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ココロを表現する

 読書会の選定本であった、上田紀行著『覚醒のネットワーク』のあとがきに「こころはパラシュートと同じだ。開かなければ何の役にも立たないよ」とある。これを他のことで喩えるなら、口を開かなければ、食べ物を味わえない。手を開かないと、物を掴めない。それらと全く同じ表現といえよう。天岩戸に隠れた天照大御神よろしく、隠れたままでは外の世界を見ることも感じることもできない。畢竟するに、心は開いていないと、あらゆる事物を受け入れられないし、“気づき”さえ起こり得ない。
 読書会でこんな話が出た。「心を開き、生き生きしていると、たくさんのものを受け取ることができる。それが“繋がり”の連鎖になる。準備をして、受け取る。そして、それをまた渡す。受け取れる人は、渡すことができる。」これを聴いて、私は素直に受け取れる人でありたいと思った。
 “類は友を呼ぶ”という諺があるように、輝いて魅力ある人には自然と人は集まってくる。萩本欽一さんは「運は遠くからやってくる」と語るが、運命は決まったものではなく、未来からやってくる。とはいえ、寝て待って果報が巡ってくるほど、因果律は甘くない。だからこそ、「今、ここ」でやれる準備をしておかないと、あらゆる運は素通りしていくだろう。
 見る、感じる、味わうことに連関するのは「心」であるが、「心」を表現するのは甚だ難しい。そもそも実態があるようでないのだから。たとえば、同じ食べ物を食べたとしても、あなたの味わいと、私の味わいは決して同じではない。具体的にそれを美味しいと表現してみたところで、どう美味しいのかは伝わりにくい。甘いと言っても、それはその人だけしか感じていない。自分しか味わっていないことを、人にどう伝えるか。勿論、同じような体験をしていない人にはより伝わりづらい。文字としての言葉でなくとも、人間は本能的に何かをコトバを表現したがっている気がする。音楽、書、絵、ダンス、料理、何にせよ、その人にしかない感性に基づいた表現であり、どれも素晴らしい。
 久しぶりの小説、三田誠広著『いちご同盟』に、「楽譜があれば、そこからいろんな音のイメージが浮かぶ。せっかくイメージが浮かんでいるのに、自分の指の動きが、正確にそのイメージを表現できないとしたら、もどかしい気持ちになる」という一節がある。私にとっては、数学と向き合っているときに似ている。問題や問いを目の前にすれば、イメージやら自己対話を大切にする。幾度となく思考が止まるが、そのもどかしささえ愛おしい。目の前にあることで表現できないことなど、いくらでもある。もしかしたら、表現できないことも、表現の一つかもしれない。
 さて、いつから心は生まれたのだろう。人間にもともと心が備わっていたわけではない。では、心がなくなったら、果たしてどうなるのか。人間特有の心を持ち合わせているからこそ、私は不完全ながらもここにコトバを表現しようと藻掻く。 あなたは、何を表現しているだろうか。
 
상관없어 널 갖는다면
構わないよ あなたが手に入るなら
        (PURPLE KISS『Pretty Psycho』)


🎵 人生相談&哲学対話ほのぼのカフェ 🎵
 
【Q41】人生においてゴールとは何ですか。
【A】ゴールは、何か達成される地点のことを意味します。だから、私は人生にゴールはないと思うし、未知な道だからこそ、ワクワクする気がしています。目標はどんどん更新していくべし。
 
【Q42】人はなぜ感情を持っているのでしょうか。
【A】人間には理性とともに感情があります。情動は、子孫をより確実に残すために作り出された合理的な仕組みなのです。恐怖は危険から個体を遠ざけ、怒りは敵を威嚇し追い払います。植物には我々が理解できるような感情は持っていません。だから、個体数を増やし、違う手段を用いてよりたくさんの子孫を残そうとしています。
 
【Q43】看護師になるにあたり、一番大切にすべき考え方は何でしょうか。
【A】利他的精神(思いやり)ですかね。患者さんの気持ちを最大限どう汲んであげるかは大切です。
 
【Q44】運命の人はいるのですか。
【A】いると思えばいる。いないと思えばいない。「赤い糸」というか、出会うべくして、出会っている気がしています。未来は向かっていくものではなく、やってくるものです。めぐり合いを大切に。
 
【Q45】人生において最も嬉しかった瞬間はどんなときでしたか。
【A】娘が生まれたときです。神秘的すぎて、ビックリ( ゚Д゚)です。凄いです。
 
【Q46】素直になる方法はありますか。
【A】あなたは素直な性格に憧れているのでしょうか。あなたはシャイで、負けん気が強く、相手を信用するのが苦手かもしれないですね。もしくはどういうものかが分かっていないかもしれないです。素直な人は、嘘をつかない、偏見を持たない、否定ではなく肯定から入るところがあります。無理に素直になろうとせず、信念に従って生きてみてもいいのでは。私は素直ではないし、ひねくれています(笑)
 
【Q47】先生が思う数学の楽しさは何ですか。
【A】知識を問うのではなく、型にはまらずに自由な発想を展開できるところ。
 
【Q48】どうすれば人前が平気になりますか。
【A】私は未だに人前は苦手です。赴任当初、授業に行けば毎回汗だくでしたよ。正直、慣れです。何事もそうですが、場数を踏むしかありません。

【Q49】どうすれば勉強を長く続けられるでしょうか。
【A】ご飯を食べることはどうして飽きないのでしょう。不思議ですよね。私はご飯を食べるのと同じくらい、勉強が大好きです。身体が自然とワクワクします。何よりも愉しむことが鍵かもしれません。

2022.7.8

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