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クレーム・シブーストって、なんだ?[クリーム編vol.5]

パキッ、ふわわっ、じゅわジュワジュワ、
ミチチチチ。
あまあま。あ、いなくなった。

シブースト、というお菓子らしい。
これを考えてくれた人、ありがとう。

あなたのおかげで、
幸せは今、確かにここにあります。

おはようございます!真白けいです!
お菓子の面白さ・奥深さを広めるために、見習いパティシエとして皆さんと一緒に学んでいきます。
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今回のテーマは、クレーム・シブースト です!
ちょっと強そう。ポケモンカードやってせいかな。ブーストだから。笑
そして今回、復習の回を兼ねています!
覚えてるかな、ボクも不安です。
早速、一緒に勉強していきましょ!!

Crème chiboustって、なんだ?

先に結論をお出ししましょう!どうぞ!

crème chiboust
(クレーム・シブースト)
||
クレーム・パティシエールに、ゼラチンと
ムラング・イタリエンヌを混ぜたもの

はい!出ました!
クレーム・パティシエールムラング・イタリエンヌ!!
なんだったかな〜という方は、こちらを見返してみてください!

思い出せ〜!ボクの頭〜!!
なんだったっけ〜!

…ボクと同じように唸ってる方もいると思うので、おとなしく抜粋します。

crème pâtissière
(クレーム・パティシエール)
||
卵黄に砂糖、小麦粉を加え牛乳と混ぜて
炊き上げたクリーム

そして、

meringue italienne
(ムラング・イタリエンヌ)
||
卵白に煮詰めたシロップを注ぎながら泡立てた
メレンゲ

そういやーそうだっかなー。そうだったかもな〜。

あれ、でも今こうして見返してみると、
クレーム・パティシエールは火を通して作るし、
ムラング・イタリエンヌは熱々のシロップを注いでるしで、どっちも割と安全に食べれそう!
あとどっちも砂糖入ってるので、このクリームは甘そう!!
って感じですね。

クレーム・シブーストとクレーム・ア・サントノレ

あ、そだそだ!今回も似てる子がいます!

crème à saint-honoré
(クレーム・ア・サントノレ)
||
クレーム・パティシエールに、ゼラチンと
ムラング・イタリエンヌを混ぜたもの

さー!間違い探しです!!
よーい、ドン!!

…一緒じゃない?一緒ですよね?!

一緒だ!!
これはあとで説明しますが、既に使われていたクリームを転用したためです。

実は!シブーストサントノレお菓子の名前で、それに使うクリームなのです。
だから、それぞれ使う場面に応じて呼び分けられるってことみたい。

サントノレでは絞るので軽くシブーストでは型に詰めるのでしっかりめ、にすることが多いので、使い分けるために少し意味を変えて使っていることもあるようです。
それが…!

[クレーム・シブースト]
クレーム・パティシエール、ムラング・イタリエンヌ、両方を冷ましてから合わせる
 
[クレーム・ア・サントノレ]
クレーム・パティシエール、ムラング・イタリエンヌ、両方を温かいうちに合わせる

どうして温度を変えるかというと、ボクもニュアンスでしか説明できませんがご了承ください…。

冷えているということは、それぞれのクリームの中の粒子の配列が整ってしまっている状態です。
そこから混ぜると、お互いに混ざりにくいので、メレンゲに含ませた空気がどんどん抜けていってしまいます。
そうすると、濃厚な重ためのクリームになるっていう感じです。
これが、クレーム・シブーストになります。

逆もまた然り!

温かいうちは粒子が割と動きやすいため、混ざりやすくって、メレンゲの空気を残しながら混ぜ終わることができます。
よって、ふわっとした軽いクリームになります。
これが、クレーム・ア・サントノレになります。

難しいなぁ。
でも、なんとなくならわかりました?
おんなじものからできるけど、使い分けたいってことです。

ふーんって思っててください。

楽しいのは、ここからです!
やっぱり由来ですね!

クレーム・シブーストの由来

今までクリーム編でやってきた子たちって、名前の由来が結局なんか曖昧でしたよね。
めっちゃいくつも説があったり。

しかーし!!この子はいい子です。
割と説は絞られています!
だって今までに比べたら最近作られたクリームだもん。
と、言っておいて実は2説あります…。

(ⅰ)時は19世紀半ば、1840年頃、冷蔵技術の未発達だったこの時代、デコレーションクリームの類はすぐに腐ってダメになってしまっていました。
そこで考えたるは菓子職人シブースト。少しでも食中毒のリスクを減らし、ある程度の時間形を保つために、熱々のシロップで多少殺菌されるムラング・イタリエンヌと火を通すクリームたるクレーム・パティシエールを使って、新たな菓子を作り出しました。
自身の名を取り、シブーストと名付けたその菓子に使うクリームの名は、当然クレーム・シブーストというわけです。

これ、すごくないですか!!
冷蔵できないってことは、お持ち帰り用のお菓子にクレーム・シャンティイとかは使えません!

かといってクレーム・パティシエールは塗ったり絞ったりするにはちょっと粘りがありすぎる…。重たいし飽きてきたけどバタークリームしかないか…。
ってみんな諦めてた時に、軽くて、ある程度常温でもだいじょーぶなクリームを考え出したってこと!!

そりゃ誇っていいですよ!!自分の名前、つけるべきだ!天才だ!!

甘いのも、食中毒を起こすリスクを減らすためだと考えると、納得です。以前やりました。砂糖が細菌に繁殖する水を渡さないからですね。防腐作用ってやつです。

そして、2つ目!

(ⅱ)シブーストの弟子、オーギュスト・ジュリアンが考案した。

ええー!!弟子のパターンもあるの?!

ただ、この弟子オーギュストは、三兄弟でして、ジュリアン兄弟といえばフランス菓子をさまざま考案したとボクも聞きかじってます。

だから弟子だからってあながちないとも言えない…。

本当のことはわからないけれど、名菓シブーストを生み出したお店の中で師弟の争いがなかったことを祈ります。

結局、クレーム・シブーストって、

「恰幅の良い兄貴分」って感じかな。
見かけはあんな甘々でみんなから好かれる感じなのに、いざという時に頼れる兄貴。必ず幸せにしてくれるって信頼を置いて安心して食べられます。

合わせるフルーツがお店や季節によって変わったりもしているので、そこも要チェックです!
みなさんも、お菓子屋さんに行ったら勇気を出してシブーストを選んでみてください!!

ということで今回は以上です!

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次回の大テーマは、「パータ・ボンブ」です!乞うご期待!

参考文献
猫井登、お菓子の由来物語、幻冬舎ルネッサンス、2011
川北末一、プロのためのわかりやすいフランス菓子、柴田書店、2018
シブースト、パティシエwiki、閲覧日2021-3-13、https://www.patissient.com/wiki/シブースト
サントノレの歴史と由来、フランスおかし、閲覧日2021-3-13、https://sweetsparis.com/mania/saint-honore-h/
サントノレ、伝統菓子・地方菓子、寺井則彦、クラブ・ドゥ・ラ・ガレット・デ・ロワ、閲覧日2021-3-13、http://www.galettedesrois.org/traditional/●サントノレ

※この記事は上記の参考文献を元に執筆しました。諸説あるものは一部のみ紹介しています。
また、新たな事実を勉強し次第、追記・編集する場合があります。

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