[栗井茶] ＋チック姉さん

模型部なのに模型をほとんど作らない姉さんたちの青春チックコメディー。放課後だからってすぐに帰るのはもったいない。青春なんてあっという間に過ぎていくんだ。だから私は、帰宅部をビンタしています──。

最新巻は第13巻。巷によくあるメチャクチャなギャグマンガ、とんでも展開を描いておけば面白いんだろ的な煤けたマンガかと思っていたのだが、読み込んでみると、いやいや、変な表現になるが、これはちゃんとした立派な不条理ギャグだった。ある意味、所々、赤塚不二夫の「天才バカボン」的な側面を垣間見るかもしれない（いや、言い過ぎかもしれない……）。実は先に読んだのは、「＋チック姉さん」のいくつかの話を再構成したマンガ「メメメメメメメメメメンヘラぁ…」だった。これを読んだら面白すぎて、栗井茶の世界観とその面白さにドハマリした。

勿論、ギャグとして最高に面白いのだが、この学園生活での自由さ、部活というコミュニティの絶妙な密度、そういったものを体験しなかった私にとっては、現実離れした話でありながらも、この作品の隅々までもが眩しくなってきた。こんな奔放な日常を過ごせる、この限られた時期・時間、学生を卒業した今、社会人になってしまったらもう取り返しがつかないんだから。そして「女子」であるという「女子高生」であるという勢いが、本当に計り知れない大きな良さだ。

（CUTBOSS）

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