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世界選手権女子ロードレース オリンピックのリベンジを果たしたのは…? ~映画『ブリューゲルの動く絵』~


今年の世界選手権の舞台『フランドル地方』、古くから自転車競技の人気が高くコアなファンも多いことで有名な歴史ある地域です。


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ナレーターとして日々勉強中です。noteでは【女子ロードレースと映画】について書いています。ボイスサンプルやnoteの詳細はこちら🔻


世界選手権の特徴


普段ロードレースは、所属チーム別で勝敗を争いますが、この世界選手権は国別での戦いオリンピックと同様に国の代表として出場します。

今回は、フランドル地方特有の石畳やパンチの効いた短い登りを含むコースで『自転車選手としての総合力』が問われる大会になるのでは・・・と期待されています。

先日の個人タイムトライアルはこちら


パンチャー向けの157km in フランドル


アントワープからルーベンまでの157km
20の短い上り坂があり、標高差は1,047m


王者オランダの意地vs地元ロッテ・コペッキー


特に注目されているのは、オリンピックのリベンジに燃えるビッグネーム揃いのオランダチームと、

地元ベルギーのエース、ロッテ・コペッキーではないでしょうか。


またもや全員エース級のオランダ、オリンピックのリベンジなるか


オランダは元世界チャンピオンを多く抱えた布陣で、マリアンヌ・フォス3勝、アンナ・ファン・デル・ブレッヘン②勝、アネミック・ファン・フルーテン、シャンタル・ヴァン・デン・ブロック=ブラークも優勝経験があります。

中でも今回のコースは、今年のアムステルゴールドレースでも優勝しているマリアンヌ・フォスにピッタリだと言われており、4度目の世界タイトル獲得が期待されます。

オリンピックでは誰がエースなのか誰にも分からない部分もありましたが、今回、ファン・デル・ブレッヘンはアシストとして走ると発言しており、ファン・フルーテンも自分向きのコースではなくフォスの優勝を信じていると語っているので、おそらくフォスで狙ってくるのではと思われます(違ったらどうしよう)。

また、今年リエージュで優勝した若手のデミ・フォレリングは「オリンピックでのミスを繰り返してはならない」と発言しており、東京で学んだコミュニケーションの大切さを意識しながらレースに臨むそうなので、オランダチームの強力なレースコントロールが見られる展開になるかもしれません。

他にも、月曜日にTT世界チャンピオンに輝いたエレン・ファン・ダイク、シクロクロス世界チャンピオンのルシンダ・ブランド、オランダチャンピオンのエイミー・ピータースが参戦。全員が世界チャンピオンになれる力を持ったチームです。


地元ベルギーのエース、ロッテ・コペッキーへの期待


地元ベルギーチャンピオンのロッテ・コペッキー強力なスプリント力を持っており今年8勝。一方で登りのキツイ東京オリンピックでも4位と、総合的な強さも有しています。

今月のチャレンジ・バイ・ラ・ブエルタ最終ステージでも優勝し好調さがうかがえるコペッキーですが、アントワープ州ラムス出身で、ロードレースとTTのWベルギーチャンピオンという事もあり、地元ファンの期待を一身に背負いながらのレースとなりそうです・・・!

とはいえチームメイトには、来月引退予定のジョリアン・ドホールなどの強豪選手もおり、コペッキーのアシストとして働くという発言をしていますので、地元ベルギーのチームワークにも期待です!


デンマーク、ブレイク中の若手エマ・ノルスゴー



UCIロード世界ランキングU23でトップのエマ・ノルスゴーは、春のクラシック、タイムトライアルに強く、ピュアスプリンターではないもののスプリントも速いため、フランドルのコースに適性のある選手として注目されています。


他の注目選手


イタリア イタリアチャンピオンのエリーザ・ロンゴ・ボルギーニは、得意の独走に持ち込めればチャンスがありますが、エリサ・バルサモと元世界チャンピオンのマルタ・バスティアネッリのアシストとして走るようです。バルサモは、春のクラシックで数々の表彰台を獲得しブレイク中。来シーズンは、ロンゴ・ボルギーニの所属するトレック・セガフレードに移籍予定です。

スペイン ロンゴ・ボルギーニと同じくアグレッシブなレースをするスペインのマヴィ・ガルシア

アメリカ ツアー・オブ・フランドル優勝経験のある登れるスプリンター、コリン・リベラルース・ウィンダーと共に走ります。

イギリス 2015年チャンピオンのリジー・ダイグナンは「イギリスチームは今年、高いチーム力を持っている」と発言しています。

ドイツ 男女ミックスTTT優勝のドイツはリサ・ブレナウアー

オーストラリア スプリンターのクロエ・ホスキング


【追記】オリンピックのリベンジを果たしたのは…?


最強の布陣と言われながら、オリンピックではチャンスを逃してしまったオランダチーム。今回も全員優勝候補級の強さで乗り込みました。

レース中盤の登りでは、南アフリカのアシュリー・ムールマンがペースアップ。SDワークス所属の彼女は、一部のオランダメンバーのチームメイトでもあります。この動きにより一時、集団がわれました

レース後半には、メイン集団から飛び出したスペインチャンピオンのマヴィ・ガルシアが勢いのある果敢な走りで30秒近くのタイム差をつけます。

ガルシアのアタックはレースを盛り上げましたが、オランダのファン・フルーテンとファン・ダイク、ポーランドの二エウィアドマらの強力な引きによって吸収。その後のアタックにもフォレリングやファン・フルーテンの厳しいチェックが続きました。


【追記】イタリアチームの鮮やかなリードアウト


ラスト1kmで、エリサ・ロンゴ・ボルギーニらによる完璧なリードアウトを受けたエリザ・バルサモがマリアンヌ・フォスとのスプリントに勝利。

トラックで3つのジュニアタイトルを獲得しているバルサモは、ロードでもジュニア世界チャンピオンの経験があります。それから5年後の今年、23歳でエリート世界チャンピオンに輝きました。

イタリアチームの完璧なリードアウトを受けたバルサモは「言葉がない、夢のような出来事。チームメイトが本当に素晴らしい」と語りました。

ロンゴ・ボルギーニをはじめとするイタリアのチームメイトは、ラストのリードアウトだけでなく、スプリント勝負に持ち込むべく全ての危険な逃げをつぶす動きをしてくれて、とても素晴らしかったと、バルサモは話しました。

東京オリンピックではチームパシュート4位入賞。メダルを逃したバルサモは、五輪の悔しさをバネにリベンジを果たすことに成功しました。


【追記】マリアンヌ・フォスとチームオランダ


2位のマリアンヌ・フォス。レース直後は涙を流し悔しそうな様子でしたが、インタビューでは笑顔を取り戻して「リードアウトでレースを失ったわけではない。エリサ・バルサモに勝てなかったことが敗因」と語りました。

一方でフォス以外のオランダメンバーは攻撃の連携がうまくいかなかったと感じていたようで、ルシンダ・ブランドからは「一部の選手は自分のために走りすぎていたのかも」との発言も。ファン・フルーテンも苛立った様子がだったようです。

メカトラブルなどのアクシデントが続き、思うような働きが出来なかったというデミ・フォレリングは罪悪感を感じインタビュー中に涙も。

今年の世界選手権は最強チームオランダにとって、ひょっとしたらオリンピック以上に複雑なレースだったのかもしれません。


【追記】アンナ・ファン・デル・ブレッヘン引退


色々あったオランダですが、この日は数々の偉業を成し遂げてきたアンナ・ファン・デル・ブレッヘン(31歳)の引退レースでもありました。

「最後のレースを楽しむことができた。先頭から遅れてしまい最初は悲しかったが、ルーベの街を走っていると道端にたくさんの人がいて楽しくなった。多くの人が私に敬意を払い、応援し、感謝してくれた」と話しました。

2022年1月からSD Worxチームのスポーツディレクターに転身するファン・デル・ブレッヘンは、来週のパリ~ルーベにも参加するそうで「チームカーに乗るか分からないが多くのことを学べるレースになると思う。これからUCIチャンピオンズガラで、UCIのためにお酒を飲みたいと思う」と満面の笑みで締めくくりました。

マリアンヌ・フォスも、ファン・デル・ブレッヘンに対し「自転車競技の女王であるにも関わらず、いつも自然体だった。アンナは常にアンナであり、これからもアンナであり続けるだろう」と尊敬の意を示しています


【追記】来シーズン、トレックとSDワークス


来シーズン、ロンゴ・ボルギーニのいるトレックに移籍するバルサモ。トレックには今回TTチャンピオンになったエレン・ファン・ダイクも所属しており、TT・ロードの両チャンピオンがトレックに所属することとなります。

他にも、Wエースとして活躍してきたロンゴ・ボルギーニリージー・ダイグナンシクロクロス世界チャンピオンのルシンダ・ブランドなど、SDワークスに並ぶ超強豪揃いのチームとなります。

SDワークスへは、TT2位のマーレン・ロイサーロッテ・コペッキが移籍予定。この日4位に入ったハンガリー20歳のヴァスも今年途中から移籍してきているようで、ファン・デル・ブレッヘンやシャンタル・ブラークの引退後も強い選手をたくさん揃えています。


【追記】トップ10


1 Elisa Balsamo (Italy)

2 Marianne Vos (Netherlands) 

3 Katarzyna Niewiadoma (Poland) 

4 Kata Blanka Vas (Hungary)

5 Arlenis Sierra Canadilla (Cuba) 

6 Alison Jackson (Canada) 

7 Demi Vollering (Netherlands) 

8 Cecilie Ludwig (Denmark) 

9 Lisa Brennauer (Germany) 

10 Coryn Rivera (United States Of America)


🎥シネマ in フランドル


『バベルの塔』などで有名な16世紀フランドルの画家、ピーテル・ブリューゲル。この映画は、

【代表作の1つ『ゴルゴタの丘への行進』の世界を、実写とCGで再現した体感型アートムービー】

とのことで、ストーリーを一生懸命追うのではなく、自分が今まさにその場にいるような感覚になれました。

そして、緻密で迫力あるブリューゲルの世界だけあって圧倒的な映像美👨‍🎨✨フランドルの予習や、フランドルが恋しくなったときなどにどうぞ🧡(取り寄せレンタルで見ました🙌)










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引用

https://plus.globalcyclingnetwork.com/browse

https://www.uci.ch/  引用 https://www.cyclingnews.com/races/uci-road-world-championships-2021/women-elite-road-race/results/ https://www.cyclingnews.com/news/vos-able-to-smile-despite-collecting-sixth-silver-medal-at-world-championships/ https://www.cyclingnews.com/news/proud-and-emotional-winder-draws-her-career-to-a-close-at-worlds/

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