冬の季節に書きましたが、体調を崩してしまい、まだ未完成です。作者としましては大変お気に入りです。
因みに、扉絵のイラストは、月猫ゆめや様よりお借りしました。美麗です✨
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【創作】真冬のその先に act.0
『彼女との出会いが、僕という人間の運命を変えてくれたんだ』
小雪が降る、玲瓏黒猫の館の、広い庭で、寒椿の手入れをしながら肩まで伸びる金糸を風に揺らし、まふゆは言う。彼女に面と向かってそのことを吐露した時の、彼女の、はにかんだ笑みを思い出しながら。
彼女は今どこに?と、尋ねれば、
「…さあ。今日はまだ姿を見ていないね。きっと、いつものように僕に内緒で、花売りに市へでも行ったんじゃないかな。あの子
【創作】真冬のその先にact.6
王都の街のきらびやかな大通りを、豪華な四輪馬車に揺られながら、まふゆ達一行は
『なんでもご相談承ります、お気軽にお尋ね下さい。
オヴェリア弁護士事務所
代表・オヴェリア・ルーシー』
と、名刺に記されたビジネス界隈の住所に向かっていた。すこし王宮から離れたその界隈は、淡々とした代わり映えのないオフィスがぎゅうぎゅうと箱にでも収められているような、窮屈感と圧迫感を醸し出していた。その中で一軒、