原作と映画、両方とも観ました。
原作は短編小説。同タイトルの本は短編集となっております。

映画は二時間ハリウッド映画。
コラボでばかうけが商品を売りに来ていました。

わかりやすいので映画版を基軸に紹介させていただきます。

ある時、地球上に縦長の（ばかうけ型の）岩が到来。
どうやら宇宙船のようですが、
コンタクトが一向に取れません。
科学者のチームがなんとかコンタクトを取ろうとし、
主人公の女性科学者も含めたチームがあの手この手で接触しようとします。
すると、宇宙船の入り口が開きました。
中に入れるようですが・・・

それはさておき、同時並行で女性科学者の家庭環境が描かれます。
夫と離婚し、娘には死別されてしまう。
この死別の理由が原作と映画では違うのですが、
原作は登山の事故。映画では白血病みたいな病気となっております。

こうした個人のストーリーが、
エイリアンコンタクトの話と同時並行で描かれます。

それはともかく、宇宙船内に入ると、
どうやら八本足の象のような宇宙人が（私にはそう見えた）
霧で曇った窓ガラス越しに現れ、

それに対して人類側は文字での対話を呼びかけます。
すると相手は円形の模様を窓ガラスに吹き付けて、去ったのでした。

あ、そうそう。主人公の女性科学者が言語学者です。
見事に異星人の模様の謎を解き、
それが彼らの文字であり、円環構造を為している特殊な文字だと分かります。

同時並行で主人公はいつも、娘のことを思い出します。
娘の反抗期。
娘に「ケンカするんでもなく、なんとか仲良くする方法をなんて言うんだっけ？専門用語的なやつで」

円環構造を為しているのは、彼らの精神構造をその文字が体現しているから。
彼らの思考には、なんと始まりと終わりの区別がないのです。
再度のセッションで「武器を提供」との発言があちらから出てきて、
これをアメリカチームが引き出したことで、他の大国との緊張状態になります。
特に中国軍とは一種即発の状態になります。

これに対して同僚の数学者のイケオジが、
「ノンゼロサムゲームのルールで行こう」と提案。

母「ノンゼロサムゲームよ」
娘「それよ！お母さんありがとうっ」

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そろそろネタバレのお時間だぜ！むひゃひゃ！

ガチバレです。本当にこの先を読みますか？　Y/N

ｙ

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宇宙人の言語には始まりと終わりがありません。
しかも、その言語を理解した第３者にも、同じ精神的機能が備わるようになるのです。

主人公は未来の自分が書いた本から、宇宙文字の読み取り方を知り、
未来の中国軍司令官とのパーティから、その中国軍の将軍の携帯電話番号を知り、
そしてこれから生まれる娘と死別する未来を知ります。

その言語を理解したものは、未来と過去のすべての時間に起きたことを、知ってしまうようになる。
未来のこともわかるし。
過去もその場にいるように見ることができる。
それが宇宙人ヘプタポッドの言語特性なのでした。

さらに「武器」ではなく「贈り物」であり（まさかの誤訳）
未来の時代に地球人類がヘプタポッドを助けてくれるから、それを成立させるために贈り物をするのだということでした。

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サピア=ウォーフの仮説というものがあるそうで、
話す言語によってその人の精神構造が変わるという仮説です。

日本語だったら（英語ネイティブに言わせると）
主語がないとか。
時制がないとか。
これが日本人の精神構造や、物事に対する価値判断の理由、
文化の理由にも関わってくるのです。
だからアメリカ人でも日本語をマスターすると、考え方が日本人のそれになってしまうんですね。

こういうの、言語によって得られるアビリティが決まっていて、

英語だったら論理的。
ドイツ語ならもっと論理的。
中国語なら速さ。
日本語は情緒性。小説を書くのに最適らしい。

などなど。

ヘプタポッドの言語を使いこなせるようになると、
頭の中で、未來視や過去視ができるようになる。

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完全にネタばれてしまった。
でもこの作品を中途半端に解説して、
その魅力を説明できないからな・・・

そう思った。
お許しくだされ。

まあしかし、東洋的なアイデアと思ったら原作者は中国系アメリカ人の方で、なるほどなと思ったのでした。
今度はネタバレタグ付け忘れんようにしないと。

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