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映画の感想とか解説

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パラサイト/半地下の家族  貧困の苦しさ

パラサイト/半地下の家族  貧困の苦しさ

パラサイト/半地下の家族

かなり流行っていたと思うのであらすじなどは不要に思えるが、いわば貧困家族が身分詐称をして富豪家族に取り入る様を描く映画だ。

普段、邦画以外の映画をほとんど見ないため、韓国映画にはなじみが無く、とりわけポン・ジュノ監督という監督もこの作品を視聴して初めて知ったような具合である。
しかし、単純な本筋のテーマへの解像度はともかく、美術的描写の美しさ、脚本のわかりやすさ、テン

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日記:1/30 戦場のメリークリスマスをみた

日記:1/30 戦場のメリークリスマスをみた

こんにちは。
今日は比較的体調が良い。週末と月曜日よく休んだからだと思われる。
3日程度よく休むと、明らかに心身の調子が良くなる。ストレスの問題なんだろうか。不思議だ。

昨日は持病の定期健診のために病院に行った。
大きい大学病院なので非常に患者が多く、待ち時間も非常に長い。

しかし、空調が効いていて椅子もあり、売店もあるので待つこと自体は嫌じゃない。むしろ、ちょっとした旅行みたいで楽しい。

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日記:11/23 首を観てきた

日記:11/23 首を観てきた

おねむだ。
昨晩はつい夜更かししてしまった。

習慣的に睡眠薬を飲んでいるのだが、効き始めるまでに1時間弱、ピークまで90分くらいなのでちょうどいい時間に飲まないと丁度良い時間に寝れない。
そして持病の薬である利尿薬(的な奴)を寝る4時間前くらいまでに飲んでいないと夜中に尿意で目覚める羽目になる。

昨日は友達と遊んでいてどちらも飲むのが遅れてしまったため、寝るのは遅く、また夜中にトイレに行きたく

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本当に良い刀は 鞘に収まっている

本当に良い刀は 鞘に収まっている

「本当に良い刀は、鞘に収まっているものです。」
このセリフは、決め台詞的で印象的だが、当初は全く理解できなかった。

捨てばちだが浪人者で腕の立つ三十郎は、人質だがまったりとしている奥方にこう言われ、ギクりとするのである。

本当に良い刀とは?である。
三船演じる三十郎は、主人公でありながらヒロイックなヒーローなので、剛腕でやることなすこと物語を解決に導くパワフルさなのだが、そんな三十郎が本当に良

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ファイトクラブを119回観たので、解説します

ファイトクラブを119回観たので、解説します

結論から書くと、ファイトクラブとは
「ナヨナヨした腰抜けが真の男になる映画」だ。

そして重要な前提として「そういう人間性的なテーマが理解できない人のために、タイラーが自身の人格だということを殊更に演出して、一定の興業的な盛り上がりを作っている」という点に注意が必要だ。

この2点がファイトクラブを読み解くための大切なキーである。
つまりタイラーが別人格であることは大した問題では無い。暗喩に満ちた

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伝説巨神イデオン 各話感想 前編

伝説巨神イデオン 各話感想 前編

後編リリースしました。
伝説巨神イデオン 各話感想 後編|暦|note

イデオン面白い。今24話くらい。
先日、ターンエーガンダムを観てかなりハマったのがきっかけで観ている。

dアニメストアすごいぜ。ニンジャスレイヤーとか昔の名もなきなろうアニメもあるし。

何話かごとに感想を書いていく。

第1話~第3話 イデオン調査中にバッフ・クラン襲来

1話からどんどん人が死にまくってて怖い。
謎の遺

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ターンエーガンダム感想 10話ずつ

ターンエーガンダム感想 10話ずつ

ターンエーガンダムはかなり異質で毛嫌いされているきらいがあるが、内容は全作品の中でも上位に来るくらい面白い。

自己紹介がてら好きなシリーズtop3を挙げるとすると、1位ターンエー 2位Zガンダム,00同率 3位ファーストだ。
要するに富野の作風が好きだということで間違いない。

1話~10話

ロラン達地球探索先遣隊が地球に到着、追って月人の襲来、交渉上手く行かずからのコレン襲来

冒頭でロラン

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エンドレス・ポエトリー

エンドレス・ポエトリー

この映画は、前編であるリアリティのダンスの続きであり監督であるアレハンドロ・ホドロフスキーの自伝映画だ。

人生の数奇的な成り行き、父親の隠された苦悩がテーマであった前編とはうって変わり、青年期のホドロフスキーの成長、出会い、苦悩、詩人として生きる覚悟など本人自身の自省がテーマになっている。

この映画では、これまでのホドロフスキー映画と同様に芸術的な画作りや比喩を凝らした舞台美術で心情が豊かに表

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ファイトクラブの考察 マーラとタイラー

ファイトクラブの考察 マーラとタイラー

ファイトクラブは真の映画だ。"観てない人は見た方がいいし観た人ももう一度観た方が良い"。

ファイトクラブには真の男になるためのノウハウやメッセージが詰め込まれている。
しかし、なにぶん心境や状況の説明が詩的であるため見た後にしっかり考える必要がある。
この記事は、主にそんな感じのことを考えて検索画面を開いたであろうお前を対象に書いた。

ファイトクラブは、ただイカれた男とイカれた男とイカれた女と

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エル・トポの感想

エル・トポの感想

エル・トポという映画を鑑賞しました。二度目になります。

4年前に一回目鑑賞した時はよく意味がわからなくて謎の後半場面がある達人処刑ムービーみたいな気持ちで観てましたが、何度か考察記事を読んだりしてるうちに理解できました。

メチャクチャ良い…………

カルト映画とか言われてますが、実際のところは最高の最高の出来です。

人間の内面や生き方、罪と罰、償いなどが高い解像度で描かれてて、終始共感の嵐で

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ミッドサマーの感想と解説

ミッドサマーの感想と解説

まず、監督の描きたかったものはホルガの人々と生活、それと"異常性"、あとダニーの内面の情動だと思います。派手なアクション映画ではないし、監督も言っている通り(そうでなくても観ればわかりますが)ホラー映画でもないので、いかにしてダニーの感情やその動きを表現するか、というのが製作時のポイントだったわけです。

映像作品では、「快晴の昼間」というのは元気さ・明るさ・楽しさなんかの記号として用いられます。

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