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メッセージを受け取れなかった『コインロッカーベイビーズ』

村上龍さん著『コインロッカーベイビーズ』を読了しました。通勤電車だけで読んでいたこともあって、2か月くらいかかってしまいました。

記事タイトルの通り、僕は何も受け取ることができませんでした。とにかく理解に苦しむ世界が広がっていました。ギリギリ受け入れられたのはアネモネの行動だけかもしれない。

半分過ぎたあたりからは、結末を知るためだけに読みました。結末を知り、巻末の解説を読み、noteで感想を検索しようと思っていました。


僕は新装版を買ったので、解説が金原ひとみさんでした。『蛇とピアス』の作家さんです。

体の隅々まで清々しかった。

金原ひとみさんの解説より

僕は金原ひとみさんの作品やエッセイを読んだことがありません。ですが『蛇とピアス』のだいたいの世界観と落合陽一さんとの対談をヒントに、僕の中でなんとなくコインロッカーベイビーズの世界観を分類分けできた気がしました。


noteでは下記の記事が参考になりました。

1980年あたり、コインロッカーベイビー事件があったようです。僕が生まれれる前の出来事です。

産んだ子をコインロッカーに捨てる事件が相次いだようで、その後にこの作品が書かれたみたいなんです。芥川賞は時代を切り取る作品を好む傾向がありますよね。

168回(2022年)受賞作の『荒地の家族』は東日本大地震の被災者が主人公の作品でした。10年近く経ったからこそ、思い出したくないトラウマを掘り起こしたにも関わらず受け入れられたのかもしれません。


コインロッカーに捨てられたが奇跡的に助かった子供2人が本作の主人公です。タイトルの通りコインロッカーベイビーズなのです。彼らは孤児院で育ち、自分の人生になんとか意味を見出し、里親に出され、生きる意味を探します。

両親の顔も知らずに育つということを表現しているのか、とにかく主人公の2人の思想が素直に歪んでいます。常識がなく情緒不安定ながらも、変な集中力があるのか驚くべき才能を発揮していきます。

そしてはじめにも書いたとおり、僕には結末がなんだったのかわからないままでした。いや、この作品はそれでいいのかもしれません。


僕は村上龍さんの思考に拒否反応を示してしまうようです。理解できない登場人物の思考回路、頭の中が「?」だらけになる風景描写。

キクやハシのような境遇ならば、筋の通った妥当な思考回路なのかもしれません。ですが、僕のような、平和な世界の凡人として育ち、小説という転写された世界にあまり触れてこなかった人には理解できない世界が広がっていました。

本書の前に『限りなく透明に近いブルー』もトライしています。こっちは50ページほど読んで苦しくなりました。50m潜水競技に挑戦して、我慢できずに5mくらいで「プハッ!」と顔を上げてしまったような気がしてきました。


僕には村上龍さんが「まだ早い」のだと思います。もっと小説を読み、なんなら書いていく必要がありそうです。

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