見出し画像

黒か緑か青だったら

大人になってから、しかも30代後半になってから、しもやけになることが増えた。
冬にだけなるのかと思っていたけれど、いまのところ季節関係なく、治ったりかゆくなったりを毎年くり返している。

最近は検索すれば、知りたい情報が画像付きで出てくるので、自分の足がしもやけだということが早い段階でわかった。
とにかく足先が冷えて血のめぐりが悪いので、しもやけになるということもわかった。


しもやけというと、大田垣晴子さんの『セイちゃん』というマンガを思い出す。

『セイちゃん』は、著者である大田垣晴子さんが5歳のころの思い出話が描かれている作品。

この本の中には、しもやけの思い出話があるんだけど、私はしもやけになるたびに、この本を思い出して身震いしてしまうのだった。

『セイちゃん』で描かれているのは、しもやけになったセイちゃんが痛くてかゆがっているときに、お母さんからしてもらったことなんだけど…
火であぶった針を患部に刺して、その患部をギューッと押さえると、中から黒い血が出てくるというもの。

これがとても衝撃的で、初めてこの本を読んでからずいぶんと年月が経っているというのに、いまだにあの日の衝撃が心に残ったままなのだ。
とはいえ、私は自分の足に針を刺す勇気はなくて、しもやけになるたびに黒い血がどういうものかと頭をかすめるけれど、結局は塗り薬で対処して終わっている。

いつか黒い血を生で見てみたい気持ちはあるけれど、怖さが勝つため、私はいつまでも黒い血を見ることはないだろうなと思う。
それにもし、自分の中から黒い血ではなく、緑や青の血が出てきたらと思うと、針を刺して確かめてみる勇気はどんどん消えていく。
想像力はいつだってたくましい。

そんな最近の読書は『リバー』

とにかく分厚くて読むのを躊躇したんだけど、読んでみれば面白さが前面に押し出されていて、今はまだ半分までしか読めていないけど、後半は一気に読み進めてしまいそうな勢い。


河川敷で発見された女性の死体。
10年前に起こった未解決事件と酷似しているために、警察は当時の容疑者候補や、目撃情報などから新たな犯人候補となった人物などを捜査し始める。

「この人、なんか怪しいよね??」
と思っていた人物が犯人候補になるものの、しかしなかなか核心へと迫らずに、じわりじわりと外堀をうめていく感じで、しかしだからといって間延びした状況になるでもなく、展開は次々と変化していくもんだから、たまに息をするのも忘れて読みふけっていることもあって、やっぱり奥田さんの本って面白いな、と改めて思っている次第。

のめり込める読書というのは、大変に幸せな時間をすごせるので嬉しくなる。
まだ読んでる途中だけど、奥田さんの他の作品も読みたくなってきた。

どんどん読むぞ!!!!!

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?