男君のかじりついた葱は
シェアできませんでした。
食後の塩シュークリームが
冷たくて美味しかったです。

いたるところに小さく咲く花や
飾りがとても可愛くて、
街全体のゆとりみたいなものを
感じました。

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小さな小花が映えるのも
それだけ周りに色の雑音が少なく、
緑が広いから。

空間や余白は大事ですね。

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耳男君はご機嫌になると、
両手をヒラヒラさせながら
歩くクセがあります。

大内宿では終始
ヒラヒラ体を弾ませていて、
「楽しんでる
楽しんでる」
とその後ろ姿を見ては
嬉しい気持ちになりました。

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ありがと、大内宿。


次に向かったのは、「さざえ堂」。

グーグル先生の写真を見ながら
「なんか造りが変わってるから行ってみよう」
と向かいました。

途中で足湯に浸かりましたが、
いれたての温泉水が熱すぎて
足の裏の表面しかつかれませんでした。

「熱い熱い、ウケるほど熱い!
なんやねん!(九州出身)」

こんなに熱い足湯もはじめてで
笑っちゃいました。

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でも、
やっぱり温泉のパワーてすごい。
足の裏だけつかっただけなのに
足全体が楽になりました。

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そんなこんなで
「さざえ堂」に到着。

近くの無料の駐車場にとめます。
「いらっしゃ〜い!
ここはお店の駐車場を
無料で提供してるんだ」
と愉快そうな駐車場のおじさん。

…と思ったら、
ここは絶対店内で
何か買いなさい系の駐車場で、
全く納得のいかない説得材料を武器に
説明を捲し上げられました。
なんと無理矢理で下手な営業方法…。
(普通は看板に書いてあるか、
停める前に説明されるもの。)

すでに車を降りている私たち。
若干、詐欺にあった気分になりました。

しかも、
そのお店の雑な商売をあらわすように
店内も雑。
買ってもいいかなと思える
魅力的な商品もありません。
しかし駐車券に
「買った証のスタンプ」を
押してもらわないといけない…。

「帰りにアイスでも買うか…」
と理不尽な出来事に
若干テンションが落ちました。

だけど、このお店の
「自分たちのことしか考えていない」姿勢から、
どんな時も
「相手のことを考える」姿勢の大切さを
学ぶことができました。

一期一会なら
「騙して利益をとればいい」
という考えになるか、
一期一会だからこそお客様の心情を考え
「お店での買い物が
楽しい旅の想い出のひとつになるように」
と考えられるか、
そこには「人」がでるもの。

利益は大事ですが、
商品で勝負できないからと
納得もなしに
駐車場代の代わりとして
お店のものを
買わせる方法はよくないなものです。

だけど、
「こんな人たちにならないようにしよう」
と胸に留めることができ、
結果プラスの経験になりました。

店内をでると
いつのまにか陽が強くなっていて、
気温が急上昇!

長い階段を日傘をさしながら、
耳男君に背中を押してもらいながら
登ります。

その優しさが嬉しくて、
さっきの出来事も忘れて
楽しい気分が戻ってきました。

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待っていたのは
国の重要文化財にも指定されている
「さざえ堂」。

今までいろんなお堂を見てきましたが、
螺旋階段のようなつくりは初めて!

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単純にかっこいい。
昔の趣を残したままの造形もステキ。
古いけど、美しい。

中に入ると、ひたすらぐるぐると螺旋状。
たくさんのお札が貼ってあります。

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しかも不思議なことに、
下ってくる人と会わない。
一番上まで行き、
下りはじめると今度は
上がってくる人と会わない。
出口は…
やはり入口とは違う場所に出ました。

「どうなっているんだろう?」

あらためてお堂の造りや、
建てられた意味が知りたくなりました。

しかし、看板の説明を見ても良く分からず、
受付の人に教えてもらうことに。

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「さざえ堂」は
約220年前のに建立された
二重螺旋構造の木造建築物としては
世界に唯一のものだそうです。

その独特な2重螺旋のスロープに沿って
西国三十三観音像が安置され、
参拝者はこのお堂をお参りすることで
三十三観音参りが一気にできるという!

つまり普通はあらゆる場所に
点在する三十三観音札所が
コンパクトに一ケ所に集約した、
とっても合理的なお堂なのです。

また、たくさんの参拝者が
安全にお参りができるに
上りと下りが
全く別の通路になる
一方通行の構造にしたという。
だから、上る人と下る人が
すれ違うことがなかったのです。
これは世界にも珍しい建築様式で
ここだけでしか見れないんだそう。

なんと。
すごいぞ、さざえ堂!
サザエさん。

螺旋の意味にはそんな理由があったのか。
何日もかかる33お遍路の旅が
この建物だけで、
この何分間かで、
できるのか!
すごいじゃないか!

上る前より興味が断然沸く、
私と耳男君。

「もう一度入っていいですか?」

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本日、2回目のさざえ堂。

意味を知っていると知らないとでは
見る景色も視点も感想も
全く変わるものです。

観音像自体は、
明治時代に取り外されたとのことですが、
よく見ると
その名残がちゃんと残されています。

一回目登ってる時には
その存在にさえ気づきませんでした。

「1、2、3…」

観音像が33体あるかどうか
数えながら登ります。
よく見ると
賽銭入れが一個一個についている!

周りをしっかり見ながら歩くと、
下るほうへ行ける
狭い通路みたいなのもあります。
(一回目は一体、何を見ていたのだろう…)

シンプルだけど、
いろいろと
すごく考えられた設計だということに
気づきました。

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「31、32、33!
あれ?
34?、35!」

なぜだか観音像が2体多かったけど、
楽しい歴史見学でした。

シンプルだけど考えられている、
逆を言えば
「考えてるけどシンプル」。
大事なことだなと思いました。

上りと下りの人が会わない設計は、
コロナ時代にもやさしい造りです。

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その後は鶴ヶ城へ。
城内に駐車場がある、
とっても広い敷地のお城。
お城というより、
静かで緑が美しい公園のよう。
人も少ないのでのんびり過ごせました。

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ちょうど刀の展示物が飾られていて、
さまざまな長さやカタチの
刀を見ることができました。

今では信じられないけど、
確かにこの刀でこの場所で
人々が闘っていた過去があったんだな。

そう思うと、
今当たり前に使っているものも
皆が正しいと思っていることも
100年後にはなくなって、
想像もできないものを
皆が当たり前に使って生活をし、
今否定されていることが
受け入れられたり、
新しい生き方が生まれたり
しているんだろうなと思いました。

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そして、
今を生きてる私の人生も
あっという間なんだな~、
この年表の一部になっていくんだな~、
とまた少し
胸がきゅっとなりました。

本当、
生きてる今を大事に。

苦しく難しくしなくていいよ。
楽しく心地よいことを選べばいいよ。
勝手に不安になって
我慢なんてしなくていいよ。
好きなことをしたらいいよ。
食べたいものを食べたらいいよ。

どんな人生も終わりがくるから。
同じ時間を生きるなら
幸せになれる生き方を選ぼう。

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広いお城を巡ったら
お腹がペコペコ。

食べたかったのはご当地、
ソースカツ丼!
しかし、
とっくに過ぎてるランチタイム。
営業してそうなお店にいくも
店休日というサプライズ。

グーグル先生!
どこか営業中の美味しいお店を
教えてください。

「あ、ここ開いてそう!評価も高い」

ランチタイム終了間際に
めちゃくちゃ地元感満載の
お店に飛び込む。

もちろん、
ソースカツ丼、
喜多方ラーメンを
オーダー。

しかし、
ソースカツ丼は食べてはみたかったけど、
味濃すぎなかな?ぎとぎとしてないかな?
と少し不安もありました。

でもお腹はペッコペコ。
ドキドキしながら待ちます。

するとやってきました、
ソースカツ丼!

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めちゃくちゃも美味しそう…!

ザクザクな衣でごまかすことなく、
切り口から見えるのは、
もちっと引き締まった豚肉。
キレイなビジュアルです。

早速、パク。

「え、めちゃくちゃ美味しい!」

想像以上にヘルシーで食べやすい。
分厚いのに
やわらかく、
味付けも絶妙で
カツ丼の概念が覆りました。

隣で喜多方ラーメンを
食べてる耳男君も
「うまっ!」を連発しています。
(ちなみに耳男君は本当に美味しい時にしか
「美味い」と言いません。)

え?そんなに?
ラーメンまで美味しいの?

「耳男くん、ラーメンついで~。
食べたい~」

当たり前のように小皿に
ついでくれる耳男くん。
ありがとう。

朝から元気に動いたのもあり、
今日は食べるのが怖くありません。

「ね、耳男君、カツ丼も食べてよ。
とんでもなく美味しいから」

「おう」

ひと口パクッとカツを食べる耳男君。

「うまっ。カツ丼うまっ」

ラーメンをすする私。

「うまっ。ラーメンもうまっ」

麺がもちもちで
スープはあっさりだけど
栄養がギュッと詰まった味で
とにかく美味しい。

もうそれからはふたりで
「うまっ」の合唱。
それ以外口に出していない気がします。

お店の名前も覚えていませんが、
今まで食べたカツ丼でナンバーワンでした。
美味しい時間を
ありがとうございます。

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それにしてもこの周辺は、
桃も林檎も安い。
どこかの道の駅では
かぼちゃが100円。
思わず2個買い、今週はポタージュ祭りです。

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そう。
旅の楽しみのひとつが
ご当地の道の駅や直売所での
お買い物。
湖や川がキレイな場所で買う
野菜が大好きです。
採れたての産地の野菜や果物は
美味しい。
みずみずしいし、長持ちします。
今回も新鮮な野菜を買えて満足。

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「よし、場所を変えて
向日葵見に行こう!」
次に、
那須の向日葵畑に行くことに。

実は今年、向日葵運がなく
3回くらい向日葵畑に行ったのに
咲き誇った姿を
目にできずにいたのです。

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もう夏も終わり。

「最後にパン子に
向日葵を見せてあげたい」
と耳男君が調べてくれたのが
言わずもがな伝わって、
嬉しくなりました。

「見ごろは過ぎてるけど、
めちゃくちゃ広そうだよ。
インスタ見たら
まだ咲いてるみたい」
と耳男くん。

まだ向日葵咲いてる場所があったのね!

那須塩原まで車を走らせます。

山を越えていると、
グッと温度が下がり始めました。
窓を開けると、
とっても涼しい!
これこそ天然クーラー。

窓を全開にして
今年一番の
涼しさを顔中に感じます。
山を登れば登るほど
風が気持ちよく、
最高の避暑ドライブ!

最近お気に入りの
映画「竜とそばかすの姫」の
歌にもなっている
millennium paradeのUを
リピート。

それにしても日帰りで
こんな遠い場所まで。
穏やかなままで。
長時間運転してくれてる
耳男君には、
本当に感謝です。

あなたの笑顔が私の幸せ。

向日葵咲いてるかな〜
空気と心が入れ替わった頃、
目的地ね
向日葵畑に到着!

…。

あれ?

向日葵畑はどこ?

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…!!!

ある!あるけど
もう、
役目を終えている!

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トレードの太陽マークがしぼみ、
みんな背中がうなだれていました。

インスタの写真はどうやら過去picだったよう。

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あらら。

でも、風がとっても気持ちいい。
これはこれで面白い景色。

向日葵の最期を見届けよう。

広大な向日葵畑を手を繋いで
のんびり歩きます。

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黄色は少ないけど、
吹き抜けた
空はとてもキレイ。

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たまに黄色い花びらが
残っている向日葵もあります。

満開の向日葵はもちろんステキですが、
今日みたいに
数が少ない時は
一輪一輪を
じっくり愛でることができるので
それはそれで楽しいものです。

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そして
思っていた景色がなかったとしても
「それもステキだね」と
ご機嫌なままでいられる
今の関係性に
感謝だなと思いました。

昔なら不満を漏らしていたかも
しれません。
いつの間にか、
喧嘩しながらも
ぶつかり合いながらも
そっぽ向きながらも
向き合いながら、
少しずつ
この風のように
ふたりらしい心地よい関係が
築けているんだなと思いました。

この景色のように
見通しよく、
風通しのいい関係でいれたらいいな。

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深々お辞儀をしている向日葵の中を、
両手をヒラヒラさせ
踊りながら歩く耳男君。
そして少し切なそうな耳男君。
本当は
咲いててほしかったのかな。

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そんな耳男くんに
「こんな僕たちでも
見てくれてありがとう。
楽しんでくれてありがとう。
僕たちはもう咲かないけど、
次の世代が頑張るよ。
また来年会いに来てね。」
と向日葵が言っているようでした。

来年は満開の向日葵が見れるといいね。
そして、来年こそ
空に咲く花、花火が見れるといいね。

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向日葵に別れを告げ、
車に乗り込みます。

相変わらず気持ちいい風。
あ〜、もうすぐ秋がはじまるんだなぁ。

空を眺めていると
だんだん陽が暮れてきました。
夕焼けの色も大好きですが、
少し寂しい気持ちにもなります。

本当、楽しい時間は
あっという間。

「楽しかったね!」
が何度も口から漏れます。

道中の面白かったこともハプニングも
最後に「楽しかったね」と笑いあえたら、
旅はALLOK!

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美しい夕焼け空と
私を笑顔にしてくれた耳男くんに、
ありがとう。

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今年の夏は
耳男君のお仕事が忙しく
お盆休みもなくて、
キャンプもなかなかできず
花火やお祭りも今年もなかったけど、
山、川、滝、花、空。

自然がくれた
自然と共に過ごした楽しい
「夏の思い出」が心に咲きます。
感謝が心を彩ります。

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それも耳男くんのおかげ。

お休みの日は毎回
早朝から自然のある場所へ
連れていってくれた耳男くん。
今年は空調気を準備してくれて
山登りが快適になりました。

耳男くんとなら、
どんな日も晴れになります。

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そして。
自然はいつも新しい発見をくれる。

生きる意味なんて
考えたこともないだろう生き物たちの
ちょっとしたしぐさに癒され、
何色に咲くかなんて知らない花たちの
彩りに元気をもらい、
暑さの中に駆け抜ける
涼しい風に助けられ、
目的もなくそこにいる大木のかけらに
休憩させてもらった。
鳥たちと一緒に歌った。
いろんな生き物や自然の名前を知った。

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一見、
何もなさそうな場所。
だけど、
一歩踏み入れると
ある。
たくさんの出逢いと発見。

耳男君と旅をする度に
「ないからこそ、ある。」
を実感します。

耳男君は今年の夏、
どんなことを想ったんだろう。
「楽しい」が
いっぱいあるといいなぁ。

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「何もないけどええところやで」

大内宿でおばあちゃんが
言ったシンプルな言葉。
この夏を締めくくる、美しい言葉。

ありがとう、夏。

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泣き虫 パン子

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夏の思い出

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