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独りよがりの悪いクセ

ウケることばかり考えて、話の内容が独りよがりになること。
これが私の悪いクセだなと気づいた朝。
おはようございます。
昼と夜に読んでくださっている方には、コニャニャチワ。

伝えたいことを、伝わるように話す。
それが話し上手な人らしいですね。

私は伝えたいことよりも、
「どうやって話せばウケるかな??」
と、そこばかり気にしてました。

なので当たり前のように、私の話は一発で通じない。
「え?どういうこと??」
と、聞き返されることは当たり前。

自分が面白いと思うように、自分だったら笑えるようにしか喋らない。
だから面白いと思っているのは自分だけ。
それなのに、自分の話がウケなかったとき、ひどく悲しくなるなんてことを繰り返していた。

緒方憲太郎さんの『新時代の話す力』には、伝わるように話すことの重要性が書いてあった。

独りよがりの喋り方だと、相手の時間を奪っているだけでなく、相手にストレスを与えているらしい。

これを読んで、自分がウケるために、いままでどれだけの人にストレスを与えてきたのかと頭が真っ白になった。

自分の利益だけを考え、他者のことなど微塵も考えていなかった自分。
最低の行為を何年も何年も、ひたすら繰り返していたなんて、自分の愚かさにあきれた。
もう自分と絶交する気満々だよ。

そうは言っても自分と絶交することはできないので、どうしたものかとアレコレ考えてみたんだけど。
ここはシンプルに、相手にストレスを与えない喋り方をするしかないなと思った。

つまり・・・
「ウケを狙わない!」
これに尽きる。

自分にとっては辛く悲しい選択だけど、人様にストレスを与えるのはアカン。
精進いたします。

そんな最近の読書は『とりあえずお湯わかせ』

2018年から始まる、食と料理を通したエッセイ。
2018年から2019年までは、充実していてキラキラとした柚木さんの生活が描かれていてとても楽しそうだった。

しかしやってきた2020年からは状況が一変。
ここから柚木さんの精神が徐々にやられていく。

柚木さんご自身が肺をわずらっておられるため、外へ働きに出る旦那さんとは家の中でも距離を取り、一緒に食事をしないなど厳重警戒。
さらには、感染率が上がるため、お子さんを保育園に預けることもできず、お子さんと二人きりでのステイホームがスタート。
2歳の子どもを抱えながら、必死に小説を書こうとしている柚木さん。
そんなの無理だよ!!と、本を読んでいるこちらがオロオロしてしまった。


柚木さんは、このステイホーム中で「工夫して生活を楽しんでいこう」とする世の中に疑問を抱く。
生活を楽しむことは大事なことだけど、そうまでしないと楽しめない世の中ってどうなんだろう??と。

アイデアなしにはもはや、個人が生き生き暮らしていけない。それこそが、この国の現状のヤバさを物語っているのではないか。

『とりあえずお湯わかせ』より引用

この回は、ネットでも読めました👇

日々を楽しくするためのアイデアは、SNSでもたくさん目にすることができる。
それらを眺めていると、工夫しようとする人の多さにビックリするのと同時に、自分も何かしらやらなければいけないという焦りのようなものが生まれる。

柚木さんも、

「工夫」と「アイデア」の情報を毎日浴び続けると、いつの間にか、深いところに呪いになって染み付いてくる。自分の頑張り次第で、状況はよくなるのではないか、という思い込みとそれに伴う緊張感だ。

『とりあえずお湯わかせ』より引用

と書かれているけれど、これを読んで私が「工夫」や「アイデア」を敬遠しがちな原因に気づいた。

「自分の頑張り次第」なのがつらいんだ。
感染症で制限された生活を送っていても、家族を笑顔にできるのは自分次第というこの重圧。
これに耐えられなかったんだろうな。


こういう自分のつらさを発信してくれる人って、本当にありがたい存在だなと思う。

自分の中にあるモヤモヤって、原因が何なのかハッキリしないことが多いんだけど、柚木さんのように言いにくいことを言語化してくれる人がいると、私自身のモヤモヤの原因に気づけて、スッキリするという場面が多々ある。

本を読んで、人様の知恵を借りて、自分のモヤモヤを退治している私。
人様に助けられているんだなと、痛感した読書だった。

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