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甘野充のお気に入り

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記事一覧

黄色い月 《詩》

「黄色い月」 春が終わりに近づいた夜  空気は漠然とした湿り気を帯び 薄靄に包まれた 黄色い月がふたりを見ていた 僕の隣りで不規則に美しく揺れる 君のスカートの裾  僕は自分を失ってしまうほど 激しく君を求めていた はぐらかす様に微笑む君の唇に 静かに指先で触れた 少しの間の沈黙  其れは彼女の同意を意味している 全てが再び現実の位相に服すまで 彼女の長い睫毛が 僕の心の均衡を突き崩す 唇から漏れ出る無音の熱い吐息 其れは僕を深く濃密に凝視し続け

女たち/過去記事より

色のある風景|𝐎𝐜𝐞𝐚𝐧 𝐄𝐲𝐞𝐬

Ocean Eyes / Billie Eilish ⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆ 君 には どうして 僕 が 見える の ? ほんとう の ほんとう だけど 不意 に 纏って いる こと 悟られて しまう 禁断 の 海 で 僕 を ひととおり 遊ばせた あと いつも 決 ま っ て ・ ・ ・ ・ ・ 僕 が すぐに とらわれ て しまうこと 君 は 知って いて けれど 慰め なんて 俗 な ことはせず 唯 ほどいて

写真詩「ときめき」

本当は気になって仕方ないくせに 声をかけることも 名前を呼ぶことすらできなくて ただ妄想ばかり働かせて 悶々といていたあの頃 振り返ると 切なくて 微笑ましい日々 そんな胸のときめきも はるか遠い昔のこと あの子は今 どうしているだろう 会ってみたい気もすれけれど やっぱり会わないほうがいい あの時のときめきが 消えてしまわぬために

菜の花の|詩

陽の眩しい田んぼの水路を囲んで あどけない菜の花の群れが 風に揺れている 柔らかな黄色が揺れている 春の空に透けて 胸いっぱいの朝日を吸い込んで 悪戯な風が水の上を吹き流すと 岸辺に向かい合う花同士 くちづけするように顔を寄せ合う じっと見るには眩しすぎるよ 水面の煌めきのせいか 幼げで無垢なその色のせいか 渋滞する車の列の真ん中で ハンドルを握るだけの私が 眩しい車窓の景色に取り残される なにかを落としてきたようで ただ毎日に目を背けているようで 心を侘しく縛るの

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正解はなんだ

朝日が登り始めた時間に 私は起きた そして二度寝 7時頃起きていつものことやりながらのんびりと過ごす朝 ポスターの件もあり、風呂に入りたかったので 昨日夜景だけ楽しんだ天神岬へ移動 天気は晴天、フィルター無しの日光で暑さはどんどん上がる一方だが涼しい風が気持ちよくしてくれるので過ごしやすい 銭湯は10時からで、私がついたのも同じくらいでちょうど開始と同時に入れた 海を見ながら入る壺風呂は最高だったなー 風呂の後は飯か…最近チョコチョコ外食が多い気がする 道の駅や観光

Someday my prince will come

【詩】心旅行

通り過ぎる青空を 通り抜ける感情を 追えば小さな心の隙間 残る寂しさでは埋まらない 風穴が寒いだけ 望む私を なれない私を そっと忘れる心旅行 私は一人だけでいい 眺める青空の眩しさに ただ心打たれる そんな私だけでいい

別垢より 1

指をからめあい 体を寄せ合い 腰に触れ くちづけ 濡れて あふれる 透き通る人肌 心も愛あふれる 逝くのはまだ後で 焦らす波 液溢れ 止まらない 心も体も 抱きしめる 極上の解放へ 正しく 美しく 輝いて 君がいるから 未来を あきらめない 孤独の中でも 愛があるから 見なければ良かった 初夢 を

記憶の宝物@心象風景的

いつ見たのかも、どこで見たのかも忘れてしまった月夜の晩。 北海道だったような気もするけれど 静寂に包まれた夜空に輝く月明かりだけが、まるでスポットライトのように、古びた塔を照らしていました。その塔自体も何の塔だったのか 覚えていませんし、こんな立派なものでなかったと思います。 とてもコントラストの高い金色の月の光があたって 明るいところと暗いところの差が、とても印象的で とても美しかった。 それだけは覚えています。 こうした「妙に覚えている景色」って無いですか? 断片的

七ならべ 夜の駅舎

寂れた町の 夜の駅舎は 孤独な星の 軌道のようで 今、離れたら 二度と会えない そんな気持ちが こみ上げてくる 電車が闇に 消えてしまえば 照らす相手も ない電灯が 視線の先を 泳がせたまま 永い時間を ただ持て余す 寂れた町の 夜はこうして ひとつの星を 守りつづける

【ピリカ文庫】『眠れない四月の夜に』

イントロ 真夜中の電話は、リオンからだった。 「前によく行ったあの映画館で例の映画がかかるみたいよ。見に行かない?」 年に数回、忘れたころにかかってくる電話。リオンと僕を繋いでいるものは、今はもうそれだけになった。 「悪いけど先約があってさ。ごめん」 いつも週末は散々暇を持て余しているくせに、予定が被る偶然を嘆く現実も時にはやってくるのだ。 次に彼女が僕に電話する気になるとしたら、たぶん半年は先になるだろう。 - K(ケイ) - BGM:中央線(矢野顕子、小田

〈花と少女〉詩6428

誘惑

甘い匂いのチョコは あなたに出会い 恋を知った 抱きしめられて あなたの体温でとけながら 愛を知る 甘い匂いで あなたに絡みつき 甘い匂いで あなたを魅了して あなたを虜にしてみせるわ あなたは チョコの甘い匂いに 翻弄されて 逃げれなくなる