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SDGs✖️食 雑誌連載まとめ

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持続可能な食は「昔ながらの素朴な食」に戻ることとイコールではない。 昆虫食に始まり、地域食堂、培養肉、ゲノム編集。 SDGsにかこつけて、食のオルタナティブやらエクストリームを、… もっと読む
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記事一覧

培養肉に「嫌悪感しかない」。その食テック拒絶、“モラルパニック”に似てないか?

培養肉に「嫌悪感しかない」。その食テック拒絶、“モラルパニック”に似てないか?

「あまから手帖」で、ミシュランシェフと組んで培養肉を手がける「ダイバースファーム」のことを紹介したのが、2年前。

読み返すと当時の興奮と、おっかなびっくりぶりが懐かしい。シャーレから出したてのドロっとした培養「鶏肉」に目が釘付けになったが、ほんのチョット目を離しているスキに、培養肉は巨額の投資を集める超成長産業になっていた。開発レースのトップを走るアメリカのアップサイドフード(旧メンフィスミーツ

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「食ロスを、ひもじい人へ」は、正解なようでちょっと間違い。

「食ロスを、ひもじい人へ」は、正解なようでちょっと間違い。

あまから手帖 連載「食のSDGs事典」2021年3月号より。バックナンバーはこちらから。

「フードバンク」というシステムのことを聞いたことがある人の多くは、「余っている食品を、困っている人へ」という循環だと思っているんじゃないだろうか。「バンク」という言葉が、そういう連想をひとり歩きさせてしまっているとも言える。(上のバナーは農林水産省の資料「フードバンクの現状について」。こういう論調が「ひとり

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土の香りのする海老。食材としての昆虫が気にならない料理人は、マヌケだと思う。

土の香りのする海老。食材としての昆虫が気にならない料理人は、マヌケだと思う。

あまから手帖 連載「食のSDGs事典」2021年2月号より。バックナンバーはこちらから。

ああ、目が回る。時代の流れが早すぎることに。

この記事の掲載は、2021年初頭。この時点で「食の雑誌に昆虫喰いはアリか?」と、内心おっかなびっくりだった。それが、今や小泉進次郎が口にするまでに。さすがにバッシングが起きたが、私は逆にホッとした。

元環境大臣が旗を振っての「持続可能な、未来のタンパク質だか

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高野山の流儀に添いながら進化形の精進

高野山の流儀に添いながら進化形の精進

あまから手帖 連載「GO! Vegan」2020年 12月号より
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2020年あまから手帖での連載「GO VEGAN」最終回は、日本ヴィーガンのスタンダード、精進で締めようと思った。

観心寺KU-RIさんのランチは、河内長野の国宝の寺の一部を改修し、五葷(ニンニク、ニラなどの香りの強い野菜)抜き、卵は無

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アート✖️ヴィーガン=ラーメンの出会いに、チームラボの空間がよく似合う

アート✖️ヴィーガン=ラーメンの出会いに、チームラボの空間がよく似合う

あまから手帖 連載「GO! Vegan」2020年 8月号より
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vegan ramen UZU KYOTO 。ラーメンのプロが椎茸と羅臼昆布で精進出しの極みをみせる、大変に結構なお味。
店内のチームラボなインスタレーションも見たことない級にすごいのだが、ラーメン鉢の中も、これまで食べたすべての精進だしを

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豚骨寸前のコッテリ具合。濃さに感動、山椒にむせぶ、世界に名を馳せる豆乳ラーメン

豚骨寸前のコッテリ具合。濃さに感動、山椒にむせぶ、世界に名を馳せる豆乳ラーメン

あまから手帖 連載「GO! Vegan」2020年 5月号より
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京都・下鴨にある豆乳ラーメン専門店、豆禅。こちらのヴィーガンラーメンは、ノックアウト級の濃厚さ、おまけにオリエンタル対応。つまりネギもニンニクも入っていない。初めは普通のラーメンだったのに、なぜか外国人客から「ヴィーガン」と口コミ(誤報)が

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迫真の「もどき」テクニック。アレルギーで食べられなくなった牡蠣の味に再会して、涙。

迫真の「もどき」テクニック。アレルギーで食べられなくなった牡蠣の味に再会して、涙。

あまから手帖 連載「GO! Vegan」2020年 4月号より
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卵を使ってないオムレツ、肉感がすばらしいミートソース。鰻の蒲焼きもある。メニューがとにかく豊富で、どれもびっくりの「もどき」っぷりな、パプリカ食堂vegan 。

好物の牡蠣にアレルギーが出て、何年も食べられなかったのだが(もし余命宣告され

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デパ地下に殴り込み「大豆ミートでここまでできる!」を見せたデリ。これは革命だった

デパ地下に殴り込み「大豆ミートでここまでできる!」を見せたデリ。これは革命だった

あまから手帖 連載「GO! Vegan」2020年 2月号より
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業務用大豆ミートや大豆油脂のメーカー、不二製油グループが出店したプラントベースのデリupgrade 。デパート地下というメジャーな場所に打って出たことも画期的だったが、こちらの唐揚げは大豆ミートを一工夫し、肉の繊維を感じさせる絶妙調理で、コ

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ヴィーガン不毛の地、大阪キタに一番乗りしたおしゃれカフェ

ヴィーガン不毛の地、大阪キタに一番乗りしたおしゃれカフェ

あまから手帖 連載「GO! Vegan」2020年 2月号より
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2020年にあまから手帖でスタートした連載「GO! Vegan」。
連載当初は、プラントベースも持続可能な食も耳新しいテーマで、お肉大好きな編集部内でも、「偏ってる?」と、微妙なスタンスではあった。
それが、連載終わる頃には、世間にSDGs

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食ロスを還流させるスーパーから、モンダイは生産・消費だけじゃないことを学ぶ

食ロスを還流させるスーパーから、モンダイは生産・消費だけじゃないことを学ぶ

あまから手帖 連載「食からSDGs」2022年 2月号より
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農林水産省によると、日本の食品ロスは 643 万トン。
これは全世界の ODA 食糧援助量 320万トンの倍の量で、世界第4位だ。 便利さと裏返しの負のコスト= 食品ロスに新しい食品流通で取り組んでいる店がある。

広い店内に積まれた段ホ

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「食べる」「駆除する」のボーダーに、未利用資源 のおいしさが詰まってる。

「食べる」「駆除する」のボーダーに、未利用資源 のおいしさが詰まってる。

あまから手帖 連載「食からSDGs」2022年 4月号より
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日持ちが悪い、供給が不安定、認知度が低い、不恰好 ... 。 どんな地方にもある、そんな理由で市場に流通していない海や山の幸 ―― 知られざる未利用資源に、光を当てる取組みが進んでいる。

ジャマモクーーー
そう呼ばれて嫌わ

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食の原点、狩猟採取。野生動物と分け合いながら、原野からの山野草を味わう。

食の原点、狩猟採取。野生動物と分け合いながら、原野からの山野草を味わう。

あまから手帖 連載「食からSDGs」2022年 6月号より
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約 1 万年前からの農耕以前、人類は 260万年間狩猟と採集で食べていた。 生産した食べ物を市場で 買うことが 当たり前になった 現在、 山野草は自然の中から 採るという、食 べ 物の原点を 考えさせてくれる。

ご覧ください。

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「量り売り革命」に乗り遅れないために、面倒に負けてはいけない。

「量り売り革命」に乗り遅れないために、面倒に負けてはいけない。

あまから手帖 連載「食からSDGs」2022年 7月号より(写真:伊藤信)全文を掲載したバックナンバー購入はhttps://www.amakaratecho.jp/ 

ゼロウェイスト=ゴミをゼロにする、「量り売り」スーパーが京都に登場した。最新式の計量技術とロス循環へのアイデアが、消費者の行動を変え 「昔ながら」の小売スタイルを「現代の当たり前」にする。

日本初のゼロウエイスト

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進化の敵は、食へのノスタルジーかも。ゲノム編集は「新しい自然」と見るのが、未来的

進化の敵は、食へのノスタルジーかも。ゲノム編集は「新しい自然」と見るのが、未来的

あまから手帖 連載「食からSDGs」2022年 11月号より(写真:伊藤信)バックナンバーはhttps://www.amakaratecho.jp/ でどうぞ。

我 々 が 食 べ る 野 菜 や 肉 は 、1 万 年 以 上 を か け て 品 種 改 良 さ れ て き た 。そ の プ ロ セ ス を 、 約 2 〜 3 年 で 超 高 速 に 再 現 で き る の が 「

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