増古孝也

東京在住  日々試行錯誤しつつ、主に都内の住宅街にて写真を撮っています。 http…

増古孝也

東京在住  日々試行錯誤しつつ、主に都内の住宅街にて写真を撮っています。 https://www.instagram.com/takaya_mashiko/

最近の記事

昭和モダンな街角を記録する

 ここ東京には、令和に突入したいま現在において、未だ昭和の香りを残す場所、建物が多く点在しています。  これら個々の場所や建物は、最早あまりに当たり前過ぎて、近隣住人等々のその対象物に近しい人物である程に意識が向くことのない存在であるのかも知れません。  先に未だ数多く現存していると述べはしたものの、時の経過に比例する形でその数が徐々に減少しつつあることもまた事実です。  一度姿が消えてしまえばもうその造形を目にする機会は、二度と訪れることはありません。そして、それら旧い

昭和モダンな街角を記録する

    昭和モダンな街角 #002 東京世田谷区・明大前駅近辺の高架脇

    昭和モダンな街角 #002 東京世田谷区・明大前駅近辺の高架脇

    勾配日記 024 勾配沿いに建つ家々

     勾配沿いに建つ家々はしっかり垂直を保てるよう、土台部分は当然の如くに水平に作られている。  よってそんな勾配沿いの家々を側面から眺め見ると、斜面と土台が水平であるが故の差違の部分が露見してたりする。  この写真で言えば、向かって左手側のブラウン色の家の塀の下部に、くさび状に確認することができる。  そんな家の土台と斜面の差違の部分を見て回ることも、勾配散策の楽しみ方のひとつだったりする。  センスの良い住人の家だったりすると、この露見しているスペースに植木鉢を配置し

    勾配日記 024 勾配沿いに建つ家々

    勾配日記 023 山あり谷あり

     人生は山あり谷ありと言うが、それは街中を散策中にも言えることだ。  写真はひとつ勾配を越えた先に、すぐまた別の上り勾配が姿を現した十字路だ。  真の意味での、山あり谷ありだ。  こういうシチュエーションに遭遇すると、いくら勾配に人並み以上に好意を寄せていると云えども、少しゲンナリとさせられる。  勾配を見つけたならば出来うる限りそのてっぺんへと上りたくなってしまう性分なので、散策の後半辺りになると、かなり足腰にダメージが蓄積され疲労困ぱいとなるのである。  だいた

    勾配日記 023 山あり谷あり

    勾配日記 022 たぶんいちばん好きな町

     目黒駅近辺の景観が好きだ。  ここ数十年で、駅ビルの中身が少しずつ変化したり、高層マンションが出来たりはしている。が、未だに駅周辺の景観に昭和の香りを色濃く放っている建物だったり通りだったりが残されている。  特に西口側が良い。それも権之助坂に接続する細かい坂のそれぞれが良い雰囲気を醸し出している。  写真の坂は中でも特にお気に入りだ。坂の斜度とカーブの具合、それと周囲の草臥れた雑居ビル群。そしてそれらの合間から垣間見られる、少し離れた先のまた別の雑居ビル。  これ

    勾配日記 022 たぶんいちばん好きな町

    勾配日記 021 夜中の勾配

     コロナ禍の中、運動不足になりがちだったので、去年の暮れ辺りから週に1、2度、夜中に3時間弱程の散歩をするようにしている。  その際に折角なのだからデジタル一眼レフカメラと安価で軽量な三脚を携行するようにして、琴線にくる光景にであったら写真に収めるようになった。  元々、写真撮影が趣味で、気に入った写真はRAWファイルからの現像を施しプリントアウトして部屋に飾るようにしていた。夜中の散歩を始めるようになってからは、更にこの趣味に没入するようになった気がする。  ところで

    勾配日記 021 夜中の勾配

    勾配日記 020 15パーセント

     急な勾配の始まりの地点で、黄色い標識に目を留めたことのある人はかなり多いことだろう。  簡素な勾配の絵とパーセンテージが記されているその標識は、もちろんその勾配の斜度を表したものた。  例えばこの写真の勾配の場合、斜度は標識を見ると15%だということが解る。  斜度が15%……。  度数をパーセンテージで表されても、今ひとつピンとこない人もいるかも知れない。  パーセンテージの度数への変換は、多少雑で強引な手段を使えば簡単だ。  まずこのパーセンテージというもの

    勾配日記 020 15パーセント

    勾配日記 019 勾配+ペイント

     東急東横線の中目黒駅から線路沿いに代官山駅へと向かって行くと、写真の場所が存在する。  この勾配を上り切ると、同じように勾配となっている駒沢通りに合流する恰好となる(写真奥の白い柵の向こう側が駒沢通りだ)。  いつの頃からかその駒沢通りの勾配とこの目の前の勾配との斜度差が生じたが故の段差の側壁に、ポップな絵が描かれるようになっていた。  手前側の白い車庫とセットとなっている為もあるのだろう。不思議と景観にマッチして見える。と言うよりここ中目黒と代官山のちょうど中間地点

    勾配日記 019 勾配+ペイント

    勾配日記 018 勾配+トンネル

     品川区内にある仙台坂トンネルだ。  場所は京急の高架下辺り、鮫洲駅近辺となる。目の前のトンネルを潜る若しくはこのトンネル脇の歩道上がると、大井町駅方面である。  少し早起きして、日の出近くにこのトンネル脇の歩道を数十メートル程上がり(ちょうど写真内で日が差している辺りで)、後方を振り返って見る際の眺望が地味ながらもなかなかに良い。  左右に行き交う国道1号の車や高架の上の赤い車両の電車越しに、鮫洲駅近辺の街並みと、品川シーサイド近辺のビル群が朝日に照らされキラキラと輝

    勾配日記 018 勾配+トンネル

    勾配日記 017 陰と陽

     勾配の上に建つ巨大な建物に光が差し輝きを放っている反面、その足元の勾配及びそれに沿って並ぶ家々は陰の中に沈んでいる。  写真のなかのこの巨大な壁のような建物は中に病院を擁している。  陰った緩やかな勾配の途中からこの写真を撮っている最中、そんな自分の横を電動式自転車で颯爽と勾配を駆け上がり、件の巨大な建物入り口脇に自転車を停めて、そそくさとその中へと消えて行った中年の女性がいた。  その恰好から判断して、彼女はこの建物内の病院で働く看護師だったのだろう。  おそらく

    勾配日記 017 陰と陽

    勾配日記 016 上と下

     以下の写真は都内某所の住宅街で撮影したものだ。  切り立った断崖の側壁を背に家々が並び、そんな背後の断崖の上には結構な規模のマンションが建っている。  なかなか面白味のある場所だなと思うと同時に、関係者の方々にとって些か失礼な印象かもだが、上方のマンションが城、下方の住宅群がその城の麓に栄える城下町、というような誠勝手なイメージをつい抱いてしまう。  実際のところは都内で戸建て住宅を持つことの方が、マンションがたとえ分譲であったとしても、 よりお金が掛かることだろうに

    勾配日記 016 上と下

    勾配日記 015 渓谷状

     眺めるという観点において、勾配の周囲の景観というものは、その勾配の角度が急になるのに比例して面白味が増す部分が多様にあると感じている。  緩やかに長く続く見渡しのよい勾配及びその景観にも、そちらはそちらですっきりとした魅力があるのだが、ここ東京という都市のある種の混沌さをより際立たせる場は、鋭角でうねりのあるような勾配の方により多く含まれている気がして、ついそんな坂道を求めがちになってしまう。  写真は品川区内の住宅群を、細く急な勾配の途中から見下ろしている図だ。  

    勾配日記 015 渓谷状

    勾配日記 014 東京から富士山を眺める

     よく晴れた日に、見晴らしの良い勾配の頂上に立ったりすると、稀に遥か先の方に富士山の姿を拝めることがある。  別に高いビルの高層階からでも、よく利用している下りの京王線の車内からでも富士山を見ることの出来る場はあったりするのだが、ストリートレベルから富士山の姿を確認するという行為は、じぶんにとってはかなり気分が高揚するシチュエーションとなる。  写真の場所は目黒区内環状7号線近辺の勾配からの眺めとなる。この辺りでは大気の塩梅で結構くっきりはっきりと富士山が姿を現すことが多

    勾配日記 014 東京から富士山を眺める