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~自由気儘な16行~

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目指せ100日。16行で自由気儘な日々を表現しています。
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2019年8月の記事一覧

~自由気儘な16行~12日目「心」なんて「折れてなんぼ」

~自由気儘な16行~12日目「心」なんて「折れてなんぼ」

些細なことで心が折れてしまう
それが僕の短所であり長所だ
“心なんて折れてなんぼ”
折れて気づくことは多い

よくテレビで聞いていた
「心、折れんなよ」ってセリフ
折れない心=強い心
折れた心=弱い心という自称概念

なんで?折れただけで強弱が決まる?
折れたっていいじゃん、また伸ばせば
折れるほど頑張ったって自分褒めなよ
折れたあとはそれだけ問題と向き合った証だろ

折れた経験はいつか必ず肥やし

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~自由気儘な16行~11日目「悔しさを晴らす」は「涙以外で」

~自由気儘な16行~11日目「悔しさを晴らす」は「涙以外で」

小学校の頃に書いた脚本がでてきた
「1/2成人式」という式で発表した演劇の脚本だ
くっしゃくしゃになった紙は月日のせいではなく
何度も書き直した跡だったことを思い出す

昔からストーリーや脚本を描くのは好きだった
なぜなら自分の思いだけをぶつけられたから
読み手や受け取り手のことなんか
微塵も考えていなかった

そんな脚本を同級生に理解してもらえる筈もなく
「ストーリーがわかりにくいからやりたくな

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~自由気儘な16行~10日目「捨てない」から「残るもの」

~自由気儘な16行~10日目「捨てない」から「残るもの」

財布の中身を整理するとき
必ず開けて見てしまうこの手紙
高一のとき、教育実習の先生からもらったんだ
過ぎた月日は、ボロボロの封筒が物語っている

高校時代
本気を出したり心から楽しむのが嫌だった
かっこわるい、ダサいと思っていた
楽しむことさえ、どこか遠ざけていた

先生はきっと気づいたんだろう
だから実習最終日、こんな手紙をくれた
たった3週間だったけど、確かに聞かれたんだ
「トヤカン君、学校楽

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~自由気儘な16行~9日目「戦い」は「再び」

~自由気儘な16行~9日目「戦い」は「再び」

オール明け、場所は自宅前
今度のあいつはひと味違った
臨戦態勢を整えていやがる
転がってない……

夏が苦手な理由を挙げたらキリがない
スイカの種、クーラーの風
「せっかくの夏だから」って言葉をつければ
なにしてもいいっていう風潮

気軽にできなくなった手持ち花火
暑いだけで不機嫌になる人
汗臭さをごまかすためにふられた香水の匂い
夏までに用意できなかった去年のままの身体

そして写真のこいつ……

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~自由気儘な16行~8日目「夏のあいつ」と「戦う」

~自由気儘な16行~8日目「夏のあいつ」と「戦う」

夏は嫌いだ(2回目)
というより夏に出てくるあいつが嫌いだ
あいつと平和条約は結べない
今年もまた、あいつが僕に戦いのゴングを鳴らした

あいつは不意を突いてあらわれる
階段を下る途中、今年もあいつが寝転がっていた
おい、それは演技か
それとも本当にバタンキューしてるのか

なんでこいつのために俺が後に退かなきゃならんのだ
たかが数㎝、対する俺は1.7mだぞ
演技ならいますぐやめろ、直ちに降参して

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~自由気儘な16行~7日目「夏」にほだされる「情」

~自由気儘な16行~7日目「夏」にほだされる「情」

看護師1年目のとき
残された時間をどう過ごすかという
自分の死生観を見つめる時期を迎えた
患者さんを受け持つことがあった

患者さんたちは口を揃えて言う
「まだ自分が死ぬなんて思えない」と
ご家族も同じだ、涙を流しながらだった
「この人が死ぬなんて考えられない」と

僕も同じだった
「本当に亡くなるの?誤診じゃないの?」と
ただただ辛かった、患者や家族に感情移入は厳禁
1度でも移入すれば看護師失格

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~自由気儘な16行~6日目「湯気」から湧く「妄想」

~自由気儘な16行~6日目「湯気」から湧く「妄想」

体が温まってから寒いところにいくと
腕から湯気がでる
僕はそれを「念能力の開花した!」と
例えるときがあるただの変態だ

妄想は止まらない
もし念能力が使えたら……
僕は何系になるんだろう
AB型(-)だから特質系かもしれない

まだ妄想は止まらない
誓約や制約はつける?
修行に耐えられるだろうか?
ハンター試験受かるかな?

帰りの電車のテーマは「もし今日風呂上がり湯気がでたら」
この話題で1時

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~自由気儘な16行~5日目「帰り」の「匂い」

~自由気儘な16行~5日目「帰り」の「匂い」

かなりの匂いフェチの僕は
帰り道に色々な匂いが行き交う中へ
足を踏み入れるようにしている
その日の疲れを癒すようにゆっくりと

夕焼けで少し焦げた匂いがする木々の前を通り
夕ご飯が一発でわかる住宅地を過ぎる
柔軟剤の匂いが混ざり合ったコインランドリーを抜けると
豚テキ屋の匂いがそれらをすべて奪い去る

毎日、毎日、ほとんど同じ匂いがするこの道は
仕事でアドレナリンが出まくっている僕に
「まあ、あん

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