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文房具のお話

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大好きな文房具についてのあれこれ。
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オリジナルインクとチョコレート

オリジナルインクとチョコレート

文通相手の友人と、蔵前にあるカキモリという文具店へオリジナルインクを作りに行った。
店舗の2階にひっそりとink standという調色スペースがあり、そこで制限時間内に好きな色を作るのだ。
予約が必要なのでそこは少し手間だが、その分限られた人数でゆったりとした時間を過ごすことができる。
オリジナルインクの価格は1本5,500円、2本目以降は3,000円だ。

以前も一度夫と一緒にink stand

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敢えて今アナログの手紙を。

万年筆やガラスペンで文字を書くのが好きなので、日記やスケジュール管理はスマホと紙を併用している。
実際に手で書くことで記憶にも残りやすいので私にとって紙の日記帳や手帳と筆記用具は欠かせない。
特にガラスペン。
万年筆も大好きなのだが、インクに浸けて使うガラスペンは何となく背筋が伸びる。
最近古い友人がガラスペンを買ったらしく、使う機会が欲しいとのことだったので文通を始めた。
彼女とはLINEでもや

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モンブラン146を修理に出した話

モンブラン146を修理に出した話

万年筆が好きだ。
安いものから高いものまで何本も持っているのだが、中でもお気に入りの1つがモンブラン マイシュターシュテュック 146 ル・グランというペン。
ヴィンテージのものを2本持っていて、片方は70年代から80年代にかけて作られたもの。
もう片方は80年代後半に作られたものなのだが、こちらのペンが故障してしまった。
首軸にヒビが入ってインク漏れするようになってしまったのだ。
気に入って使っ

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安物?高級?ボールペン所感

安物?高級?ボールペン所感

万年筆が好きだ。
筆圧がいらずにするする書ける筆記感と好きなインクが使える自由さがゆえに、私が基本的に使う筆記用具は万年筆ばかり。
日記や手帳、手紙を書く時も基本的には万年筆、たまにガラスペンだ。

けれども仕事で転写用紙を書く時にはボールペンを使わざるを得ない。
筆圧が不要なのが裏目に出て転写用紙には万年筆が使えないのだ。
文房具好きなので高級ボールペンも2本持っているのだが、それを使うかという

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海の香りのパフュームインク

海の香りのパフュームインク

ラルティザン・パストリエというフランスのブランドがある。
染料インクを多く出しているが、中でも目を引くのがパフュームインク(香り付きインク)だ。
とある動画で紹介されていたのでローズを買いたいと思ったのだがどこも軒並み売り切れで、仕方なく第2希望だったラゴン(海の香り)を買った。

瓶を開けてみるとヒヤシンスのようなアクア系の香りがふわりとする。
あまり強くない香りなので、相手に届くまでには消えて

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手軽に使えるカチッとキャップ万年筆

手軽に使えるカチッとキャップ万年筆

はじめに

多くの万年筆はインクの揮発を避けるためにネジ式のキャップを装備している。
書く前にキャップをくるくる回して開けるのも趣深いのだが、実用的かどうかを問われると少し言い淀んでしまう。
ほとんどのボールペンやシャープペンシル、鉛筆はワンアクションで書ける状態になるのでやはり手軽なのだ。
では万年筆はどうか。
あるのだ、万年筆にも。ワンアクションで使えるものが。
今回は日常使いで便利な「カチッ

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PARKER 180という万年筆

PARKER 180という万年筆

英国王室御用達のPARKERという筆記具ブランドがある。
矢羽根を模したクリップがお洒落な、非常に滑らかな書き心地の万年筆やボールペンを売っているブランドだ。
そのPARKERが1979年から1985年にかけて販売していたPARKER 180という万年筆。
普通の万年筆はニブ(ペン先)が湾曲しているが、PARKER 180は真っ平らなニブを搭載している珍しい一品だ。

万年筆は裏返した状態で書くと

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トラベラーズノート連結帯使わない組

トラベラーズノート連結帯使わない組

連結帯、使いづらくない?

トラベラーズノートを手帳やノート代わりにしてからもう何年も経つ。
レギュラーサイズとパスポートサイズ両方使っているが、初めはリフィルを複数冊挟む際に連結帯を使っていた。
ただこれがどうにも都合が良くない。
おさまりも悪いし、3冊挟もうもんなら真ん中のリフィルが飛び出て見た目も悪い。
リフィルの入れ替えももたつく。
何とかならんか、と思っていた時にリペアキットの存在を知っ

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ウォーターマンのカレンが良かった話

現代万年筆の祖であるウォーターマン。
今までこれだというインスピレーションが湧かずに手を出したことがなかったのだが、今回初めてウォーターマンの万年筆の購入に踏み切ってみた。
モデルは「船」の名を持つ『カレン』のブラック&シルバーDX、細字が好きなのでニブはFにした。
海外の万年筆だが字幅が太すぎるということもなく、米粒のような字を書く私でも安心して使える。

カレンは三日月みたいな形をしたインレイ

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「秘色」というインク

「秘色」というインク

京都の文具メーカー、TAG STATIONERY。
可愛らしいインク壺や色墨が目を引くが、こちらのオリジナルインクがどれも良い色でたまらない。

特に好きなのは「秘色」(ひそく)という淡いブルーにグレーと緑が混じったようなインクだ。

秘色というのは青磁の色合いを指す言葉だという。
ただのグレイッシュブルーではない、神秘的な色だ。
おすすめして品切れになるのも嫌なのだが、このインクの良さを広めたい

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