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自分にとって「よいお医者さん」とはどんな人?

病気になると、誰だって不安になると思います。
 
そんな時、何でも聞いてくれて相談できる医者が近くにいると、とても心強いのではないでしょうか。

先日、知り合いの受診に付き添う機会がありました。

待時間の間に、互いに「よいお医者さんとはどんな人?」との話が出たので、多少の議論をしました。
 
誰でも一番よいと思う医者は、病気を治してくれる人であることは当然ですね。
さらに、何でも言いやすくて相談ができる医者は、心から安心感が持てます。

その上で、
①薬だけに頼らない治療 
②病気のみならず予防にも力を入れる治療 
③患者さん個々の希望に合わせた治療

そのことで「本人に無駄な心配をさせない」という方針で診療する医者が、私は個人的に一番よい医者だと思っています。


医者と患者の相性が合う合わないという人もいますが、じっくり自分の目を見て、話しを聞いてくれて、説明をしてくれる医者は、ずっと頼りたくなると思います。
 
知人の受診に付き添って、久しぶりに私がよいなあと思う二人の医者に出会ったので書いていきます。
 

1 知人女性の通院に付き添って


親しい知人は間もなく70歳になる女性。
血糖コントロール中ですが、ご主人の介護と重なってストレスから体重が激減しました。
心身ともに疲弊して受診に行くにも不安で仕方がない、ということで私がここ数ヶ月通院にお付き合いをしています。

頼られて人の役に立つというのもこの歳になると嬉しいものです。

主治医は60歳代のベテラン女医さん。
許可を得て診察室に同席しました。

最初は、電子カルテの検査データをパソコン画面でしばらく見ながら評価をし、薬の効果の確認も本人から聞き取る等ここまでは一般的です。

すると、女医さんはくるりと椅子を90度回転させて、患者である知人の目をしっかり見て訴えをよく聞きうなずいている。
話を途中で切ることは無いのです。

食事内容や運動のことはもちろん、精神的に不安なことは無いか、直接的に医療と関係ない事も最後まで聞いてくれます。そして、医師としての見解を述べてくれます。
その内容は、知人の質問に対してあまりにも的確で無駄がなく、安心して受け入れられました。

女医さんは、検査データの見方と現在どのような体の状態にあるのか等の説明をした後、介護はすぐに終わらないので介護中の気の持ちようや考え方までも助言してくれました。

「そういう時は好きな食べ物を食べていいの。高齢になって控え過ぎはよくないのよ。血糖コントロール中だからといって食事を控え過ぎる人が多いけれど、今は血糖値がもう少し高くても、例えば○○という値まで考慮できるから、もっと食べてリラックスするのよ」とアドバイスをしてくれました。

「あまり無理せずもっと食べなさい」「私が見ていてあげるから安心してね」の一言を医師から頂くと、知人も不安が減り信頼感がもてたようです。

血糖という数値のコントロールより、今は何が大切なのかを患者の実情を見て一緒に考えてくれていることが、私にも深く伝わってきました。

診療時間は短時間なのに、的確で信頼が持てて満足感が高い。
このような主治医がいいなあと私は思いました。

《今回の女医さんのこと》
・検査値から読み取れる現在の状況について、説明が詳しい。
・患者自身でできる食事や運動のことを無理しない程度に教えてくれる。
・声がはっきりしていて明るく包み込むような表情で言ってくれる。

 最後まで安心感が持てました。

「ご主人の介護中に、当院の受診は遠いですね。もっと近い所をご紹介しましょうか」とも。
知人は「たとえ介護が大変でも安心できる先生は変えたくない。もうしばらく先生にお世話になりたい」と言っていました。

先生の明るい声と笑顔に元気をもらって診療が終了しました。

「今回も来てよかった」「また頑張ります」と知人が一言。


2 親類の高齢男性の診療に付き添って


「急に高熱が出た」と、親類男性(後期高齢者)から連絡がありました。
この時期、頭をよぎるのが新型コロナかインフルエンザか?
相談を受けて、早速保健所紹介の発熱外来のあるクリニックへ行ってもらいました。
幸いにもコロナでもインフルでもなかったというのでひと安心です。

クリニックの医師は、直ちに熱の原因を調べるために尿検査をしたそうです。
細菌が多く検出されているので、見立てとしては「細菌による尿路感染症」と診断されて抗菌薬が処方されました。

その後も熱は数日続き、次第に体力も消耗いてきたというのです。
相談されて、そのクリニックに私は付き添うことになりました。

主治医は検査結果とカルテを見た後、患者の目を見て、しっかりと訴えを聞き、何が不安か、どんな症状の感じか等を、うなずきながら聞いてくれました。

詳しい検査をするために直ぐに他病院を紹介するからと、規模の大きな総合病院に電話をかけ、相手先の病院の診療時間終了間際であったにもかかわらず、即日診療の紹介をしてくれました。

その間、検査値の見方、この数値から考えられる状況、今後の方針等、てきぱきと説明をしてくれました。

以降、クリニックと紹介先病院の連携治療が始まることになりました。

親類の男性曰く「何よりも不安が解消された、この医師に出会ってこれからも安心できる」と。
 


二人の医師に出会って共通するところを考えてみました

①  よく目を見てくれる
②  よく話を聞いてくれる
③  検査結果から考えられる病態を丁寧に説明してくれる
④  薬だけに頼らない方法(食事や運動や生活習慣の改善等)を丁寧にアドバイスしてくれる
⑤  必要に応じて専門とする病院に適切に紹介してくれる

 

高齢になると、一人で大病院(各種診療科と入院施設がある病院をここでは大病院と書いた)への通院は、待たされる、検査で移動が多くなる等それだけで体調が悪くなってしまいそうです。
 
できることなら近隣のクリニック(かかりつけ医のような)に受診し、何かあれば大病院への医療連携がうまくできればよいですね。

医療連携と言われて久しいですが、実際のところこのようにスムーズにいかない場合は、患者にとって不安になると思います。

患者から見て、自分とかかりつけ医の信頼、かかりつけ医と大病院の信頼、という、この流れがなされていると安心ができますね。
 
私も近い将来、何でも相談ができ状況に応じて医療連携を進めてくれるホームドクターに出会いたいな、と思ったしだいです。
 
今回も最後までありがとうございました。

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