見出し画像

「でぶぱん」みたいな言葉をつくれる人になりたい

最近、自分の発したキツい言葉が、澱のように心の奥底に沈み込んで、中途半端に落ち着かない気持ちが続いた。自身の発した言葉がこうやって自分に返ってくるのなら、他人に向けた言葉、そしてそれを受けた相手の気持ちはどうだったのだろうか。

わたしは感情的な性分で、自分の気持ちをすぐに口にしてしまうのだが、それが”短所”であると知りつつも、そうした性質を直す気がほとんどなかった。しかし、今こうしてダメージを受けている自分を顧みて、同じようにダメージを受けた人たちもたくさん居るだろうと気づいたのだった。

それに引き替え、わたしの大事な友人たちの中には、わたしみたいにダメージを与えるような過激な話し方をする者はいない。友人たちのおかげで気持ちよくコミュニケーションができているのに、わたしは相手にダメージを与えていたかもしれないと思うと、一人ひとりに頭を下げたい気持ちでいっぱいになった。

感情的な性格は直らないかもしれない。けれど、相手に言葉を投げかけたり、文章をしたためる際は、無意識の心で言葉を紡ぎ出してしまいそうな頭に、どうにかして一寸の”考える時間”を挿し込み、この言葉の先に”相手”がいることを思い出し、言葉選びができるような人間になりたい。

---------------

先日、さまざまなパンが販売されている”パンのフェス”的な催しで買った、チリビーンズとソーセージとチーズが入った、ボリューム満点のコッペパンを食べながら、そんな反省と学びを覚えた。

このコッペパンを販売していたパン屋の名は『でぶぱん』。
そして、わたしが食べたパンの名は『でぶぱんMAX』という。
愛らしく、そして乱暴なこのパン屋名と商品名の通り、パンの味もラブリーで暴力的だった。

『でぶぱん』…開き直っているからこそ、誰も傷つかない、魔法の言葉みたいだ。恐ろしく高いであろうカロリーのことを考えそうになったとき「いや、これ”でぶぱん”だから。そういう食べ物だから。美味しいから、だいじょうぶ、だいじょうぶ!」と、謎のポジティブさを植え付けえくれる、素晴らしい語感がある。

完全に心とお腹が満たされたわたしは、”わたしも『でぶぱん』みたいな言葉を生み出せる人になろう…!”と、トンチンカンなことを考えながら、”でぶ”への階段を登ったのであった。

<でぶぱん>
https://www.debupan.com/
※北海道のお店です!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?