とらちゃんの玉手箱。
箱を開けてみると、
ポンっと
なにかが
飛び出してくる。

ちょこっと不思議な思い出。
ちょこっと不思議な感覚。

玉手箱だから
いろんなものが
飛び出します。

今回はとらちゃんの妊娠にまつわる
ちょこっと不思議な話を書きます。

青森下北半島にも、やっと夏らしい日がやってきました♪

「ほら！ダブルレインボーだよ」
雨上りの夕刻５歳の息子が、窓の外を指して教えてくれました。
「もう、そんな季節なんだ」

ダブルレインボーの上側の淡い虹を眺めていると、
ふと「あの子」のことを思い出しました。

2016年の夏、ほんの２週間だけ、
私のお腹の中にいてくれた「あの子」のことです。

７月の下旬に妊娠反応は出たものの、
「着床しているかわからない…」と、
産婦人科の先生が、やや言いにくそうに話してくれました。

ちょこちょこと出血を繰り返していたものの、
私は妊娠の継続を信じ、
お腹に芽生えた新しい命に毎日話しかけていました。

「大丈夫だよ、元気に育ってね」

８月に入り、体調は依然不安定な中、
夫が気晴らしにむつ市大湊で開催される
花火大会を見に行かないか？と誘ってくれました。

夕飯のカレーをお弁当箱に詰めて、
午後７時というのに、まだ陽が落ち切っていない
夏の空を眺めていました。

お弁当のカレーを食べ始めようとした、その瞬間、
ドドドン　パン
キラキラキラ
パチパチパチ

最初の花火が打ちあがりました。

ゴールド、シルバー、虹色…
この世の色がすべて入っているのではないか？
と思うほど、それは清々しく美しいものでした。

すると、
どういうわけか…
経験したことのないほどの

大きな幸福感に

包まれました。

ワンネス

そんな言葉がぴったりくるのかな？
自分も世界も宇宙もまるごと一緒もう何もこわくない。

こんな深く大きな幸せがあることを知ったのだから

…というぐらいなぜか幸せな気持ちになり、
その後、嬉しくて、幸せで
涙があふれてきました。

時間にすると、ほんの１～２分の出来事。
そして、その翌日から出血の量が増え、
「化学流産」という診断名となり、
この妊娠は終わりました。

その半年後に妊娠がわかり、
２０１７年の秋、息子は元気に生まれてくれました。

それから４年後の２０２１年の初夏から元々、
関心のあった「胎内記憶」についての学びを深め、
その学びの中で「あっ」という考え方に出逢いました。

たとえ数日間だけでも
お母さんのお腹の中にやってきたのなら、
それは立派な命。

その命は
やりたいこと
見たいこと
感じたいこと
それぞれあり、
それが達成されると、お空に還る。

「あ～楽しかった！」と想い、お空に還る。

医学的には「流産」「死産」として
診断される現象で、
お母さんにとってはとても悲しいこと。

わたしにとっても、流産は悲しいことでした。
でも…と、想像してみます。

もしかして？
２０１６年の夏、２週間だけわたしのお腹に来てくれた
「あの子」にも、
なにかやりたいこと、見たいこと、感じたいことあったのかな？

もしかして？
あの大湊の空に咲いた大輪の花火をあの子も見ていたのかな？
その花火を見て、
あの子は嬉しくなって、
その嬉しさがママであるわたしに伝わり、
経験したことのない幸福感に包まれたのかな？

そう想像してみると、
どこからか声が聴こえました。

「そうだよ、ボク、
花火を見たから、お空に還ったよ」

あの子とお別れをしてからちょうど５年目の２０２１年の夏、
私は理解しました。

理解したから、あの子がこたえてくれた。

「花火を見たから、お空に還ったよ」

あの子は、
この世界で夜空に浮かぶ花火を見るために、
わたしのもとに来てくれたのかも。

地球時間では、
たった２週間の滞在だったけど、
あの子の「花火を見る」というミッションは
無事達成され、
宇宙１００億光年の無限世界に
還っていたのかもしれない。

わたしが大事だなって思うことは
これが真実かどうかではなく、
科学的に証明できるかでもなく
目には見えない世界からの
語りかけを
どう受け止めるか。

あの子がお空に還って
ちょうど７年目の２０２３年の初夏、
今度は、息子が教えてくれたダブルレインボーを眺めていたら、
この不思議な体験を誰かに知ってほしいと思い、
こうやって書いている。

これを書いているわたしを
「あの子」が
宇宙１００億光年の何処かから
見ているような気もします。

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