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死生観研究

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2021年11月の記事一覧

全ては決まった偶然だとしても

先週のデスカフェで、興味深い話題になった。
きっかけは「自殺についてどう思うか?」という、ハードな話題提供だった。
ここからどう展開するかな…と見守っていたら、「命は誰のものか?」という方向に話が動いた。

自殺や安楽死は「死ぬ権利」という文脈で語られることが少なくない。
特に安楽死先進国では、個人が自由に生きる権利の中に「死の選択」を含むという考え方が採用されることが多い。

でも、そもそも命は

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それはほとんど見送る準備

どうも「終活」という言葉がしっくりこない。

正確に言うと「就活」「婚活」のような「○活」という言葉があまり好きではない。
誰かが言っていたが、○活は想定される理想のルートがあって、そこに乗らなければいけないイメージがある。
それが大変気に入らない。
昭和の日本ならともかく、今の時代にそんな考え方はそぐわない。

でも、一方で○活という言葉はとても便利だ。
特定の目的に対してアクションを起こすこと

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「ただ見えなくなるだけだ」なのか?

デスカフェを開催し始めて、1年と少し経った。
3年前の父の死を機に、死別の悲しみや、そもそも人が死ぬことの意味をずっと考えてきた。
これは私だけが思っていることなのか?
他の人は死についてどう思ってるのか?
そう思いながら気がつくとこの3年、死について何も考えない日はなかった。

私は死に取り憑かれているのか?
そうとも言える気もするし、そうではないとも言える。
死を考えると言っても、ずっと希死念

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アクセスポイントたらしめる

昨日『END展』に行ってきた。

この展示は最近出た関連書籍『RE-END 死から問うテクノロジーと社会』の中から諸々抜粋したものと、書籍にはなかったアート作品などをプラスしたものになっている。

実際の展示で色々感じるところはあったが、またしてもWEB墓である。
(こちらの記事参照)
それにインスパイアされたようなアート作品もあった。
アーティストが意思を持ってデジタル作品を墓として作るなら、確

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