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陰あらばこそー「煌びやかな遊郭文化」に思うこと
2024年3月26日から開催予定の大吉原展(https://daiyoshiwara2024.jp)が開催前から炎上している。 遊郭という、人権を奪われた女性たちが望まざる買春を強いられてい…
NOを言わせてもらえない女たち
言葉を奪うことはアイデンティティを奪うこと。
大学の講義でナショナリズムが台頭してくる時代の中国史を取り、レポートを書きながらそのことに気付いた。
小学校の教科書に載っていた「最後の授業」という物語を覚えているだろうか。
小学生の頃には、物語の背景があまり理解できず、主人公の住む地域でフランス語の授業がなくなり、怖い先生が単なる怖いだけの先生ではなかったというだけの物語としか捉えていなかっ
陰あらばこそー「煌びやかな遊郭文化」に思うこと
2024年3月26日から開催予定の大吉原展(https://daiyoshiwara2024.jp)が開催前から炎上している。
遊郭という、人権を奪われた女性たちが望まざる買春を強いられていた場を「文化の発祥地」と美化し、買春や人身売買、人権侵害には一切触れずに、ポップカルチャーのアート展示のようなビジュアルの公式サイトで、吉原がテーマパークででもあったかのようなイメージを喧伝していることに批
竹取物語のミソジニーとホモソーシャル
2023年10月に出した拙著「マキエイズム」の中には、古今東西の名文と私の作品を組み合わせたページがある。
引用元として選んだものの中に竹取物語があるが、子供の頃から馴染みの深いかぐや姫の物語の中のミソジニーに気づいたのは、高畑勲監督の「かぐや姫の物語」を見てからだ。
あの映画の中では男性は悉く醜悪に描写され、帝の姿も違和感のある容貌となっている。高畑監督のインタビューの中にも、あえてそうい
昭和旅寝の枕4ー似非トロピカルの時代
今の40代、もしかすると50代前半の人でもピンとこないだろうと思うが、私が子供の頃、1ドルは360円の固定相場制だった。
1973年に変動相場制に移行してからもしばらくの間、庶民の海外旅行ははるか遠い夢物語であったが、高度経済成長期真っ只中の庶民の暮らしは、豊かなものとなり、物を買い、レジャーに散財する楽しみを享受する人が増え、観光は大衆化していった。