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お仕事ノウハウ

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仕事の進め方など、フリーのゲームデザイナーの経験など。
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記事一覧

「やらされてる感」を考えてみた

「やらされてる感」を考えてみた


はじめに Xでゲームで生じる「やらされてる感」についてのポストを見て、そのnoteを読みました。
 リンクはこちらです。
ゲームデザインの罠:「やらされてる感」の正体とは

 私なりの考えを相当ぎゅっとまとめて引用ポストしました。こちらです。
https://twitter.com/mTsuruta/status/1782321931481731523

 ぎゅっとまとめて漏れてる要素もありそう

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「面白い」ってどういうの?

「面白い」ってどういうの?

「面白い」というのは、何でしょう。 @nosimodaさんのツイートが元で、「面白い」について考えはじめました。
 色々と考えを巡らせました。また、@nosimodaさんとお話をしてみたいという思いが以前からあり、スペースを使ってお話する事になりました。
 そこでお話した内容を元に、改めて「面白い」について考えてみました。
 @nosimodaさんから、「面白い」と「楽しい」は違う、という指摘を頂

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ゲームの仕様書の「目的」とフォロワーシップ

ゲームの仕様書の「目的」とフォロワーシップ


はじめに この文書は、「ゲームの仕様書に必要なコト」の続きです。
「ゲームの仕様書に必要なコト」の中に書いたゲームの仕様書の「目的」について、プロジェクトのリーダーシップとフォロワーシップ、そして、組織論的なものも少し扱ってみよう、という割と意欲的な、ものです。
 だものですから、ゲーム作りだけでなく、ゲームをプロジェクトとして作る場合に、ゲームの仕様書の「目的」とはどのように扱ったら良いのか?

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作業ログのススメ3

作業ログのススメ3

はじめに 今回は作業ログを使った定型処理と、アイディアのまとめ方についてです。

定型処理って? 定義では、「一定のルールに従って行われる仕事の事」だそうです。
 一度行った作業を定型処理にできれば、どうやれば良いかを考える時間、やり方を発明、あるいは再発明する時間を省けるので、効率が良くなります。
 私の担当するゲーム開発のプランナーの仕事は、アイディアを出して、それを文書にまとめる、という流れ

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「ターン制RPG戦闘演算ノウハウ」の続きとして「未完成のターン制RPG戦闘演算」というのを書いています。
また、「ターン制RPG戦闘演算ノウハウ」を実際の数値を使った簡易モデルの作成も考えています。
お楽しみに。

好奇心は知識を繋ぎ智慧を磨く

好奇心は知識を繋ぎ智慧を磨く


はじめに X(旧ツイッター)で、「必要な知識だけ仕入れても、体系的に学んでいないとそれは知識ではない」というポストを読んで、こういう引用をしました。

 この後、いろいろと考えてみると、もう少し詳しく説明した方が良さそうだと思い、この記事を書きました。
 テーマはタイトルの「好奇心は知識を繋ぎ智慧を磨く」です。
 なぜ好奇心が?
 それをだんだんと解説してみようと思います。

断片的な知識 何か

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ゲームの仕様書に必要なコト

ゲームの仕様書に必要なコト



はじめに ゲームのプランナーとしてのお仕事、四捨五入するとたぶん40年くらいになると思います。
 そのノウハウを色々と書き記しておこうと考えています。
 この文書では「ゲームの仕様書に必要なコト」について書こうと。
 仕様書にまとめるゲームの内容なについては、ある程度考えがまとまっているとします。
 勿論、仕様としてまとめるうちに問題点や各要素の相互矛盾に気付き、訂正しるていくこともあるでしょ

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未完成のターン制RPG戦闘演算

未完成のターン制RPG戦闘演算


はじめに この文書は、「ターン制RPG戦闘演算ノウハウ」の次に書かれており、このアイディアについて皆さんが考える際には、先にそちらをお読み頂く事をお勧めします。
 この文書単体でもご参考にして頂けると思いますが、その方がやり深くこの戦闘演算について深く理解できると考えるためです。

この文書の目的

 未完成ではありますが、次のような事を目的としています。

難易度設計をレベルで指定する事で、全

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mTsuruta
割引あり
ターン制RPG戦闘演算ノウハウ

ターン制RPG戦闘演算ノウハウ


はじめに この文書は、私が過去携わってきたターン制RPGの戦闘の内部演算やその数値設計についてのお話です。
 ここで記述されている具体的な内容ですが、既存の特定のゲームの内容とは異なっています。
 というのは、既存のゲームの内容をそのまま書くとゲーム仕様書は著作権で保護されているので、それに抵触する可能性があるためです。
 このため、新規ゲーム条件を設定して、それに即したものとして新たに書いてい

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ゲーム開発失敗事例「ストーンメイズ」そして「ソロモンの鍵」へ

ゲーム開発失敗事例「ストーンメイズ」そして「ソロモンの鍵」へ


はじめにこれは、1985年にテクモで開発していた「ストーンメイズ」(後の「ソロモンの鍵」)の開発失敗事例をゲームデザイン面から記載したものです。
どのように変更されたはご存じの方も多いと思いますので、変更の方針などを記載するにようにしようと思います。
読者をソロモンの鍵をプレイした事のある方としています。このため、操作性や敵などの説明を省略しています。今でもプレイできるようです。

ストーンメイ

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発掘した資料が今でも通用しそうだったので解説してみた。

発掘した資料が今でも通用しそうだったので解説してみた。


はじめにとある理由で昔の資料を漁っていたら、とある資料を見つけました。
Xに投稿したところ、意外にも好評、なようです。
そこで、解説してみようと思った次第。
画面、表現の項目は書いている内容のままだと思いますので、説明を省略しました。

まずはその資料の画像この資料が書かれた背景日付のみで年代がわかりませんが、記憶によると上田和敏氏がテーカンの企画課長で企画課のスタッフにお題を出して、それについ

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PLANTS WITH 5 ELEMENTS というゲーム、実は

PLANTS WITH 5 ELEMENTS というゲーム、実は


はじめに新作の "PLANTS WITH 5 ELEMENTS"(以下PLANTS)というゲームについてのお話です。
この記事は https://note.com/mtsuruta/n/na70ce21016dc の続きでもあります。
「物事は順番が肝心」と分かって三十数年経ったら、どんな風に作るようになったか、というゲーム構造のお話です。
PLANTSはリリースされており、iOS、Androi

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経験の観測手法

経験の観測手法


はじめにエンタメは顧客に体験を提供するものだと考えています。
その体験は製作者が体験したものか、体験を予感できたものに限られると思うのです。
とすると、自己の体験を観測する必要が出てきます。

体験の定義ここで言う体験は、体験者のシチュエーションと心理状況の組み合わせだと考えており、主に心理状況に比重を置いています。
例えば「車を運転していて、ぶつけられそうになってドキッとした」という体験の場合

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「頭の中でゲームを動かす」を会得する

「頭の中でゲームを動かす」を会得する



はじめにテーカン時代に上司の上田和敏氏がよく言っていた言葉に「頭の中でゲームを動かす」というものがありました。
今回はこの「頭の中でゲームを動かす」の説明と、その利点、そしてその会得方法について述べてみようと思います。

「頭の中でゲームを動かす」って?これは、実際のゲームをプレイせずに、想像でゲームをプレイする事を言います。
将棋で言えば、「頭の中で駒を動かす」に相当します。
この技術は、ゲ

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