#5 母子保健って?-両親学級-


あー楽しかったなぁ。あー嬉しかったなぁ。


あー悲しいなぁ。あー辛いなぁ。


わぁ素敵。あの人のこんな所すごく憧れる、好き。


んー、どうしてこうなの、なんで出来ないの、なんでわかってくれないの、もっとこうすれば上手くいくのに!!


という風に、人の感情は様々です。


きっと、もっと色んな感情があるでしょう。


では、あなたはその感情、口に出せてますか?


どうですか?


私は、大人になればなるほど、周りの目や考えを気にし、保守的になっている人が多いなぁと感じます。


どうして思ってることを口に出さないんだろう

想いを口にしない人を見る度に、モヤモヤしたり、腹ただしく思ったりしてました。


今もそれが全くないかと言われれば、そんなことはないです。


でも、確実にそういった感情は少なくなってます。


なぜなのか。


それは私自身の考え方、人の見方が変わったからだと思っています。


想いを言語化してすぐその場で言える人もいれば、


少し考えてから言う人もいる。


想いはあるけど、言語化はできなくて、代わりに言語化してくれる人を求めている人もいれば、


想いをまとめるのにすごく時間のかかる人もいる。


そうか、色んな人がいるんだ、
皆それぞれの特徴・特長があって、それを生かして・生かされて、いくことが大切なんだ

ということに私自身が気付いたからだと思います。


古くからの友人は、
「まるくなったよねー!」と言ってくれることが増えたし、

ここ数年で仲良くなった人は、
「ほんとに考えも心も広い」と言ってくれますが、


保健師になるまではきっとそんなこともなく、ツンツンと自分の考えだけで、相手を批判したり、他者の意見なんてそっちのけな人間だったのでは、と。
(ははは、と笑ったあなた、あなたは私にとって古くからの友人ですよ!笑


そんな私を少しでも変えてくれたのが「保健師」という仕事だったので、天職だなぁと思うこの頃です。


………………………………………………


さてさて、前置きが長くなりました。

本題に参りましょう。

今回は両親学級についてです。


「両親学級」または「母親学級」と言われる事業、それは


妊婦さんが出産までの準備として、妊娠中から出産後に必要なことを学び、起こりうる不安を軽減する教室です。


可能な場合は、妊婦さんのパートナーも参加します🙋🏻‍♀️🙋🏻‍♂️


自治体で行われるものもあれば、出産病院で行われるものもあります。

その違いは?というと、

「その自治体に住んでいる人が参加する」

「その病院で出産予定の人が参加する」

ですかね。

つまり、参加する人の条件が違う、といったところです。

学級の内容は、その自治体や学級によって少しずつ異なりますが、大体同じような内容と思われます。


ここでは私の自治体で実施している
両親学級の内容と、
そこに込められた保健師の想い、目的について深めていきたいと思います。

学級の内容としては

・妊娠・出産のメカニズム
・妊娠中に必要な栄養/歯の手入れ
・産後おこりうるマタニティブルー/産後うつ
・必要不可欠な家族のサポート
・行政から受けられる支援


つまり、

妊娠中はこんなことが必要ですよ
出産後はこんなことが起こりうるよ
でも、行政が支援するからね。

(前記事でも書いた出産前後のリスクは、他人事じゃない、あなたにも起こるかもしれないから、知っててね。そして、支援の窓口は私たち保健師だからね。)

ということを伝えています。

既に参加したことがある人は

「え?両親学級って赤ちゃんのお風呂の入れ方(沐浴)を練習する会じゃないっけ?」

って思うかもしれませんね。


確かに、沐浴についてデモンストレーションもしますし、ママやパパにも実際に赤ちゃん人形で体験してもらいます。

時間もかかることなので、メインイベントに思われるかもしれませんね。


でも、沐浴は、出産病院でもするし、民間でも講習としてやっていたりします。


産後は、嫌って言うほど毎日毎日、沐浴、オムツ替えの連続。


とある産婦人科の先生が言ってました。

「ママはパパに今以上のことをやってもらおうだなんて期待しないこと」

「パパはできないことを約束しないこと。お風呂だってオムツ替えだって、目新しいのは最初だけ。1ヶ月もすれば飽きるから。」


それを聞いていたパパママは笑っていました。


相手に必要以上の期待をしないこと、
それが自分が辛くなることを防ぐ方法の一つ。


パパママが笑ったのも、この当たり前のことを改めて言われたからではないでしょうか。


私もその通りだなと思ったし、
これは、夫婦だけでなく、
家族、友人、恋人、職場、、、
対人が必要な場所で必ず心に留めておくことかなと、思っています。


ちょっと話はそれちゃいましたが、
行政の両親学級で取得してほしいのは沐浴の技術ではありません。

じゃあ、何を持って帰っていってほしいか。


先程、

行政で行う両親学級は

「その自治体に住んでいる人が参加する」

と述べたのは覚えているでしょうか。


このことから何が言えますか?



そうですね。



ご近所さん同士での参加なんですよ。


だから、仲間を作って帰ってほしいんです!

妊娠中から気持ちの共有ができる人を見つけておいてほしいんです!!



赤ちゃん訪問や4ヶ月児健診で

「ママ友がいない」

と良く耳にします。

生まれ育った場所でないところでの出産

出産まで働いていたから近所付き合いがない

だから、ママ友がいない。

これは現代社会でよくあること。


加えて、出産後は、小さい赤ちゃんを連れての外出は、そんな気軽にできるものでもありません。

オムツにミルクに哺乳瓶に、着替えに、、まるでどこかに旅行に行くかのような荷物です。

そして、この記事の冒頭で述べていた私の独り言も思い出してください。

積極性のある人ならまだしも、なかなか自分の気持ちを素直に言えない人が多い世の中。


ママ友は出産してからでいいや。


そう思う気持ちもわかりますが、こうやって、いくつもの壁が重なって、簡単なことではないようなのです。


だから、妊娠中から気持ちの共有ができる人を見つけておいてほしい

と言いました。

もっと言えば、


見つける必要性を感じてほしい!


の方が正しいでしょうか。

1つの学級だけでは、なかなかお友達まではいかない場合も。


いいんです、お友達になれなくても。

もしかしたら、その人と、

同じ出産病院かもしれない
近くの小児科で予防接種を受けに行ったら会うかもしれない
4ヶ月児健診で会うかもしれない


「両親学級で同じ班だった人と、近くの小児科で会ったんです」


この言葉も良く耳にしますよ。

一回顔を合わせたことがある人なら、初対面より、ハードル下がるでしょ?^^

そんな人と、育児仲間として、
お互いの育児についてお話して、
不安を少しでも軽減してくれればなによりです。

ここで、先ほどのイラストをもう一度見てみましょう。

どこが大事に見えますか?^^


さてさて、とにもかくにも、

両親学級に参加することは

出産前後に起こりうる出来事を妊娠中から学ぶ

と同時に

出産後に気持ちの共有ができる人を、妊娠中から、探しておく、探す必要性があるということを感じる

という意味があることが伝わったでしょうか。



では、最後にもう一つ。

行政で行う両親学級は、

平日3日間コース

休日1日コース

の2通りある場合があります。

女性も働く時代🙋🏻‍♀️
男性も育児に積極的になる時代🙋🏻‍♂️

だから、休日の方が参加しやすい人が多いのもわかります。

でも、私は保健師として、
先述した仲間づくりを大切にしたい。

だから、3日間かけて、ゆっくり学んで、徐々に打ち解けていってほしいなぁとも思います。

実際に平日3日間コースの
1日目と3日目の参加者の雰囲気は
緊張→和気藹々
と変化します。


今回は事例がなく、
わかりにくかったかもしれませんが


読んでくれた人が
両親学級に込められた保健師の想いを
少しでも理解してくれたら嬉しいです。


そして、未来のパパさん、ママさん、
お仕事を休むのは大変ですが、

ぜひ平日3日間コースへの参加をお待ちしています!

そして、あんなことを言ってた保健師もいたなって思い出してくれたらなにより。


ということで今回はここまで。


次回は少し母子保健から脱出して、
私が保健師を目指したきっかけ
についてお話します。


#保健師 #看護師 #保健 #看護 #publichealthnurse #nurse #公衆衛生 #医学 #母子保健 #精神保健 #成人保健 #感染症 #高齢者保健 #子供 #赤ちゃん #新生児 #ママ #パパ #母親 #父親 #育児 #育児不安 #行政保健師 #妊婦面接 #新生児訪問 #両親学級 #母親学級 #プレママ #プレパパ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?