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ラ・ジュテ(1962年)【映画紹介を語るために過去にさかのぼって映画を観てくるんだ!】

フランスが誇るカルト映画。
誰も知らない。

いや、知ってる人があまりいない。
テリーギリアム系のメリバ映画を観てると、
唐突に「元ネタはこいつだ」とか言われる。

どんな映画なんやろ?
と思って観た。

うん、まあ確かに、
12モンキーズと似ている。
同じアイデアを使っている。

しかし、同じアイデアを使っているというだけで、
中身はだいぶ違うように感じた。

いや、今、ウィキで読んだのだけど、
ほぼ同じシナリオのような気がする。

しかし私の感想としては別物。

同じシナリオでも、だいぶ雰囲気が違う。
未来世界の図も、都市国家的なものにしてある。
宮崎駿の短編映画、オンユアマークみたいな感じだ。

モンキーズは宇宙戦艦ヤマトの地下世界みたいなノリだったけど。

でもウィキには地下で生き残っていたと書いてあるから。
私の思い違いかもしれない。
だいぶ昔に観た作品だからなあ。

*****

折角なので、
宮崎駿のオンユアマークも紹介しておこう。
音楽ユニット、チャゲアスのプロモとして作られたアニメ。

岡田斗司夫が解説動画で語るには、
この10分くらいの短編映画が、
後期の宮崎駿を方向づけた作品だというのだが。

結局は、荒廃した世界で、
羽の生えた少女をなんとか救おうとする。
それだけ。
少女を救った後、それ以外の世界はどうしようもなく・・・

という方向性の作品。

岡田はんが、みっちり「本当は恐ろしいオンユアマーク」
について解説してるので、そちらご覧ください。
眼からオーパーツが落ちます。

続きは岡田はんのチャンネルで!

****

さて、これらセカイ系(?)の作品群、
(セカイ系は日本だけの専売特許ではもちろんない)
が示しているのは、
人類存続よりも価値のある優先すべきテーマが、
人類にはあるんだぞ。
ということなんだと思う。

大きな世界の物語から逃避して、
小さな世界の物語に逃げ込むのは、
実は逃避ではない。

人類にとっての「価値」とは、
自分たちの存続とは別のところにある。

ただ自分たちが生きていくためだけに、
生きていくというのは、
人間の本質ではない。

人間の本質を経由した結果、
生きていく力が湧いてきたと言うのは、アリなんだけど、
その逆は無い。

形式だけその世界のエリートとして生きても、
どれだけ成功しても、それだけでは、
人生は虚しいだけである。

なんとなくこいつを思い出した。
これはそういう作品ではないのかもしれないけど、
価値のあるものを経験したのでなければ、
祖国を守ることすら虚しい。
そう思った。

世界を救わんとする勇者、
まず世界を救う前に自らの魂を救わねばならない。
それができない勇者は逆に世界を滅ぼす。

もちろん、
じゃあその生きるより大事な本質ってなんだよ!?
という話なんだけど、
それを簡単に語ってしまうほど芸術は野暮ではない。
そもそも人によって違う場合もあるし。

その存在を示唆するだけに止めて、
余韻を残して投げっぱなしにするのが、
芸術のやり方なのだ。

さあ、明日も泣こう。



追記:来年もよろしくお願いします。


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